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第2章

「発見」

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 色んな宝箱を開けてたルカが、ふと振り返った。

「ソラ、あったぞ。こういうのか?」
「ん? おーすごい!」

 わー、やっと、よく見る宝物って感じ!
 金色のものとか、色のついたキレイな石とか。

「こういう宝物は少ないんだね」
「そうかもな。こういうのがいっぱいあると思ったのか?」
「うん、そう」
「ふーん」

 宝石とかに何も興味が無くても、なんだかワクワクするのは、何でなんだろう。
 宝物っていう響きと、キラキラの色、かなあ? 

「――――……何か欲しいか?」

 え、とルカを振り仰ぐ。

「欲しいって……? くれるの?」
「別にここにあっても使わねえしな。お前が欲しいなら」

「んー……? ……でも、別にいいや。ここでもらっても、使い道がなさそうだし。ありがと、ルカ」
「ふーん……どの石が好きだ? ソラ」
「どの石?――――……んー……」

 綺麗な石。宝石の名前とか全然詳しくないけど。


 青い石、発見。
 ――――……これ、ルカの瞳の色みたい。


「これ? かな?」
「ん」

「何で?」
「気にすんな」
 
 クス、と笑いながら、ルカが自分の持ってる袋にしまった。
 くれるのかと思ったら、そうじゃないみたい。まあ、貰っても、なくしちゃいそうだから、いいんだけど――――……。

 思いながら、他のものを色々手に取っては眺めていたら。
 手に触れた感触と、形。
 なんか、ものすごく見慣れた――――……この形は。


 え。これ。

「――――……」

 手に取って、くる、とひっくり返して表に向けて。


「ルカ!」
「え? なんだ?」

 驚いた顔でオレの手元を覗き込む。

「これって」
「ああ、なんかどっかから届いた、よくわかんねえもの。オレも前にこれ見たけど、何だかわかんねえし」
「……どこからとか、分からないの?」
「色んな町で見つかる、珍しいものとかが適当に集められて、たまにそれを回収してくるから、どこからとかは分からない」

「これ――――……」


 スマホだ。
 ――――……絶対、スマホだと思う。

 ただ、電源が入らないから、何もできないけど。


 ――――……オレのじゃない。

 ってことは。
 誰か、1人は確実に、オレの他に、スマホのある世界からここに来た奴がいるって事だよね?

 オレがここに来た時、洋服とか身に着けてたものはそのままだったから、例えばポケットに入れてたとかそういうのは一緒に移動して来れるって事だと思う。


「ルカ、あのね」
「ああ」

「……これ――――……オレの世界で、皆が持ってる物なの」
「――――……」

「便利な道具だから、ほぼ皆が持ってる。オレは、こっちに来るとき、これは身に着けてなかったから、こっちには持ってこれなかったけど――――……」
「……お前のじゃないんだよな?」
「うん。誰かの」

「――――......ってことは。お前の世界からか、また別のとこか。とりあえず、誰かはそれを持ってこっちに来た奴が居るって事か」
「――――……うん、多分」

「じゃあますます、夢だっつー説はねえかな」
「……多分」

 だって、こんな所まで細かい設定の夢をオレが見るかなあと思うと……いや、きっと見ない、と、よく分からない断言をしてしまう。


「ルカ、これ、オレが持っててもいい?」
「いいよ」


「――――……充電、できたら使えるかもしれないのになぁ……誰のか名前が分かるかも」


 むむー、と見つめてると、ルカが少し笑って。
 よしよし、と頭を撫でる。



「それって、何に使うんだ?」
「――――……スマホって言ってさ。離れた人と話せたり……文字でやりとりできたりするの」

「離れてても話せるのか?」
「うん。オレとルカが1台ずつ持ってれば、声が届くの」

「ふーん…… 便利な世界なんだな」
「うん。機械はね。便利だったよ。――――……でも、魔法とかは使えないから」

「誰も使えねえの?」

「うん、多分。魔法ってすごいよね。自分の力なんだもんね。オレも使ってみたいなー」


 ルカを見上げて、ワクワクしながら話していると。



「集中する所から覚えろって言ったろ」


 クスクス笑われる。









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