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5月 ゴールデンウィーク1
しおりを挟む学校にも慣れてきた5月のゴールデンウィーク。
後半は帰省するけど、前半は予定無いんだよね
「はぁ・・・」
寮の部屋で部屋着のTシャツとショートパンツという楽な格好でベッドでゴロゴロしていると・・・
「ルピナス!」
「あ、カスミちゃん。おはよう~」
おやおや、妖精さんがやって来た。
「おはよう。・・・だらけてるね?」
「ヒマなんだよね~」
「そっか。で、いっしょうなかよしになりたい人、できた?」
カスミちゃんはコテンと首を傾げた。
「うーん、まだわかんないかな。みんなの事、まだまだ全然知らないからね」
「じゃ、みんながなにしてるのかたんけんしに行けばいいよ!みんな寮と学校にいるから」
「探険か・・・。ま、それもそっか。ヒマだしね」
「うごきやすい服でいくと吉だよ」
「あ、うん?・・・さて、何処に行こうかな?」
その時、
「あーもう!服が決まらないわ!!」
近くで大きな声がしたな。行ってみるか
コンコン
「モミジちゃん、どうかしたの~?」
「ルピナス!?良いところに来たわ!ちょっと意見貰える!?」
バタンと大きく扉が開いて薄着のモミジちゃんが顔を出した。
「う、うん。私でよければ・・・?」
も、モミジちゃんの部屋は服やカバンやアクセサリーでいっぱいだ・・・。たしかにコレは手伝った方が良さそうだね。
「ありがとう!じゃ、この金と銀のアクセどっちが似合うかしら?」
「え?えっと・・・」
数十分後
「やっぱりコレよね!ありがとうルピナス!」
「う、うん。段々マヒしてきたよ。白って唯の白じゃないんだね・・・。真っ白も、黄なりも、オフホワイトもあるなんて・・・」
「もちろんよ!白だけじゃなく、黄色も青もピンクもあるわ!自分に合った色と素材とデザインを選ぶと自分が一番綺麗になるわよ!」
「なるほど・・・」
「さて、次はアナタよルピナス!」
勉強になると頷いたルピナスにモミジは指を差す。
「え?」
「アタシ、自分を着飾るも好きだけど、誰かを可愛くさせるのも好きなのよ!カエデだけじゃつまらないわ!!ん~まずは・・・」
あ、ちょっと長くなりそう・・・
「あ、えっと、今日は動きやすい服がいいな!」
カスミちゃんの教えに沿います!
「・・・そう?色々着せ替えしたかったのに・・・。じゃあ、それはまた今度ね!」
「う、うん・・・」
カスミちゃん、ありがとう
数分後・・・
パーカーと少しウエストの高い膝丈のスカパンという姿になった。
「うん、これが似合うわ!可愛い」
「エヘヘ、ありがとう。モミジちゃんはおしゃれさんだね。服で困った時に相談させて?」
「・・・・・・!もちろんよ!で、ルピナスは何処かに行くの?」
「みんなの事もっと知りたいから、何してるのか探険しにいくの」
「なら、カエデの事教えてあげるわ!行きましょ!」
「何処に?」
「寮のキッチンよ」
「キッチン?」
女子部屋のある2階から降りて1階のキッチンにやってきた。
「うわあ!いい匂いがする~」
甘い匂いだ。よく知ってる気がするけど何の匂いだろう?
「カエデは食堂のキッチンでみんなのご飯作ってくれてるのよ!」
「1人だと大変じゃない?」
「大丈夫よ。カスミちゃんと一緒だから」
「へ~!」
「・・・さっきからうるさい。そこのお菓子でも食べて静かにしてて」
モミジちゃんと話していたらカエデ君に怒られてしまった。
「うわあ!キャラメルなんて作れるんだね!・・・お、美味しそう!じゃあ、いっただっきまーす!」
ぱくっ!
