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第2章

「どうやって」

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「ルカ、ごめん……」

 今攻撃しようとして、力ためてた時なのに。
 そう思って、言ったら、ルカがオレを見つめて、笑った。

「いい。あぶねえとこに連れてきてるのは、オレだ」
「でもいっつもオレ、狙われるし」

 そう言うと、ルカは苦笑い。

「一番弱そうなの狙うのは当たり前だからな。オレが守ればいいだけだし。……それより」

 周囲を見回してからら、ルカが早口で、オレに言う。

「ソラ、今から最後の攻撃を仕掛ける。もしこれで効かなかったら、しょうがないから一旦戻る。結界を破れる武器か何か、とにかく装備整えて、再出発しかない。リアの近くに行けるようにしとけよ」
「うん」
「もう少し、隠れとけ……それか、ゴウとキースの後ろに行っとくか……」

 ルカが、二人に視線を走らせた時だった。

 ルカが見てる方とは逆の方から、デカい奴の足が伸びてきて。
 あ、と思った時にはオレ達に絡みつこうとして――――……その瞬間。気づいたルカが、オレを、突き飛ばした。

「……ッ」

 とっさに動いてくれたキースに受け止められたまま。

 オレは、ルカに、デカいのの足が絡むのを、まるで、スローモーションの映画を見てるような感覚で、見ていた。

 
「ルカ!!!」

 ルカに絡んだその足に向けて、ゴウが攻撃するよりも早く、リアが魔法を放つよりも早く。足が、ルカを持ち上げて、本体の方に戻っていく。


「リア! やばくなったら、オレを気にせず、先、地上に行けよ!!」

 何言ってんの、というようなセリフを口にしたルカが。
 オレの目の前で。

 デカいのの、口に。


 放られた。


「――――……っ……」


 ――――……そう。


 そうだ。さっき……考えてた。

 雷の魔法以外、あまり攻撃をしてこない。
 普通の人間なら、あの足で衝撃で倒せるんだろうけど、戦える相手には、あまり効かないのかも。

 そういう時、どうやって相手を倒すんだろう、あの足は、何をするんだろうって。



 ……食べる?

 浮かんだそれに、さあっと、血が引いた。



「ルカ……!!!」



 自分の声と、皆の声が、重なって、なんだか、すごく遠くで、聞こえた。

 怖くて。
 つい今さっきまで触れてたルカが。目の前から消えたことが怖すぎて。

 目の前に落ちてる、ルカの剣を見つめたまま、一瞬、動けない。


「……ルカ!!」

 我に返って、立ち上がって、思わず、デカいののほうに駆け寄りそうになったところを、キースに腕を取られて、止められた。


「ソラ!」
「……ッ……だって、ルカが……!」

「ソラが行っても、何もならない! 下がってて」
「……っだって……!!」

 オレのせいで、ルカが……!


 泣きそうなのを、こんなところで泣くわけにはいかないと、ぐっと堪えてると、キースの後ろに、下げられた。

「大丈夫、まだルカは生きてる」
「……っ」

「船の結界、破れてない。ルカに何かあったら、船の結界も破られてる。だから、今はまだ――――……」

 近くに来た、小さめのを、キースが剣で弾き飛ばす。

「――――……でも、ルカを、あそこから、出さないと」


 キースのその言葉に、皆が、頷く。


 でも――――……ルカの攻撃すら、効かないのに。
 皆の魔法も。



 どうやって……?


 ぐ、と、デカいのを睨む。


 考えろ。

 ――――……RPG、めちゃくちゃやってきただろ。

 なんか、無いの。
 攻略法――――……。



 ああいうやつの、攻略法。











(2022/10/28)

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