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懐かれたタッパー
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耳を傾けていると、予鈴が鳴った
昼休みがそろそろ終わりそうだ。
なんとなく、耳障りで、この場所から離れたくないのが自分でも不思議だった。
彼女はゆっくりこっちに歩いてきた。
俺は起きていたのを知られたくなくて寝転がった。
彼女はそっとカーテンを開けた。
俺はそのカーテンの音で目が覚めたようにタイミングを見計らいながら目を覚ましたフリをした。
彼女はごめんなさい起こしてしまいましたか?
と、申し訳なさそうに眉毛を凹ませた
「ちょっと前から目が覚めてたんだよ。アンタの食いっぷりに」
「!ごめんなさい。とっても美味しくて」
少し驚いたらしい彼女はまだ眉毛を、凹ませている。作った側としてはそんな顔で褒められても嬉しくないので反復する。
「美味かった?」
「はい!とっても!気がついたらお弁当箱が空になってました!」
なんて嬉しい感想が返ってきた。
「アンタ、全部食ったの?」
「へ、あ、はい。ごめんなさい」
「いや、別にいいよ。美味かったって褒められるのは嬉しいし」
「え?あのお弁当、あなたの手づくりなんですか!?」
「ま、まあ」
「凄いです!お屋敷のものよりずっと美味しかったです!!」
口調や立ち居振る舞いからいいとこのお嬢様っぽいと思ったけど、正解だったらしい。
「あ、私そろそろ教室に戻らないといけません!お弁当箱、まだ洗っていないので、ちゃんとお家で洗ってお返ししますね!・・・えっと、クラスとお名前を教えていただけますか?」
律儀に返しにくるつもりらしい。何処にでもあるタッパーだぞ?
「シャズ、、、2年B組」
「シャズさんですね。私は1年A組リーシュグリスと申します。長いので、リーシュとお呼び下さい」
あーさっきビトリーと話してたヤツか。スゲーでっけー城みたいなとこに住んでるお嬢様が入学してきた~とかも噂になっている。ってコイツか。
「凄くお料理が上手なんですね!私、感動しました!」
「んな大袈裟な」
「大袈裟なんかじゃありません!とっても美味しくてほっぺが落ちると何度思ったかわかりません!今まで食べたどのお料理よりも美味しくて!
「ほ、褒めすぎだ!」
俺は施設育ちなので、金には苦労してるし、高級なものを食べて下の肥えたお嬢様には物珍しいだけだったんだろう。
「また食べてみたいです!というか、毎日私のお家でお料理を作ってほしいです!私が推薦します!シャズさんのお料理もっと食べたいです!」
「か、考えとくから!近い!」
いつのまにかこのお嬢様は俺にスゲー寄ってくる。何だか腹空かした野良猫にエサやったら懐かれたカンジに似てる。
いや、どちらかというと犬っぽいけど
「絶対ですよ!」
「わかったから!ってか行かなくていいのか!?遅刻するぞ!」
「あ、そうですね!お大事にしてくださいね!」
彼女、リーシュはパタパタと保健室を出て行った。
「はあーっ。なんなんだよアイツ」
遅刻するぞ!なんて初めて口にした。
俺はもう一度ため息をつくと、ゆっくりとバイト先へ向かった。
昼休みがそろそろ終わりそうだ。
なんとなく、耳障りで、この場所から離れたくないのが自分でも不思議だった。
彼女はゆっくりこっちに歩いてきた。
俺は起きていたのを知られたくなくて寝転がった。
彼女はそっとカーテンを開けた。
俺はそのカーテンの音で目が覚めたようにタイミングを見計らいながら目を覚ましたフリをした。
彼女はごめんなさい起こしてしまいましたか?
と、申し訳なさそうに眉毛を凹ませた
「ちょっと前から目が覚めてたんだよ。アンタの食いっぷりに」
「!ごめんなさい。とっても美味しくて」
少し驚いたらしい彼女はまだ眉毛を、凹ませている。作った側としてはそんな顔で褒められても嬉しくないので反復する。
「美味かった?」
「はい!とっても!気がついたらお弁当箱が空になってました!」
なんて嬉しい感想が返ってきた。
「アンタ、全部食ったの?」
「へ、あ、はい。ごめんなさい」
「いや、別にいいよ。美味かったって褒められるのは嬉しいし」
「え?あのお弁当、あなたの手づくりなんですか!?」
「ま、まあ」
「凄いです!お屋敷のものよりずっと美味しかったです!!」
口調や立ち居振る舞いからいいとこのお嬢様っぽいと思ったけど、正解だったらしい。
「あ、私そろそろ教室に戻らないといけません!お弁当箱、まだ洗っていないので、ちゃんとお家で洗ってお返ししますね!・・・えっと、クラスとお名前を教えていただけますか?」
律儀に返しにくるつもりらしい。何処にでもあるタッパーだぞ?
「シャズ、、、2年B組」
「シャズさんですね。私は1年A組リーシュグリスと申します。長いので、リーシュとお呼び下さい」
あーさっきビトリーと話してたヤツか。スゲーでっけー城みたいなとこに住んでるお嬢様が入学してきた~とかも噂になっている。ってコイツか。
「凄くお料理が上手なんですね!私、感動しました!」
「んな大袈裟な」
「大袈裟なんかじゃありません!とっても美味しくてほっぺが落ちると何度思ったかわかりません!今まで食べたどのお料理よりも美味しくて!
「ほ、褒めすぎだ!」
俺は施設育ちなので、金には苦労してるし、高級なものを食べて下の肥えたお嬢様には物珍しいだけだったんだろう。
「また食べてみたいです!というか、毎日私のお家でお料理を作ってほしいです!私が推薦します!シャズさんのお料理もっと食べたいです!」
「か、考えとくから!近い!」
いつのまにかこのお嬢様は俺にスゲー寄ってくる。何だか腹空かした野良猫にエサやったら懐かれたカンジに似てる。
いや、どちらかというと犬っぽいけど
「絶対ですよ!」
「わかったから!ってか行かなくていいのか!?遅刻するぞ!」
「あ、そうですね!お大事にしてくださいね!」
彼女、リーシュはパタパタと保健室を出て行った。
「はあーっ。なんなんだよアイツ」
遅刻するぞ!なんて初めて口にした。
俺はもう一度ため息をつくと、ゆっくりとバイト先へ向かった。
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