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さよなら世界、こんにちは異世界
15.異世界で運転手は君だ
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あれから、待っていても御者さんや護衛さん達は一向にやって来なくて。かといってまた待合所にまた行くのは、ためらってしまう。
ダンが商店街の方を見に行ってくれて、冒険者ギルドの方々がやってきて騒ぎの方は沈静化されてきたと教えてくれた。さてと、どうやって帰ろうかな……。いつまでも、ばあやを馬車の座席に座らせているのも体に良くなさそうで、早く帰って外傷はなくてもお医者様に見て貰った方がいいと思う。
僕が御者をしようと思ったんだけど、まず馬が大きくて馬車に繋げられない。馬の手綱を引いたら、かえって僕が引きずられそうなんだけど。僕はすっかり、ダンのことを忘れて考え込んでいた。
「エディ、俺で良ければ家まで送ってやるよ」
「ええっ、ダンが?嬉しいけど、御者さんも護衛さん達も置いて帰っていいのかな?御者さん達、怒られないかな?」
「俺は、職務怠慢として注意された方が良いと思うぞ。あれからだいぶ経つが、様子も見に来ないじゃないか。エディの家の爵位がどの程度か知らないが、もう少し雇う人を選んだ方がいいぞ」
ダンは僕の代わりに怒ってくれていた。もう僕は、この世界の家族に関しては諦めてしまっていたけれど、ダンが怒ってくれたことが嬉しかった。
「ダン、ありがとう。あのね、僕の名前はエンディ・アンディスール・デュトワなんだ」
「アンディスール公爵か?本当に?」
「信じられないかも知れないけど、僕は三男で家族には余り好かれていないんだ。だからいつもは護衛はいなくて、今日の護衛さん達は初めて会った人達なの」
「そうだからと言って、エディを侮って良い事ではないだろう?決めた!俺が送ってやるよ。エディはばあやさんについてやって、な」
どうして、ダンは僕を否定しないで認めてくれるんだろう。ダンと一緒にいると頑なになっていた心がどんどん解れていくのを感じる。エディにとって、ばあや以外で初めて心を開ける相手かも知れない。
そうしてダンに御者をお願いして馬車を走らせると、待合所にいた御者さんや護衛さん達が、馬車の動き出す音で異変を感じたのか慌てて走ってきた。それを見てダンが馬に鞭を打って、スピードを出した。彼らは何か叫んでいたけど、どんどん離れて見る見る小さくなって行った。
ダンの顔を見ると、吹き出しそうなのをこらえているようだった。そのいたずらが成功したような顔を見たら、僕も楽しくなって声を立てて笑っていた。御者席からダンの笑い声も聞こえてきた。
こうやって誰かと笑い合うことが今まで少なかったから、すごく楽しくて帰り道は最高だった。アンディスール公爵家に着いたのが、すごく残念に思ったほど、ダンと一緒にいるのが楽しかった。
ダンが商店街の方を見に行ってくれて、冒険者ギルドの方々がやってきて騒ぎの方は沈静化されてきたと教えてくれた。さてと、どうやって帰ろうかな……。いつまでも、ばあやを馬車の座席に座らせているのも体に良くなさそうで、早く帰って外傷はなくてもお医者様に見て貰った方がいいと思う。
僕が御者をしようと思ったんだけど、まず馬が大きくて馬車に繋げられない。馬の手綱を引いたら、かえって僕が引きずられそうなんだけど。僕はすっかり、ダンのことを忘れて考え込んでいた。
「エディ、俺で良ければ家まで送ってやるよ」
「ええっ、ダンが?嬉しいけど、御者さんも護衛さん達も置いて帰っていいのかな?御者さん達、怒られないかな?」
「俺は、職務怠慢として注意された方が良いと思うぞ。あれからだいぶ経つが、様子も見に来ないじゃないか。エディの家の爵位がどの程度か知らないが、もう少し雇う人を選んだ方がいいぞ」
ダンは僕の代わりに怒ってくれていた。もう僕は、この世界の家族に関しては諦めてしまっていたけれど、ダンが怒ってくれたことが嬉しかった。
「ダン、ありがとう。あのね、僕の名前はエンディ・アンディスール・デュトワなんだ」
「アンディスール公爵か?本当に?」
「信じられないかも知れないけど、僕は三男で家族には余り好かれていないんだ。だからいつもは護衛はいなくて、今日の護衛さん達は初めて会った人達なの」
「そうだからと言って、エディを侮って良い事ではないだろう?決めた!俺が送ってやるよ。エディはばあやさんについてやって、な」
どうして、ダンは僕を否定しないで認めてくれるんだろう。ダンと一緒にいると頑なになっていた心がどんどん解れていくのを感じる。エディにとって、ばあや以外で初めて心を開ける相手かも知れない。
そうしてダンに御者をお願いして馬車を走らせると、待合所にいた御者さんや護衛さん達が、馬車の動き出す音で異変を感じたのか慌てて走ってきた。それを見てダンが馬に鞭を打って、スピードを出した。彼らは何か叫んでいたけど、どんどん離れて見る見る小さくなって行った。
ダンの顔を見ると、吹き出しそうなのをこらえているようだった。そのいたずらが成功したような顔を見たら、僕も楽しくなって声を立てて笑っていた。御者席からダンの笑い声も聞こえてきた。
こうやって誰かと笑い合うことが今まで少なかったから、すごく楽しくて帰り道は最高だった。アンディスール公爵家に着いたのが、すごく残念に思ったほど、ダンと一緒にいるのが楽しかった。
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