140 / 299
第2章
「覚悟」
しおりを挟む
調べる、かぁ……。
どうしてオレがここに来たか。
帰れるのか帰れないのか。
……調べて分かるのか、分からないけど。
――――……ルカ達は多分、真剣に調べてくれようとしている。
……これが、ものすごく長い夢の可能性もあるって。
オレだけは、その可能性も、思っているけど。
ここに居てもいいとなったら、オレはどうするのかな。
――――……やっていたゲームの世界と同じなんだって。
ルカ達に言った方が良いんだろうか。
でもそんなの、信じてもらえるんだろうか。
もし、ルカ達が、オレがやってたゲームの、作られたキャラクターなんだって。もしも、信じたとして。
そしたら、どう思うんだろう。
分かんない。
分かんないけど。
分からない事をずっと、考えていても、仕方がない。
もう何が夢で、何が現実で、ここがゲームの世界なのか。
今のオレには、判断する術がない。
無いなら、しょうがないよね。
――――……よし。……覚悟、決めよう。
昨日、ぼんやりと思っていた気持ちが、今ルカ達と話してたら、何だか急に、強くなった。
一生懸命、生きてる、ルカ達と、
オレも、ここに居られる限りは、一生懸命、生きる。
もし他の世界の話とか、何か情報が出て来て、
ゲームの世界の話と関係してそうなら、それを話した方が良いのなら、その時に話そう。
ルカが、まっすぐ、オレを受け入れてくれて。
皆も、こんな訳の分かんないオレを、ちゃんと受け入れてくれるから。
このまま、ここでずっと生きたとして。
さっきルカが言った通り、ルカの側で、ずっと生きて。
もしここで死んでも、それはそれでよかった、と思えるくらい。
ちゃんと生きよう。
とりあえず。
ここに居る限り、それで行こう。
そう決めて。
隣で皆と話しているルカを見つめた。
「……どうした?」
気づいたルカが、ふ、と笑って、オレの頬に触れて、ぷに、とつまむ。
「……何でいつもつまむの?」
「ん……何で??」
聞くと、ルカが可笑しそうに笑って、ますますぷにぷにしてきて。
「すげーやわらかいから?」
クスクス笑いながら言われて、柔らかくないし!と言って顔を引こうとすると。腰に回ってきた手に、更に近づけられる。
「そんなに柔らかいの? 触らせて」
リアが楽しそうに言って。
すると、オレが答えるより先に、ルカが「ダメ」と言う。
別に、リアに触られたって、オレもリアも何の問題も無いし。
むしろ触って、柔らかくない事を証明して欲しい。
男なのに、ほっぺがぷにぷにみたいな、イメージ、やだし!!
むむ、とルカを振り返り。
「オレが柔らかくないって、リアに言って欲しいから、少し触ってほしい」
そう言うと、ルカがムッとしつつも。
少しオレをリアの方に向けた。
リアが楽しそうに、オレに手を伸ばして、ぷに、と頬に触れる。
しばらく両方につんつん触っていたんだけれど。その内。
ぷぷ、と笑い出した。
「めっちゃやわらかい……」
「なんで!」
もう!とリアを見ると。
「何でそれで触らせたらぷにぷにしてないって、あたしが言うと思ってるのかを教えて欲しいなあ」
「そんなに柔らかくないし!」
「ソラの世界の子はそんなに皆、柔らかいの?」
一部小声になりつつ、そんな風にリアが聞いてくる。
「~~~っ」
ぐい、とウエストに回った手に引き寄せられ、ルカの体につなぎ留められる。
「ほらな?」
クスクス笑われて。むーーーっと口を閉ざしていると。
「つか、もう触んなよ。リアでも、イラっとする」
ルカが言った瞬間、3人は、うわー、と口を開けて、もう何も言わない。
「――――……」
ほんと、ルカって。
……恥ずかしいとか。全然無いな。
普通の人って、ヤキモチとか嫉妬とか、こんなはっきり人前で言わないよね。
「もういいや。ルカのノロケとか聞いてんのも飽きた。よし、今日どうすっか決めようぜ」
「そうしようか」
ゴウとキースがそんな風に言ってる。
ちら、とルカを振り返って見上げると。
「ん……?」
ふ、と笑うルカ。
――――……あーなんか。
日々、毎日、なんか、ずっとだけど。
どんどん、瞳が優しくなっていく気がするし。
…………もうなんか。
その分、どんどん、ルカに吸い寄せられていく気がする……。
どうしてオレがここに来たか。
帰れるのか帰れないのか。
……調べて分かるのか、分からないけど。
――――……ルカ達は多分、真剣に調べてくれようとしている。
……これが、ものすごく長い夢の可能性もあるって。
オレだけは、その可能性も、思っているけど。
ここに居てもいいとなったら、オレはどうするのかな。
――――……やっていたゲームの世界と同じなんだって。
ルカ達に言った方が良いんだろうか。
でもそんなの、信じてもらえるんだろうか。
もし、ルカ達が、オレがやってたゲームの、作られたキャラクターなんだって。もしも、信じたとして。
そしたら、どう思うんだろう。
分かんない。
分かんないけど。
分からない事をずっと、考えていても、仕方がない。
もう何が夢で、何が現実で、ここがゲームの世界なのか。
今のオレには、判断する術がない。
無いなら、しょうがないよね。
――――……よし。……覚悟、決めよう。
昨日、ぼんやりと思っていた気持ちが、今ルカ達と話してたら、何だか急に、強くなった。
一生懸命、生きてる、ルカ達と、
オレも、ここに居られる限りは、一生懸命、生きる。
もし他の世界の話とか、何か情報が出て来て、
ゲームの世界の話と関係してそうなら、それを話した方が良いのなら、その時に話そう。
ルカが、まっすぐ、オレを受け入れてくれて。
皆も、こんな訳の分かんないオレを、ちゃんと受け入れてくれるから。
このまま、ここでずっと生きたとして。
さっきルカが言った通り、ルカの側で、ずっと生きて。
もしここで死んでも、それはそれでよかった、と思えるくらい。
ちゃんと生きよう。
とりあえず。
ここに居る限り、それで行こう。
そう決めて。
隣で皆と話しているルカを見つめた。
「……どうした?」
気づいたルカが、ふ、と笑って、オレの頬に触れて、ぷに、とつまむ。
「……何でいつもつまむの?」
「ん……何で??」
聞くと、ルカが可笑しそうに笑って、ますますぷにぷにしてきて。
「すげーやわらかいから?」
クスクス笑いながら言われて、柔らかくないし!と言って顔を引こうとすると。腰に回ってきた手に、更に近づけられる。
「そんなに柔らかいの? 触らせて」
リアが楽しそうに言って。
すると、オレが答えるより先に、ルカが「ダメ」と言う。
別に、リアに触られたって、オレもリアも何の問題も無いし。
むしろ触って、柔らかくない事を証明して欲しい。
男なのに、ほっぺがぷにぷにみたいな、イメージ、やだし!!
