能力持ちの全寮学校に入学しましたが、私は普通の一般人。とりあえず平穏にすごしたいんですけど!?

近藤蜜柑

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6月体育祭10

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何とか最終ラウンドに入ると、アネモネは命の危険を感じた。
「・・・・・・・・・・・・!!!???」
驚きすぎると声が出ない。
この光景を観たことがある。そこはアイスランド最高峰のヴァトナヨークトル氷河だ・・・。
辺り一面の氷原と火口湖や溶岩が同時に存在するアイスランドが氷と炎の国と呼ばれる由来だ・・・。
「し、死ぬわよコレ・・・・・・」
アネモネは絶望を感じて、命からがらコースから離れて棄権した。
数年後、アネモネはアスリートとしてオリンピックで活躍する選手になるが、一番最悪なコースを聞かれるとこの体育祭を用いて、仲間内で走ったアイスランド最高峰のヴァトナヨークトル氷河で、今では経験した事を有難いと感じていると語る。


「どうやら、彼女は棄権したみたいだね」
「だな!なら、思いっきり能力使える!」
「それは僕も同じだよ?」
「面白くなってきたな!」
ナズナは氷の斜面の傾斜を更に上げてスピードをつけ、アスターは足下から炎を吹き出す!

「な、何かグラウンドめちゃくちゃじゃないかしら?」
「さすがにちょっとやりすぎですよ!」
「そろそろ止めた方が良いと思いますけど?」
ローズ先生やオリーブ先生がアネモネを心配し理事長を説得する。珍しくフクジュ先生も介抱しながらひきつっている。
当の理事長は
「ん?止められるけど、楽しそうだからイんでない?」
『イくないわよ・です・だろ!!!  』
先生達は声を揃え突っ込んだ。
「あ、ゴールしたみたいだよ~!!」

「キミ、中々やるね!人間ロケットみたい。最後、前本当に見えてたのか気になるねアレ!?」
「センパイもお見事!スケートとスキージャンプの経験あるのか!?ヤベェも1回やりてぇ!」
「ほらほら楽しそうだよ~」
「いや、そういう問題じゃないだ
「2人とも大丈夫!?」
フクジュ先生が続け、ルピナスが駆け寄る。
「うん。平気だよ」
「当たり前だろ?」
ナズナはにっこりとアスターは照れくさそうに笑った。
「ほら見て?氷と炎、すぐ消えちゃったよ」
「いや、グラウンドは焼けて凍ってめちゃくちゃですよ!?」
「最早グラウンドとは呼べないわね・・・」
「あははははっ!そうだね~」
「で、どっちが勝ちました!?」
ナズナが理事長に詰め寄る。
「うん。ギリギリでナズナ君のが速かったかってさ」
得点係の人が得点を入れる。Cクラスは棄権なので入らない。

最終結果は
Zクラス14点
Sクラス14点
Cクラス7点
「あらら、引き分けだね」
「なら、賞品はどうすんだよ!?」
アスターも不満だ。
「じゃあ、1位と2位でわけっこしようか、じゃんけんして!」
「え?じゃん・・・?
ナズナは固まる。
「最初はパー!」
「え?あ、ちょっ!!
「よっしゃ!パーでオレの勝ち!」
アスターは楽しそうに万歳している。
「え?じゃんけん?・・・え?・・・え?ちょっと待ってくれ」
「何だよじゃんけんして、センパイがグー。オレがパーで勝った!だろ?」
「いや、体育祭でじゃんけんって意味がわからな
「はいはいは~い!じゃ、アスター君が勝ったので、優勝は、Zクラスに決定だよ~!!!」
理事長が強引に優勝を決めてしまった。
『わ~い!!』
「え?本当にじゃんけんで・・・え?え?え?」
ナズナはまだ混乱している。
「さ、閉会式だよ~!」
「え、えっと・・・」
「る、ルピナス?」
「お、お疲れ様ナズナお兄ちゃん」
ルピナスはナズナが咄嗟の出来事が苦手なのを知っている。
「うん・・・」
ナズナはようやく実感したようだ。

「では、結果発表~!!!!最後に勝ったのは・・・Zクラス~!!」
『わぁ~!!!』
パチパチパチパチ
「は~いアスター君!おいで~!」
「オレ?は~い」
アスターが壇上に向かう。
「じゃ、ちょっと待っててね~」
アスターが壇上で待っていると、理事長が何処からかくす玉を引っ張ってきた。吊るしてあるスタンドもあって直径50cmはありそうな金ピカのくす玉だ。テレビでしか見たことない!
「さ、引っ張って!引っ張って!」
「へ、引っ張る?こう・・・か?」
グイッとアスターが引っ張ってみると、くす玉が割れて
【優勝おめでとう!夏休み旅行券プレゼント!!】
とあった。紫と銀色の紙吹雪がグラウンドに放たれて風に乗って蝶々みたいに飛んだ。
「夏休み旅行券!?」
アスターは驚く。他の生徒や先生もだ。
「そう!今年はね、海のビーチと、山のキャンプの2つの旅行券をもらったんだ!」
『おぉ~!!』
「じゃ、クラスでよーく話してどっちに行きたいか決めてね!選らばなかった方は2位のSクラスが行けるよ!」
「おぉ!やったぁ!良かったな!ナズ・・・ナ?」
イベリスも喜びナズナをみたが?
「・・・何で戦ってたんだろう?」
「な、ナズナ?落ち着け?ナズナ?お~い」
「本当に納得いかない・・・!」
ナズナは歯ぎしりしている。
「ま、そうだろうな・・・」
「・・・優勝商品が夏休みの海山旅行券?」
「じ、準優勝のボクらは優勝の選ばなかった方への旅行だね!」
イベリスはフォローする。
「はぁ・・・。本当に気分が乗らない」
「ま、お前にとってはな・・・」

最終結果は
Zクラス14点じゃんけんで優勝
Sクラス14点
Cクラス7点


アネモネ
Cクラスの大学生。
風属性 能力は風。走る時の風の抵抗を操る。
クールで一匹狼な格好いい女の子。学園最速の陸上の選手。将来はオリンピック選手。
クリスマスツリーのようなビリジアンの緑の瞳、腰まである長い薩摩芋のような紫のポニーテール。
セクシーで大人っぽい。無口な方らしいが?



「さて、式も終わったし、今は片付けて・・・ん?」
「イベリスさん、勝ちましたよ!Zクラス!!」
ボタンがニコニコしながら駆け寄ってきた。
「そうだね。最後がまさかのジャンケンって・・・」
「うふふっ、そうですね。予知出来ませんでしたよね!」
「うん。・・・さて、お願いをどうぞ?ボタン姫」
イベリスは眼を閉じて胸に右手を当てた。
「あ、決めてませんでした・・・」
ボタンは今気づいたように照れくさそうに笑った。
姫に動じない!?
「・・・な、なら、どうするの?」
「なら、お友達になってください」
ボタンはイベリスににっこり笑った。
「畏まりました」
イベリスは手をとってボタンが真っ赤になる予知をしながら左手の甲に口づけようとした。
「はい!よろしくお願いします。イベリスさん」
「・・・へ?あ、はい!よろしくお願いします」
上手くかわされてお辞儀された!?ち、調子が狂う!
「・・・?」
ボタンは不思議そうにしながらも笑った。
それにしても手袋?この6月に日焼け対策か?
イベリスはボタン自身に興味が湧いてきた。





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