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第2章
「怖いけど」
しおりを挟む「……ん、ぅ……ッ……」
「ソラ」
「……っ?」
必死で、涙のにじむ瞳で見上げると。
「……奥、好き?」
「……っ……ん、んん……あっ……」
一番奥を刺激されて、ルカを見つめたまま、きゅ、と眉を寄せる。
「好き?」
「……っは…… 好き……ていうか…………き、つい……」
言った瞬間。下腹に、ルカの手。
前もされたのをふいに思い出す。
「……それ、や――――……っあ……!」
押された瞬間。
中と外の、感じるところ、一気にされてる感覚になって。
「……は……ん、ン……ル、カ――――……」
気が遠くなる。
――――……こんなに抱かれることに、慣れて。
キス、される、てことに慣れて。
イくのとかも、全部ルカの思うままにされることが気持ちよくて。
ほんと、ヤバいな、オレ……。
「……っあ……ッ……」
圧迫感が、すごい。
こんなのに、中をこすられて、快感しかないって――――……。
「……ル、カ……っ……ん……ッ」
声が、止まらない。
――――……甘えてるみたいに聞こえる、自分の声が嫌で、出さないようにって思うのに、全然、叶わない。
「……っん、ぁ……ッ!」
ルカが中で、イくと。
何度目か、オレも一緒に、昇り詰める。
「――――……は……っ……あ……」
息を整えることもできないまま、キスで唇を塞がれて。
んん、と、もがくと。
「ソラ――――……」
抱きすくめられて、キスされる。
「……っふ…………」
ああ、なんかもう――――……こんな風に毎回、激しくされてると……。
……この熱が、気持ちよくなって――――……。
なんだかなあ、もう……。
「……る、か……」
ぎゅう、としがみついて。
ルカのキスに応える。
「――――……」
で、そのまま。
――――……寝落ちた。
激しすぎて疲れたのと。酸欠も、あって、ぼんやりするし。
気持ちよくて、うとうとしてきたのと。
……腕の中、安心、してるのと――――……。
なんか、色々。とにかく、ふうっと、眠ったんだと、思う。
◇ ◇ ◇ ◇
どの位、寝てたんだか――――……突然、船が、大きく揺れた。
何体も出てきた魔物の衝撃だと全然起きなかったオレが。
ルカの腕の中に居てすら、一瞬で目覚めるほど。
何だか、皆は小さいっていうけど、十分大きいと思っていたあの魔物の、威嚇するような声――――……と比べ物にならないほど、デカい、声というか叫びが轟く。耳が痛い。
オレを抱いてたルカはオレを離して、素早く起き上がると、何かを唱えたかと思ったら、一瞬で服を身に着けた。
うわ。そんなこともできるの、どうやってんの!? と、こんな時なのに、そんなことにびっくりしてる間に、ルカは剣を手にして、オレを振り返った。
「いつもは中に居ろって言ってたけど、今回は見えるところに居ろよ。階段の途中とかでいい。攻撃が全く効かなくて本当にヤバいってなったら、最悪、リアの魔法で一度町に戻る。そん時はリアの近くに行けるように、離れて見てろよ」
「分かった」
「剣、身に着けて来いよ」
「うん」
オレが頷くのを確認すると、ルカが部屋を出てこうとする。
「ルカ、気を付けて!」
思わず、叫んだら。
一瞬振り返って、ニヤ、といつも通りの笑顔を見せてから、姿を消した。
ルカの笑顔に、少しだけど、ホッとする……。
――――……でも、それでも、怖い、けど。
急いで服を着て、短剣も持った。
その間に、皆も駆けてく音が聞こえた。
「ソラ、まだ居る?」
「あ、アラン」
ドアが開いて、アランが顔を見せた。
「オレは舵のところに行くから。ソラも、いざという時のために」
「うん! リアの居るとこに行けるようにしとく」
そう答えると、アランも頷いて走っていった。
あとを追いかけようと、廊下に出ると、リアと一緒に居たミウがふわふわ飛んできた。
「ミウ、一緒に居よ」
手を伸ばすと、すぽっと腕の中。
こんな時だけど可愛い。
……言ってる場合じゃない。
なんかさっきから、怖いからかな。
現実逃避しようとしてる気がする。
だってもう、聞こえてくる声だけで、恐ろしい。
……しっかりしないと。
ミウをぎゅっと抱き締めて、看板に上がる階段を駆け上った。
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