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第2章

「置いてく?」 ※

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「……は、あ……は……っ」

「ソラ? どした……?」


「……っ……」

 今の激しい感覚が引かなくて。体が、ビクビク、震える。


「……きも、ち、よすぎて――――……」
「――――……」

 ルカは、オレの言葉を聞くと。なんか、すごく、瞳を緩めて。
 頬を、でっかい手で――――……熱い、手で、するりと撫でた。


「……や……っ」

 それだけなのに、ものすごく、ぞくん、と震えて。
 そしたら、ルカは。ニヤ、と笑うと。

「――――……もっと気持ちよく、なろうな」

「……っ――――……ん、ぁ、あっ……」

 中の、感覚、何一つ消えてないのに。
 まだ、全身、ヤバいのに。

 容赦なく突き上げられて、中、ルカので掻きまわされる。


 なんか。
 怖い位の気持ち良さに。涙が、目の横伝って、次々に、溢れ落ちていく。


「や……あ、ん……っ……っルカ、待って……っ」
「――――……無理」

「……っっ……! ……ひぁ――――……っ待っ……」

 待って、無理。今、無理。
 ――――……どうしよう、また……。


「……あ、あっ……!!」

 どうしようもできないまま、また、真っ白な世界。
 しがみついてた腕も解けて、ぱたん、と、ベッドに落ちる。

「……ソラ」
「――――……んっ……る、か……」

 深くキスされて。めちゃくちゃ、舌、奪われる。


「……う、ん……んん……んー……っ」

 ゆっくり、舌が離れると。
 腰骨を、おっきな手が掴んで。めちゃくちゃ激しく、突き上げられて。
 突かれるたびにイッてるみたいな、激しい快感に襲われる。


「ソラ――――……すげえ、気持ち良い、な」

 正直もう、何回イッてるのか、よく分かんない位で。
 ちゃんと息も吸えなくて、ヒクつきながら、ルカを見上げて。


「――――……っ……」

 
 めちゃくちゃキスされて。
 必死で、応える。


 気が遠くなるまで。
 抱き合った。





 ◇ ◇ ◇ ◇


「……ん、ん」

 目を開けたら背中があったかくて。
 ルカに後ろから抱き締められて、背中預けて寄りかかるみたいに寝ていた。

「――――……起きたか?」
「……うん」

「空。月が綺麗だから、見てみな」

 ルカに寄りかかったまま、窓の方をまっすぐ見ると。
 青色の月。なんだかものすごく、大きく見える。


「うわー……なんかさっきより、すっごく青く見える」
「色んな色の月があるけど。――――……オレはこれが一番好き」

「うん。オレも好きかも……」

 ぼー、とただ一緒に月を眺める。

「あ、ソラ。水」

 水を受け取って、口に流す。


「さっき、飲ませたんだけどな。 口移しで」
「――――……っ」

「めちゃくちゃ喘いでたから。カラカラだと思って」

 ニヤ、と笑われて。後ろから見つめられて。
 オレは、すぐ前を向き直した。

 ……もう。なんなの、それ。恥ずかしいな。もう。

「明日か明後日には船だからな。お前、酔わないといいけど」
「……分かんない。どうだろ。遊覧船位しか乗ったことない」
「何だそれ?」
「んーと。1時間位船に乗って、湖を見まわったりするの」
「へえ。1時間か……全然違うな」
「……頑張る。料理するし」

 後ろで、ルカが笑う気配がする。

「まあいざとなったら、すげーまずいけど、リアの薬飲ませてもらえ」
「まずいの?」
「……リアの薬は大体まずいぞ」

「――――……」

 最初の朝に飲まされた、オレンジジュースみたいな見た目の、激マズな飲み物を思い出してしまった。

「それ飲んだら、余計吐いちゃうとかは、無い?」
「――――……それは知らない」

「ええー……」

 すっごい嫌だ。
 がっくりしてると、クッと笑って、ルカが揺れている。

「何で笑ってんの? あ。からかってる? もしかして、薬、実は美味しいとか?」
「いや、それは無い」

 めちゃくちゃはっきり言われて、改めてがっくり。
 笑ってたルカが、笑いを止めて、静かになって。

 それから、少しマジメな感じで、話し始めた。


「――――……なあ、ソラ。お前、置いて行って欲しいか?」
「え?」

 置いて行って、欲しい……??
 後ろをゆっくり、振り返ると。

「それなりにリスクはあるんだよな。戦いに行く訳だし。しかも船でさ。お前また狙われるかもだし。――――……最悪、レジーにお前を預けて……とかも、少し考えなくもない……」

 急に何を。
 ずっと、連れてくって言ってたのに。

「ただ何日もかかるかもしれないし……そうなると、お前と離れてるの心配だしキツイし……」

 そんな言葉に、ムッとして。
 むく、と起き上がって、ルカを振り返った。

「……ルカ、オレに料理しろって言ったじゃん」
「ん?」
「料理、作ってって、オレに言ったでしょ」
「ああ。言ったけど」

「側に居ろって言ったじゃんか」
「――――……」

「居なくて良いってこと?」
「――――……違うだろ。お前の事、心配だから」

「守るって言ったじゃん」
「――――……」

「何、もう居なくていいの? 料理も作らなくて……」

 途中で、ぐい、と引き寄せられて、キスされる。

「――――……っ」

 深く、キスされて。
 しばらく。深く深く、舌が絡んでから。ゆっくり、離れる。


「……悪かった。もう言わない。連れてく」
「――――……」

「ついてこい。ソラ」
「――――……」


「分かった?」
「……うん」

 頷くと。ルカは、ふ、と笑って、オレをぎゅ、と抱き締めた。



「……お前、可愛い」

 グシャグシャに撫でられて。むくれつつ。


 でもオレ、置いてかれたくないんだなと。
 ……リスクあっても、ルカの側に。皆と一緒に、居たいんだなって。


 ルカの余計な、全然らしくない気遣いのせいで。
 なんか、自分がそんな事をすごく思ってるのが、分かってしまった。



 



 
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