【ドS勇者vsオレ】オレ様勇者に執着&溺愛されてるけど、ドSだから大変✨奨励賞受賞

悠里

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第2章

「むしろ燃えるって」

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 オレを軽く抱えたまま、トントン、と階段を降りていくルカ。

「……いつも思うんだけどさ……全然重く、ないの、オレのこと?」
「まあ……軽いよな」

「……オレ、一応、平均のサイズはあると思うんだけど……」
「んー?」

 クスッと笑いながら、ひょい、と片手で支えて、部屋のドアをルカが開ける。さっき、気持ち悪くなって、オレが寝ていた部屋。

「お前の世界の男って、皆こんな感じなんだっけ?」
「……強そうな人も、居なくはない」

「ふうん……まあ。抱き上げるのにちょうどいいから、ソラはこのサイズでいいけど」

 クスクス笑いながら、ルカはオレをベッドにおろした。

「……さっきルカ、オレのこと見に来てくれたの?」
「ん。ああ」

「……何で?」
「何でって……まあ本気で、落ちて転がってないかと思って」

 そんな風に言って笑いながら、ルカはオレに視線を流す。

「器用に落ちずに、ちゃんとベッドで寝てたぞ?」

 笑って言いながら、身に着けている刀や、色々なものを、近くのテーブルに置いていく。

「ソラ、刀は?」
「あ。ごめん、ごはん作る時外したままだ」

「明日、ちゃんと身に着けとけよ?」
「うん」

 頷きながら、履いていた靴だけ脱いで、ベッドの端で座っていたのだけれど。

「あ、そうだ。ルカ、この船、シャワーあるんでしょ? どこ?」
「……ああ、聞いてない。どこだろうな」

「なんか、潮なのか、ちょっとべたべたしてるし、シャワー浴びたい……」
「明日浴びれば?」
「え」

 色々外し終えたルカが、オレを押し倒しながら、ベッドに上ってくる。


「……え、やだ、このままじゃ」
「何で?」

「ぁ、魔法で、綺麗にして?」
「――――……」

 言うと、ルカは、んー、と顎に手をかけて。


「お前の味がしていいかも」

 とか、とんでもない変態発言をしてきた。

 仮にも王子が、そんなこと言っていいのかー!

 めちゃくちゃニヤニヤしてるから、オレをからかってるのだろうかとも思うのだけれど、もしかしてこの人は本気で言ってるのかもと、数々のことが脳裏によぎって。

 めっちゃくちゃ、ものすごく、絶対、嫌だ!!

「や……いやだ、ぜったい! シャワーか、魔法……!」
「ほんと、やかましいな、お前は」

 クックッと笑いながら、ルカがオレの腕を取り、自分の上に座らせるみたいに抱きしめると、後頭部を押さえて、下から、キスしてきた。


「……っん、ぅ、ん……っ」

 キス、位なら、いい、けど――――……。


 ルカの手が、オレのウエスト辺りで動いて、する、と紐を解く。


「……や――――……ん、ふっ……」

 抵抗しようと思うのに、ルカのキスが深すぎて、何もできない。


「ふ、は……っ」

 息、できないし……!!
 あまりに性急な激しいキスに、くら、と軽いめまい。

 その隙に、すぽ、と服を頭から脱がされて、はっと気づくと、オレだけほぼ全裸。

 なんて手際がいいのか、と、またまた嫌。


「……ちょ、と、待っ――――……」

 慌ててるのに、ルカはクスクス笑いながら、オレの手をうまく押さえて、首筋に唇を寄せてきた。

「ちょ――――……ひゃ……っ!」

 首筋をなめられて、びくん、と体が震えた。
 感覚的にはゾクゾクして、そういう気分を、嫌でも盛り上げられてしまうのだけれど……。


「や、なめ、ンな、バカ……!!」
「――――……」

「……シャワー……」
「別に平気だって」

「……っひ、ぁ……っ」

 つっと、舌が首筋から降りて、ルカの熱い手に、背中を支えて抱き絞められて。胸に、ルカの唇が触れる。

「や、め……っ……」 

 もう、ほんとやだー! 汗もかいたし、なめんなー!!


 じたばた暴れてるのだけれど、もう、びくともしないんだよね、ルカ……。
 もう、ほんと、やだ……!!


「……や、だってば…… やだ……!」
「――――……なんか。そんな嫌がられると、むしろ、燃えるんだけど」

 クスクス笑う息と、不定期に乳首に触れる歯と舌と。あと、その言葉の内容に、マジで、焦る。


「……ル、カの…………変、態ー……!」
「はー?? 変態なんて誰にも言われたことねえけど?」


 そんなセリフを言いながらも、ルカはおかしそうに笑ってる。


「ほんとお前――――……」

 胸のところから、見上げられて。ふ、と笑むルカは。
 ――――……こんな時、いつも、壮絶に、色っぽくて。なんかもう。

 男っぽいというか雄っぽい、というか……。
 なんか。そんな瞳に、じっと見つめられると、顔に、かあっと血が集まる。

 

「……ほんと、可愛いよな……」


 言われて、頭に回ってきた手に引き寄せられて、また、深く、キスされる。



「……ん、っ……ふ――――……」



 なんかもう。
 心臓が、バクバクしすぎて、痛い……。



 いや、そんなこと言ってる場合じゃない……。
 ほんとこのまますんの、やなのに……。








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