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第3章
「魔王の子供?」
しおりを挟む「嫌だ……!」
跨られているのが、本当に嫌で、逃れようと動いた瞬間、魔王は指を軽く上向かせた。多分、魔法を使ったんだと思う。オレは動けなくなった。腕を、自分の顔の横で押さえつけられた。触られてないのに。
「……っ」
もう睨むしかできない。すると、ふん、と鼻で笑われた気がする。
「――――さっきまで息もできなかったくせに、生意気だな?」
皮肉っぽく言った魔王の手が、オレの腹に置かれた。
「勇者の好みは良く分からんな」
……分からなくていいから、触んなー!
思った瞬間。ぽう、と魔王の手が、光った。
ピンク。……どす黒い感じのするピンク色に。
「……っ」
何だこれ。何されてんの、オレ……。
魔王が触れてる所が、焼けるみたいに、熱い。
「熱つ……っやめ……」
体が動かないので、その場で、ぎゅう、と拳を握り締める。
その内ふっと光が消えて、少しだけ熱さがマシになる。だけどまだ少し、熱を持ったままで。恐る恐る、自分のお腹の辺りに目を向けると。
下っ腹のあたりに、変な、入れ墨みたいなのが入っていた。なんか、ハートっぽい形に変なとげとげが生えたみたいな模様。
「……何、これ?」
「淫紋、というものだ。知らぬか?」
「……知らない」
そう言うと、魔王は、すり、とその入れ墨みたいなのに手を這わせた。ぞわっ、として、ぷるぷる小刻みに首を振る。振ってるつもりだけど、動けてない。ぞわって言っても、ルカにされて感じるのとは違って、悪寒というか気持ち悪くて、ぞわ。
「早い話が――――これで、男だとかは関係がなくなるということだ」
「……全然分かんない……何……?」
いんもんって、漢字は、淫紋……だよなきっと。淫靡とかの「淫」……なんかやらしいイメージ。それの紋章、みたいな……マークってこと?
やらしいマーク。……男が関係なくなる?
……嫌なイメージしか出てこない。なんだかは全然分からないけど!
「お前は、私の子を孕むことができるようになった」
……ん?? んん?
今なんて??
子をはらむ?
……んんん? オレが、魔王の子をはらむ???
「何の、冗談……?? オレ、男だし……」
「物分かりが悪いな。この紋章は、そのためのものだ」
…………は??
何言っちゃってんの、この人。……人じゃないか。
「じょ……冗談でしょ」
つか魔王の子って、何? 魔物? 人間?? なになになに?
オレが産めるの?? 嘘でしょ。
「私の子を孕んだお前を、勇者の元に返したら、どうなるか見物だな」
なんか、笑いを含む声で、ものすごく恐ろしいことを言われている。
突然、体にかかってた圧が抜けた。咄嗟に逃げようと動いたオレの腕を、魔王が直接掴んで、ベッドに押さえつけた。
「……っ」
別に、こういうことするのが、ルカが初めてだった訳じゃない。
相手は、女の子だったけど。
ルカだって結構無理矢理感あったし、まあオレは男だし。結構ルカにされるの慣れてきてるし、まあ一歩譲って……いや、千歩……百万歩くらい? いやもっとか。とにかくもっともっと、たくさん譲れば、殺されて二度と、東京にもルカの元にも帰れないよりはマシかもって、思ったりする。けど。
……子供とか、何言ってんの、絶対無いー!!
何、魔王の子供って、魔物って、そうやって産まれてるの?? じゃあオレは、魔物を産むの?
ぐらりと眩暈がした気がする。
(2024/4/9)
トンデモ展開でソラが( ゚д゚)ポカーンてなってますが。皆さんもかな…?
まあ書いてるのは、あくまで私なのでね。うん…まあ…(*´艸`*)
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