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12月 1
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クリスマス
ルピナスは2人きりを見計らい、寮のダイニングでカスミにそっと尋ねた。カスミの言う通りにしておくと何かと良い事が起こるからだ。
「プレゼントのお返しがしたいんだけど、アスター君の誕生日知らない?」
「アスターのたんじょうびは・・・8月29日だね」
「過ぎてるじゃん!!夏休み終わり直前にそういえば寮でみんなと祝ったよ!」
ガッカリしたルピナスにカスミはニコニコと無邪気に笑う。
「クリスマスさそってみたら?きっとよろこぶよ」
「誘うって何に?」
ルピナスはガッカリしながら聞いてみた。あまり興味は持てない。
「で~と!」
「で、デート!?」
更に楽しそうに笑うカスミにルピナスはデートという言葉にボンッ!と赤く染まった。
数日後、ルピナスはアスターと2人きりの時に今しかないと緊張しながら登校中に学校の階段で声をかける。
「あ、アスター君!あ、あのね!」
「ん?どうした?」
こ、声が緊張で裏返る・・・!
「く、クリスマス、どこか出かけたいなって!」
あ、遊びに誘うだけだよ!あ、遊びに・・・!
「・・・なら、イルミネーションなんてどうだ?ショッピングモールの近くで毎年やってんだ!」
これまた以外な提案だ。アスターならスポーツ系を好むと思っていたが、かなりロマンチックだ。
「うーん、素敵な提案だけど、寒いの苦手なんだよね・・・」
ついアスター相手には本音が零れる。ルピナスはかなり寒がりだ。
「あのな、誰と一緒に行くと思ってんだ?オレ体温高いぞ?なんなら今あっためてやろうか?」
ルピナスは真っ赤になりながら吠える。
「あ、あっためるって!な、何する気!?」
「ん?ハグ、ほら」
アスターは気にせず両手を広げる。ルピナスは赤くなりながらアスターの広げた手を降ろす。
「だ、大丈夫!必要ない!!」
「なら、当日もOKだな!楽しみだ!」
アスターはニカッと笑った。
もぅ・・・そういう意味じゃないのに・・・。でも、いっか!!
「うん!行く!」
「おぅ、じゃあ24日の夜、寮の前で待ち合わせな!」
「うん!!」
笑顔で了承し、数分後。
ルピナスは時間差で真っ赤になる。
・・・ってこれ、2人っきりだよね!?
当日。ドキドキ緊張しながら寮の前に行くと、アスターが既にいた。ルピナスのドキドキは最高潮に達しようとしている。
「ルピナス!行こうぜ!」
「あ、アスターく
「ルピナス!ようやく来たわね!」
・・・え?
「・・・も、モミジちゃん?」
固まるルピナスは落ち着いて辺りを見る。
「寒い・・・」
「だからもっと厚着しろって言ったろ?」
寒がるヤマブキにヒイラギがため息をつく。
「出る時はあったかかった」
「はぁ・・・カイロやる」
カエデはポケットからカイロを出してヤマブキに渡した。
「ん・・・ありがとカエデ」
嬉しそうなヤマブキにポトスはからかう。
「引きこもりは寒さに弱いな!」
「むか!ポトスは寒くないの?そんな薄着で・・・」
「鍛えているからな!」
「・・・筋肉バカに聞いたボクが間違ってたよ」
「何だと!?」
ヤマブキとポトスのケンカをボタンが止める。
「こ、こんな日にケンカは良くないです!」
「・・・・・・・・・・・・」
Zクラスのみんなほとんどがいる・・・。ルピナスは変な怒りを覚えた。
・・・どうせこんな事だと思ったよ!!!
と、大きな声で叫びたかった。
その時、イベリスとナズナが寮から顔を出す。
「い、イベリスさん・・・」
「や、ボタンちゃん。相変わらず賑やかだね」
和やかに挨拶する面々がいるが
「・・・・・・あ!」
「ポトス?」
「・・・・・・ぅ」
「ヤマブキ?」
アスターが2人の変化に気づく。こういう変化には聡い。
「どうしたんだよ2人とも?」
アスターが不思議そうに2人を見るが・・・
「な・・・何でもない・・・」
「ごめんなさい・・・」
『・・・・・・?』
流石にみんな気づく。ヤマブキとポトスが怯えているような反応だ。一体どうしたのだろう?
