龍神祭のうた

近藤蜜柑

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何があったんだ!

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しばらくして、エウロスがこっちに走ってきた
「アース!大変だ!龍が、ドラゴンが目覚めた!・・・って逆ハーレム?何してるんだよ」
「え?きゃああ!ご、ごめんなさい!」
フェンディが慌てて離れた。フロストはオレの服の裾だけを掴む
ん?オレは何となく既視感を感じたが、
「違う!」
とエウロスを殴っておいた
「ってそんなことより何があった!ドラゴンがどうした!」
「噴水のドラゴンが、ピシッピシッってヒビが入って、光って、中からドラゴンが出てきたんだ!」
「噴水のドラゴンが動きだしたって事!?」
フェンディが怖がりながらも驚いて聞く
「あぁ!やっぱり伝説は史実だったんだよ!」
「いや、今はんな事どうでもいい!それで、ドラゴンは!」
「えっと、それが、、、」
エウロスは急に歯切れが悪くなった
「どうした?」
オレは更に聞いてみる
「あ、」
「あ?」
「遊んでるんだ。噴水で」
「ぇ?」
「噴水を泳いだり、水を飲んでいるんだ。楽しそうに」
ガクっ!
何だよそれオレ達はみんなでズッコケた
「ふざけないでよ!」
袖で悔しそうに見ていたフレイアがいつの間にか近くにきていた
「いや、ここからでも声は聞こえるでしょ?」
エウロスが苦笑いした
「ギャアギャア!」
バチャバチャ!
確かに、楽しそうな声だ。何だか子供みたいだな
「じゃあもういいじゃない!コンテストはじめちゃうわ!」
「フレイア!待って!」
「大丈夫かな?」
「止めたって聞かない奴だからなぁ~」
心配そうにみつめるエウロス。オレは呆れ顔で見送る。
「私、止めにいく!」
フェンディが追いかけていった
「エウロス、そのドラゴン何色?」
フロストが怯えながら真剣に聞いた
「茶色と緑だったけど、シカみたいな角が生えてて、羽と尻尾は葉っぱの形をしていたと思うけど?」
エウロスは不思議そうに答える
「木属性!?どうしよう!」
「何だ?あの黄色のドラゴンに会いたかったのか?」
「ヤバイです!相性最悪です!フレイアを止めて下さい!」
フロストはオレを無視し、かなり焦っている
「相性?」
エウロスが聞いた
「ドラゴンには属性があるんです!去年見たから知ってます!フレイアは火属性なので、木属性のドラゴンには苦手でしかないんです!」
「どういう事だ?」
「とりあえず、フレイアに歌わせちゃ不味いんだな」
エウロスは1人理解したように駆け出した
ステージへ?司会の兄貴のとこか!





「フレイア!待って!」
「フェンディ、私は祭りをめちゃくちゃにしたドラゴンを許せないの!」
「でも危ないよ!」
「私、知ってるよ。フェンディ、あなただってホントはこのステージで、人前で歌ってみたいでしょ?」
「な、何言ってるの?私、歌えないよ」
「そうだね。毎年毎年、祭りの前日の深夜にステージ裏でこっそり歌っているぐらいだもんね~」
「知ってたの!?いつから?」
「5年ぐらい前から」
「そんな前から?」
「アタシ知ってる。フェンディがホントは歌が大好きで、コンテストに出たいって思ってる事も」
「フレイア、、、」
「だからこそ、フェンディには負けないし、あげない。歌も、アイツも!」
「あ、アイツ?」
「っ!何でもない!勇気のないフェンディはそこで指を咥えて見てて!」
「ふ、フレイア!」
フレイアは振り払ってステージへ走った。フェンディは追いかけることが出来なかった。
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