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子守は大変
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ん~今日は夕飯決まってるし、買い物行く必要も無いんだよなぁ
俺はニトアをおんぶしながら歩く。ずっとグズっていたニトアはようやく落ち着き、しがみついていた手から力が抜けていった。ぐすぐすといっているから寝てはいないんだろうな。
にしても、随分心配かけたみたいだ。ビトリーにはきちんと説明したが、よく顔を合わせていた人間が突然居なくなる事にまだ恐怖を覚えるのだろう。施設を出てアパートに住む時にも遠くに行かないで!と泣き喚かれたのは記憶に新しい。
シャズお兄ちゃんの背中はあの頃と全く変わっていない。背中から見るとよくわかる。お兄ちゃんの何時ものボサボサに見えるふわっとした髪の毛。小さい頃はよくワシャワシャとイジって遊んでいた。
シャズお兄ちゃんは知らないけど、私はシャズお兄ちゃんがずっと好きだった。口が悪くて、意地悪で、人が嫌いで、めんどくさがり・・・なのに面倒見がよくて、一度好きになればその人の事ずっと好きになってくれるぐらいに一途で、本当は優しくて、最後には助けてくれる。そんなシャズお兄ちゃんが。
なのに、お兄ちゃんは最近全く顔を見せなくなった。高校生になったんだし、来年は受験だから忙しいんだって自分に言い聞かせていたら、兄貴が、
「シャズは住み込みで働くんだって、丘の上にあるあのお屋敷で」
なんて言った!ちょっと待って!?丘の上の屋敷は、お嬢様が住んでいて、お兄ちゃんの通う学校と同じだって聞いた!!そんな遠くに行っちゃったら会えるわけ無いじゃない!!
そのお嬢様がどんな奴か確かめる為に怪我をして近づこうと思った。そしたらデカい奴に邪魔された。イライラしてたから怒鳴っちゃったけど、アイツ、そこまで悪いやつじゃないのかも。
ま、結果的にお兄ちゃんと久しぶりに一緒にいられて凄く嬉しい。会いたくて会いたくて仕方なかった。泣いちゃったのは恥ずかしいけど。
もう決めた!お兄ちゃんはこのまま返さない!家に来ればいいの!お屋敷に行ったら今度こそお兄ちゃんとずっと離れ離れになっちゃう気がして恐い。
ニトアはいつの間にか泣き止んでいたが、俺にまたしがみついてきた。こりゃ今日は離してくれなさそうだ。
「ニトア、久しぶりに今日は泊まっていいか?」
「・・・!!うん!」
「ぐえっ!首絞めんなっ!」
「んじゃ、連絡するから降りろ」
「嫌だ!家は近いもん!家から連絡すればいいでしょ!?」
「なーんだ。まだガキだなぁ、家までおんぶしてって言えばいいのに」
ようやく調子が戻ってきたのでからかってみる。ニトアは素直じゃないからなぁ
「ち、違う!!もう降り・・・」
「ん?」
「もうちょっと、このまま」
あれ?珍しく素直だ。ま、それもそうか。
「へいへい」
俺は珍しくワガママなニトアの願いを叶える為、ビトリーとニトアの家までの道をゆっくりと歩いた。
家に着いて、屋敷に連絡した。ロジーに詳しく説明し、明日、学校帰りには屋敷に帰ると言って了承を得た。
ロジーはモテる方は大変ですね
何て言ったので俺は、
「あぁ、小さい奴も大きい奴もいると子守が大変だ」
と皮肉に返した。
電話口でロジーが笑いを堪えて泣きそうになっている声がしたので、俺も吹き出しそうになった。
俺はニトアをおんぶしながら歩く。ずっとグズっていたニトアはようやく落ち着き、しがみついていた手から力が抜けていった。ぐすぐすといっているから寝てはいないんだろうな。
にしても、随分心配かけたみたいだ。ビトリーにはきちんと説明したが、よく顔を合わせていた人間が突然居なくなる事にまだ恐怖を覚えるのだろう。施設を出てアパートに住む時にも遠くに行かないで!と泣き喚かれたのは記憶に新しい。
シャズお兄ちゃんの背中はあの頃と全く変わっていない。背中から見るとよくわかる。お兄ちゃんの何時ものボサボサに見えるふわっとした髪の毛。小さい頃はよくワシャワシャとイジって遊んでいた。
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なのに、お兄ちゃんは最近全く顔を見せなくなった。高校生になったんだし、来年は受験だから忙しいんだって自分に言い聞かせていたら、兄貴が、
「シャズは住み込みで働くんだって、丘の上にあるあのお屋敷で」
なんて言った!ちょっと待って!?丘の上の屋敷は、お嬢様が住んでいて、お兄ちゃんの通う学校と同じだって聞いた!!そんな遠くに行っちゃったら会えるわけ無いじゃない!!
そのお嬢様がどんな奴か確かめる為に怪我をして近づこうと思った。そしたらデカい奴に邪魔された。イライラしてたから怒鳴っちゃったけど、アイツ、そこまで悪いやつじゃないのかも。
ま、結果的にお兄ちゃんと久しぶりに一緒にいられて凄く嬉しい。会いたくて会いたくて仕方なかった。泣いちゃったのは恥ずかしいけど。
もう決めた!お兄ちゃんはこのまま返さない!家に来ればいいの!お屋敷に行ったら今度こそお兄ちゃんとずっと離れ離れになっちゃう気がして恐い。
ニトアはいつの間にか泣き止んでいたが、俺にまたしがみついてきた。こりゃ今日は離してくれなさそうだ。
「ニトア、久しぶりに今日は泊まっていいか?」
「・・・!!うん!」
「ぐえっ!首絞めんなっ!」
「んじゃ、連絡するから降りろ」
「嫌だ!家は近いもん!家から連絡すればいいでしょ!?」
「なーんだ。まだガキだなぁ、家までおんぶしてって言えばいいのに」
ようやく調子が戻ってきたのでからかってみる。ニトアは素直じゃないからなぁ
「ち、違う!!もう降り・・・」
「ん?」
「もうちょっと、このまま」
あれ?珍しく素直だ。ま、それもそうか。
「へいへい」
俺は珍しくワガママなニトアの願いを叶える為、ビトリーとニトアの家までの道をゆっくりと歩いた。
家に着いて、屋敷に連絡した。ロジーに詳しく説明し、明日、学校帰りには屋敷に帰ると言って了承を得た。
ロジーはモテる方は大変ですね
何て言ったので俺は、
「あぁ、小さい奴も大きい奴もいると子守が大変だ」
と皮肉に返した。
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