「あ、2人もイルミネーション見に行こうぜ!みんなで行った方が楽しいしな!」
アスターが誘い、ナズナが頷く。
「うん、じゃあご一緒するよ」
ナズナはルピナスがいつもと違う事に気づき、会場に向かいながら尋ねる。
「ルピナス、どうかしたの?」
「何でも・・・」
「え?」
「何でもない!!もう本当にバカ!!言葉足りなすぎ!」
ルピナスはアスターに向かって指差して怒りをぶつける。八つ当たりだとわかっていても止まらない。
「何怒ってるんだ?」
「それがわかってないから怒ってるの!!」
「・・・???」
アスターは本当にわかっていないようだ。
ナズナは2人を冴えるように移動する。
「ルピナス、寒くない?」
「・・・暑い!」
勿論怒りでだ。
「あ、暑い?氷出そうか?」
ルピナスは凹んだように呟く。
「ううん・・・頭冷やす」
きちんと2人きりだと言われた訳じゃない。ホッとした自分もいる。でも、何も言及が無いのはやっぱりおかしくないか!?
ルピナスは小さく怒る。
「普段おしゃべりなのに肝心な事言わないんだから・・・!」
「え?あ、ごめん・・・?」
悪くないのにナズナは謝ってしまった。経緯が全くわからない。
「あ、ごめんね。ナズナお兄ちゃんの事じゃないから」
その時、モミジがルピナスの肩をポンポンと叩く。
「ルピナス、なんとなくわかったわ。アンタが怒る理由・・・」
「モミジちゃん・・・っ!」
ルピナスは嬉しくて泣きそうになる。モミジはバカにしたように言い放つ。
「普通に言ったってアイツだもんね。キョトンとした顔で『え?言ってなかったか?』とか言うに決まってるわ!」
「あ~・・・言いそう!」
頭を抱えるルピナスにモミジは軽く胸を叩く。任せろと言わんばかりに張り切っている。
「だから、2人っきりにしてあげるわ!」
「も、モミジちゃん?私・・・そこまでは言って
「まかせてよ!」
ルピナスにウインクを残したモミジは、早速カエデやヤマブキのいる方に移動していった。
経緯がわかってきたナズナが俯いて、小さく呟く。
「ルピナス・・・誰か気になる人でもいるの?」
ルピナスは2人きりを見計らい、寮のダイニングでカスミにそっと尋ねた。カスミの言う通りにしておくと何かと良い事が起こるからだ。
「プレゼントのお返しがしたいんだけど、アスター君の誕生日知らない?」
「アスターのたんじょうびは・・・8月29日だね」
「過ぎてるじゃん!!夏休み終わり直前にそういえば寮でみんなと祝ったよ!」
ガッカリしたルピナスにカスミはニコニコと無邪気に笑う。
「クリスマスさそってみたら?きっとよろこぶよ」
「誘うって何に?」
ルピナスはガッカリしながら聞いてみた。あまり興味は持てない。
「で~と!」
「で、デート!?」
更に楽しそうに笑うカスミにルピナスはデートという言葉にボンッ!と赤く染まった。
数日後、ルピナスはアスターと2人きりの時に今しかないと緊張しながら登校中に学校の階段で声をかける。
「あ、アスター君!あ、あのね!」
「ん?どうした?」
こ、声が緊張で裏返る・・・!
「く、クリスマス、どこか出かけたいなって!」
あ、遊びに誘うだけだよ!あ、遊びに・・・!
「・・・なら、イルミネーションなんてどうだ?ショッピングモールの近くで毎年やってんだ!」
これまた以外な提案だ。アスターならスポーツ系を好むと思っていたが、かなりロマンチックだ。
「うーん、素敵な提案だけど、寒いの苦手なんだよね・・・」
ついアスター相手には本音が零れる。ルピナスはかなり寒がりだ。
「あのな、誰と一緒に行くと思ってんだ?オレ体温高いぞ?なんなら今あっためてやろうか?」
ルピナスは真っ赤になりながら吠える。
「あ、あっためるって!な、何する気!?」
「ん?ハグ、ほら」
アスターは気にせず両手を広げる。ルピナスは赤くなりながらアスターの広げた手を降ろす。
「だ、大丈夫!必要ない!!」
「なら、当日もOKだな!楽しみだ!」
アスターはニカッと笑った。
もぅ・・・そういう意味じゃないのに・・・。でも、いっか!!