「美味しい!」
「うん、完璧じゃない!!」
「幸せだよ~」
「ふっ。安い幸せだね」
モミジちゃんと堪能していたらカエデ君に笑われてしまった。部屋に入った時に感じた匂いはキャラメルだったんだね
「安くない!美味しい幸せだよ!」
「あ、ソゥ・・・。ま、また何か作るよ。何が好き?」
ルピナスは少し考えて答えた。
「ん~と、お菓子ならイチゴが好き!」
「了解。ならバリエーション豊富にアレンジできるね」
「えーっ!またキャラメル作ってくれないの?」
モミジが不満そうに喚く。
「キャラメルだけじゃなくバリエーション増やしたいの。じゃ、イチゴ味のキャラメルからな」
「ならいいわ!」
なるほど。モミジちゃんがキャラメル好きなのか・・・
「あ、カエデ君はみんなが普段何してるのか知ってる?」
カエデ君にも聴いてみる。モミジちゃんが補足してくれた。
「ルピナス、仲良くなりたくて探険してるんだってさ」
「俺の仲良い人はちょっと限られてるけど・・・、ヤマブキならこのゲームやってるよ」
「ゲーム?」
「そう。ケータイでも出来るし、ゲームでは他のプレイヤーを助けると、強くなる為のアイテム貰えるから、初心者ならなおさら会えるよ」
「ありがとう!」
カエデ君はそう言ってケータイを見せてくれた。
あ、コレだね。よくCMやってて気になってたヤツだ!
「えっと、ダウンロードして・・・」
私がケータイを取り出していじっていると
「モミジ、口に付いてる」
「ん~とって~」
「ハイハイ」
あ、また2人の世界になりそうだ。ここを出てからゲームやってみようかな・・・
ルピナスはケータイを持って寮の庭に出た。
あ、ここなんて良さそう!今日は天気もいいし、寮の庭はベンチもあってこの場所好きなんだよね!
ルピナスはベンチに腰を下ろし、ケータイの画面を進めた。
えっと、まずはキャラクターメイクだね・・・
エヘヘ、私と眼と髪の毛の色、逆にして作っちゃった。
数分後・・・
「あ、まずい死んじゃう!いや~!こっち来ないで!」
ガラッ!
あ、寮の窓が開いた?
「うるさい。下手っぴ」
「あ、ヤマブキ君。って・・・私のキャラ死んじゃうじゃんか!!あ、あれ?」
死んでないや・・・
「助けたんだから文句言わないで」
「あ、ありがとう!・・・ってスゴ!レベル高いね」
まだ1桁な私に比べて3桁だ!
「・・・みゃあね。ちょっと疲れたから休憩してたらレベル上がってた」
ネコみたいに噛んだ。触れたらまた噛んじゃうから気にしないであげよう
「疲れた?勉強してたの?」
「投資してた」
「と、投資!?ヤマブキ君歳いくつ!?」
FXとか、そういうのだよね!?
「・・・・・・。年齢なんて関係ないでしょ」
「そ、そうかな・・・?ごめん」
人は見かけによらないなぁ。年下なのに。流石天才と言われる人は、私のような普通の子とは違うんだろう・・・
「別に気にしてない・・・。で、みんなが普段何をやってるか知りたくて探険だったっけ?」
「あ、また聞いてたの?」
ヤマブキ君の能力は離れていても聴こえる能力だ。
「まぁね。・・・寮のみんなとか、大体把握してる」
「ホント!!みんなが何処にいるかわかるの!?」
「わ、わかりゅ。・・・って近いちきゃい!」
「教えて!」
「・・・寮にはキミとボクと双子とカスミしかいない」
ヤマブキはいつも首に着けている黄色いヘッドホンを付ける。指先が黄色く光り、耳に移動していく。
「何処にいる?」
「うるさい!静かにし・・・・・・!」
いきなりヤマブキ君が怯えたようにビクッとした。
「どうしたの!?」
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