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7月海 6

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ポトス君の手は、大きくて太い。腕には筋肉の盛り上がりがあり、ムキムキなポトスはあったかくて大きく、力強い手だ。
違う・・・。

「ボク、こっちのがいい。イルカちゃんやりたいんでしょう?」
「・・・拗ねてるの?」
「別に・・・」
あらら、ヤマブキ君本当に拗ねちゃってる・・・。
「じゃあルピナスをこのイルカに乗せればいいんだな?」
「え?」
「よっ!」
「きゃあっ!」
足がついてるポトスはルピナスを抱き上げてイルカに乗せようとしたけど
正面から見たしっかりと見たルピナスの水着に鼻血を出す
「ぶはっ!」
「ちょっと!!」
「鼻血・・・?」
「は、破廉恥な・・・ふ・・・着・・・るな!!」
「破廉恥って・・・水着だもん」
「ポトス・・・ピュアだね。プププッ!」
「笑・・・な!」
「あ~もうケンカしないでよ!」
ルピナスは少し浜辺に寄る。
「よし、私、こっちなら足がつくから、ポトス君、イルカに体重預けられる?浜辺に戻ろう」
「・・・スマン」
「ヤマブキ君も手伝って!」
「はいはい」
ヤマブキとポトスをイルカちゃんになんとか乗せて、浜辺に戻ろうとすると

カエデの声が浜辺に響いた。
「ごはんにしよ~!」
「アイツはオカンか・・・」
ポトスが呟いた。
「カスミちゃんやヤマブキ君とか、下の子に懐かれてるからね。世話好きなんだろうな」
「懐かれれてるのはお前の方だろ?」
「え?あ、そう・・・かな?・・・ポトス君も私に懐いてくれてるの?」
「懐いているかは知らんが、信頼してる。ウチはボディーガードとかやってるけど、お前を守るのは大変そうだけど楽しそうだ」
「そっかあ、えへへ」
「抜け駆けしないで・・・。それにボクはルピナスに懐いてるわけじゃにゃいから!」
「何だ!人聞きの悪・・・
「あ、また鼻血が・・・何を考えたの~?」
「う、うるはい!!」
「ハイハイ、ケンカしないの!」




カエデがアスターに声をかけた。
「アスター!バーベキューするから火つけて」
「ほいほいっと。ばんっ」
アスターが指先を赤く光らせて銃のように軽く撃つマネをすると・・・
ボッ!
「ん、付いたぞ」
「流石だね!」
ルピナスは微笑む。
「能力は便利に、使い方を間違えなければいいんだよ」
「なるほど!冬は暖房器具いらないね」
ルピナスは頷いたが
「・・・あんなの、・・・だ」
「え?何か言った?」
「・・・!いや、何でもない!」
「うん・・・」
珍しい・・・。一瞬だけど、落ち込んでた?どうしたのかな?

カエデが海の幸を広げる。
「さ、海鮮バーベキューだよ!タコとエビがいっぱいだよ焼いて焼いて!」
モミジが口を尖らせる。
「え~!アタシ、タコよりもイカがいい~」
「わかってる。イカもあるよ」

ルピナスのお腹がなる
ぐ~
「あ・・・」
「お腹空いた?今回はタレを仕込んできたよ」
「うん、いただきます!」
「はい、タレ」
タレを渡してくれるヒイラギ君の手は指先がとても長い。
違う・・・
「あ、ありがとうヒイラギ君」
ルピナスはホタテを頬張る。
「美味しい?」
「うん!私の身体はカエデ君のご飯で出来てるようなものだよ!」
「またそういう事を・・・!」
「ん?」
「・・・誰かさんに似てきた?」
カエデは赤くなりながら少し睨む。
「誰かさんってダレ?」
「・・・さぁね」
カエデは自分から話を逸らしたのでルピナスは気にしない事にした。
「カエデ君、コックさんになったらいいのに!」
「ふふっ、それ楽しそうだね。毎日来てよ」
「うん!行くよ!」



「カエデ!わたしも貝とって!貝!」
「ハイハイあるよカスミ。はい、ハマグリ」
「ありがとう!」
「カスミちゃんは貝が好きなんだね!サザエとかも好きなの?」
「ん~ん」
カスミはハマグリを頬張りながら首を横に振る。フクジュが代わりに答えた。
「二枚貝が好きなんだよ」
「ごえんごえん!」
「五円?」
アスターは何処からか貝がらを取り出してカスミにあげた。
「あ、ならコレやる好きだろ?」
「桜貝だ!!かわいい!ありがとアスター!じゃ、カシね!あとでイイことおしえたげる!」
「へーへー、期待しないで待ってるよ」
「キタイしててよぉ!」
「カシなんてどこで覚えてきた・・・」
フクジュは頭を抱えた。
「ぷく~!」
普段よりも不機嫌なカスミにルピナスは気になり
「カスミちゃん、どうかしたの?」
「カスミ、海・・・キライ・・・」
「何で?」
「波、こわい!プールと違うし、すなもいっぱい!」
「波に驚いて怖いって、ずっと砂浜で遊んでたな」
フクジュは呆れとからかいながら笑った。
「そっかぁ、海の水ってしょっぱいもんね」
「え?しょっぱいの?」
カスミは眼を丸くした。
「そう。舐めてみなよ」
「・・・うん!海にもういっかいチャレンジする!」


お昼の後の浅瀬にて。
カスミちゃんは麦わら帽子をかぶっている。白いリボンがとっても可愛い
ここなら背が低いカスミちゃんでも浮き輪なしで転んだとしても大丈夫。足がつく浅い浜辺だ。

「ほら、おいで!」
「つ、つよくひっぱらないでよ!?」
「大丈夫だよ」
カスミちゃんは、小さくて可愛らしい湿った手だ。
違うね・・・。
「それっ!」
まずは水に慣れさせるのが一番だよね!ちょっと海水を掬ってカスミちゃんにかける。
「うきゃあっ!冷たい!カスミも行くもん!え~い!」
「え?ちょっと!きゃあっ!」
「それは相撲だろ!」
フクジュはツッコミを入れた。カスミが突進してきたからだ。
「あははっ!カスミの海~の勝ち!」
「全く大丈夫か?ルピナス」
「はい。ありがとうございます。びっくりしただけです!あははっ!負けちゃった!」
フクジュ先生が手を出してくれた。先生の手は指先が長くてちょっと冷たい。薬品が染み着いた医療研究者の手だ。
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