「うん!行く!」
「おぅ、じゃあ24日の夜、寮の前で待ち合わせな!」
「うん!!」
笑顔で了承し、数分後。
ルピナスは時間差で真っ赤になる。
・・・ってこれ、2人っきりだよね!?
当日。ドキドキ緊張しながら寮の前に行くと、アスターが既にいた。ルピナスのドキドキは最高潮に達しようとしている。
「ルピナス!行こうぜ!」
「あ、アスターく
「ルピナス!ようやく来たわね!」
・・・え?
「・・・も、モミジちゃん?」
固まるルピナスは落ち着いて辺りを見る。
「寒い・・・」
「だからもっと厚着しろって言ったろ?」
寒がるヤマブキにヒイラギがため息をつく。
「出る時はあったかかった」
「はぁ・・・カイロやる」
カエデはポケットからカイロを出してヤマブキに渡した。
「ん・・・ありがとカエデ」
嬉しそうなヤマブキにポトスはからかう。
「引きこもりは寒さに弱いな!」
「むか!ポトスは寒くないの?そんな薄着で・・・」
「鍛えているからな!」
「・・・筋肉バカに聞いたボクが間違ってたよ」
「何だと!?」
ヤマブキとポトスのケンカをボタンが止める。
「こ、こんな日にケンカは良くないです!」
「・・・・・・・・・・・・」
Zクラスのみんなほとんどがいる・・・。ルピナスは変な怒りを覚えた。
・・・どうせこんな事だと思ったよ!!!
と、大きな声で叫びたかった。
その時、イベリスとナズナが寮から顔を出す。
「い、イベリスさん・・・」
「や、ボタンちゃん。相変わらず賑やかだね」
和やかに挨拶する面々がいるが
「・・・・・・あ!」
「ポトス?」
「・・・・・・ぅ」
「ヤマブキ?」
アスターが2人の変化に気づく。こういう変化には聡い。
「どうしたんだよ2人とも?」
アスターが不思議そうに2人を見るが・・・
「な・・・何でもない・・・」
「ごめんなさい・・・」
『・・・・・・?』
流石にみんな気づく。ヤマブキとポトスが怯えているような反応だ。一体どうしたのだろう?
「あ、2人もイルミネーション見に行こうぜ!みんなで行った方が楽しいしな!」
アスターが誘い、ナズナが頷く。
「うん、じゃあご一緒するよ」
ナズナはルピナスがいつもと違う事に気づき、会場に向かいながら尋ねる。
「ルピナス、どうかしたの?」
「何でも・・・」
「え?」
「何でもない!!もう本当にバカ!!言葉足りなすぎ!」
ルピナスはアスターに向かって指差して怒りをぶつける。八つ当たりだとわかっていても止まらない。
「何怒ってるんだ?」
「それがわかってないから怒ってるの!!」
「・・・???」
アスターは本当にわかっていないようだ。
ナズナは2人を冴えるように移動する。
「ルピナス、寒くない?」
「・・・暑い!」
勿論怒りでだ。
「あ、暑い?氷出そうか?」
ルピナスは凹んだように呟く。
「ううん・・・頭冷やす」
きちんと2人きりだと言われた訳じゃない。ホッとした自分もいる。でも、何も言及が無いのはやっぱりおかしくないか!?
ルピナスは小さく怒る。
「普段おしゃべりなのに肝心な事言わないんだから・・・!」
「え?あ、ごめん・・・?」
悪くないのにナズナは謝ってしまった。経緯が全くわからない。
「あ、ごめんね。ナズナお兄ちゃんの事じゃないから」
その時、モミジがルピナスの肩をポンポンと叩く。
「ルピナス、なんとなくわかったわ。アンタが怒る理由・・・」
「モミジちゃん・・・っ!」
ルピナスは嬉しくて泣きそうになる。モミジはバカにしたように言い放つ。
「普通に言ったってアイツだもんね。キョトンとした顔で『え?言ってなかったか?』とか言うに決まってるわ!」
「あ~・・・言いそう!」
頭を抱えるルピナスにモミジは軽く胸を叩く。任せろと言わんばかりに張り切っている。
「だから、2人っきりにしてあげるわ!」
「も、モミジちゃん?私・・・そこまでは言って
「まかせてよ!」
ルピナスにウインクを残したモミジは、早速カエデやヤマブキのいる方に移動していった。
経緯がわかってきたナズナが俯いて、小さく呟く。
「ルピナス・・・誰か気になる人でもいるの?」
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