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入学の章

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やはりマオが関わって、事件を未然に防いだようだと、先見の力を持つ両親に能力を高めるべきだと、マオは全寮制の学校にいく事になる。

13から15歳までの学生が推薦される選ばれて入学する全寮制の学校で、3年から5年通う。
剣術や魔法など、色々学ぶ事が出来る。選りすぐりの選ばれた人が入れる学校だ。
マオが調べた魔王の過去と同じなのは不安に思ったが、決定的に違うのはリシンが味方だという事だ。ゲームでもこの学校は近くにある街のシンボルとして登場した。

リシンは魔力を蓄えて、まずは姿を隠す事が出来るようになった。
何故だと聞いてみると、マオの側にいたいからと答えた。とっても可愛くてナデナデしまくった。



学校では入学式の後、廊下で早速見知った顔を見つけた。
「返してください!それがないと見えないんです!」
わかりにくいけど、声が似てる。彼女は魔王の部下で参謀のソルシエールだ。
ゲームでは眼鏡無しのお色気お姉さんだったから驚いたけど、ピンク色のサラサラしたロングヘアーは変わっていない。ゲームでは黒っぽかったけど、今は白っぽいイメージだ。


「いいじゃんちょっと貸してよ!」
イジメているのはペイストだ。
ゲームでは元騎士団長で、魔王の懐刀と呼ばれていた剣術の天才だ。
何処か不安定で危ないキャラだったけど、今は全く感じない。ツンツンした黄土色の髪で、近くにはラルもいる。

「オレも眼鏡かけてみたいッス!」
赤い髪と糸のようなつり目、ターバンも変わってないけど、顔にたくさんあった傷がない。
ラルはゲームではプロの詐欺師で、パーティーメンバーでもあり、魔王に情報を渡していた八方美人のような裏切り者だが、どこか憎めなかった。


「はぁ~」
足を止めてため息をつきながら騒いでる方を見ると、リシンが肩を離れて視界に入る斜め前に来た。

「マオ?助けるつもりなのか?優しいな!!オイラが行こうか!?」
「ほっとけないだけ。リシンだけが行くとあの子が怖がるしな~。・・・眼鏡か、壊しちゃいけないからちょっと手伝ってくれる?」
「わかった!」
リシンはニッコリうなづいてくれた。
「じゃあ・・・」



相手が相手なので、直接よりも魔法を使う。いくつかある属性の中でも、私が相性良いのは雷だ。魔王は特に無いと思ったけど、前世で私はゲーマーだったし、機械に強かったのも関係しているのかな?

「雷よ、トネール!」
ビリッ
「うわあっ!電気か?いって~まだ痺れてる」
小さい電磁波を飛ばした。ちょっとやりすぎたかもしれない。
ペイストが驚いて放り投げた眼鏡をリシンがキャッチし、それを私が受け取りソルシエールに渡す。

「はい。大丈夫?」
「は、はい!」
ソルシエールは凄く緊張しているみたいだ。

「何だよ今の!お前か?痛いだろ!?」
ペイストは剣の天才だけど、魔法はまるでダメ。魔力の気配さえ感じれない。

「あ、ありがとうございます!」
本来のソルシエールは心優しい女の子だ。丸い眼鏡がよく似合っている。


私はペイストに向かって怒る。
「あのね、気を引きたいなら優しくしてあげた方が良いと思うよ?子供じゃないんだから!」
「え?」
「な!!」
「へ?」
ソルシエールが顔を赤く染めて、ペイストは真っ赤。ラルはキョトンとしている。

やっぱり。ゲームでは最終的にラルと、あと1人。まだ逢ってないフィックだけが生き残り、ペイストはソルシエールに恋をしていた描写がゲームであった。出来る事なら上手くいってほしい。


「だ、誰がそんなヤツ!関係な
「シェール!!」
「のわぁっ!」
「うおっと!」
真っ赤になりながらペイストが否定しようとすると、飛ばされた。

あ、あの子は主人公チームの子だ。名前はフォルス。
でも、剣の達人であるペイストとを吹っ飛ばし、素早いラルがギリギリで避ける程の怪力とスピードは流石だ。
フォルスは主人公のお姉さんみたいな人だった。青いドレッドみたいな髪で、下の方で結んだポニーテールが特徴的だ。

「シェールを助けてくれてありがとう!ほら!行くよ!」
「う、うん!ありがとうフォルス」

ソルシエールは魔法科、そしてフォルスは武道科。ゲームでは幼馴染だったけど、科目が違い、歳もフォルスの方が上で、いじめられているソルシエールを守れない負い目ですれ違っていき、ゲームでもあだ名で呼ぶのは1回だけだったけど、この感じなら大丈夫そう。
そう思ってマオは去っていく2人を優しく見守った。

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