むむ、とルカを振り返り。
「オレが柔らかくないって、リアに言って欲しいから、少し触ってほしい」
そう言うと、ルカがムッとしつつも。
少しオレをリアの方に向けた。
リアが楽しそうに、オレに手を伸ばして、ぷに、と頬に触れる。
しばらく両方につんつん触っていたんだけれど。その内。
ぷぷ、と笑い出した。
「めっちゃやわらかい……」
「なんで!」
もう!とリアを見ると。
「何でそれで触らせたらぷにぷにしてないって、あたしが言うと思ってるのかを教えて欲しいなあ」
「そんなに柔らかくないし!」
「ソラの世界の子はそんなに皆、柔らかいの?」
一部小声になりつつ、そんな風にリアが聞いてくる。
「~~~っ」
ぐい、とウエストに回った手に引き寄せられ、ルカの体につなぎ留められる。
「ほらな?」
クスクス笑われて。むーーーっと口を閉ざしていると。
「つか、もう触んなよ。リアでも、イラっとする」
ルカが言った瞬間、3人は、うわー、と口を開けて、もう何も言わない。
「――――……」
ほんと、ルカって。
……恥ずかしいとか。全然無いな。
普通の人って、ヤキモチとか嫉妬とか、こんなはっきり人前で言わないよね。
「もういいや。ルカのノロケとか聞いてんのも飽きた。よし、今日どうすっか決めようぜ」
「そうしようか」
ゴウとキースがそんな風に言ってる。
ちら、とルカを振り返って見上げると。
「ん……?」
ふ、と笑うルカ。
――――……あーなんか。
日々、毎日、なんか、ずっとだけど。
どんどん、瞳が優しくなっていく気がするし。
…………もうなんか。
その分、どんどん、ルカに吸い寄せられていく気がする……。
100
お読みいただき、ありがとうございます♡
楽しんで頂けましたら、ブクマ&感想などよろしくお願いします♡
(好き♡とか短くても嬉しいです♡)
匿名ツールでの感想もお待ちしています💕
↓
【匿名メッセージ送信サービス・マシュマロ】
【WEB拍手👏絵文字とコメントで応援サービス】
楽しんで頂けましたら、ブクマ&感想などよろしくお願いします♡
(好き♡とか短くても嬉しいです♡)
匿名ツールでの感想もお待ちしています💕
↓
【匿名メッセージ送信サービス・マシュマロ】
【WEB拍手👏絵文字とコメントで応援サービス】
お気に入りに追加
4,704
あなたにおすすめの小説



朝起きたら幼なじみと番になってた。
オクラ粥
BL
寝ぼけてるのかと思った。目が覚めて起き上がると全身が痛い。
隣には昨晩一緒に飲みにいった幼なじみがすやすや寝ていた
思いつきの書き殴り
オメガバースの設定をお借りしてます

俺の異世界先は激重魔導騎士の懐の中
油淋丼
BL
少女漫画のような人生を送っていたクラスメイトがある日突然命を落とした。
背景の一部のようなモブは、卒業式の前日に事故に遭った。
魔王候補の一人として無能力のまま召喚され、魔物達に混じりこっそりと元の世界に戻る方法を探す。
魔物の脅威である魔導騎士は、不思議と初対面のようには感じなかった。
少女漫画のようなヒーローが本当に好きだったのは、モブ君だった。
異世界に転生したヒーローは、前世も含めて長年片思いをして愛が激重に変化した。
今度こそ必ず捕らえて囲って愛す事を誓います。
激重愛魔導最強転生騎士×魔王候補無能力転移モブ
異世界で騎士団寮長になりまして
円山ゆに
BL
⭐︎ 書籍発売‼︎2023年1月16日頃から順次出荷予定⭐︎溺愛系異世界ファンタジーB L⭐︎
天涯孤独の20歳、蒼太(そうた)は大の貧乏で節約の鬼。ある日、転がる500円玉を追いかけて迷い込んだ先は異世界・ライン王国だった。
王立第二騎士団団長レオナードと副団長のリアに助けられた蒼太は、彼らの提案で騎士団寮の寮長として雇われることに。
異世界で一から節約生活をしようと意気込む蒼太だったが、なんと寮長は騎士団団長と婚姻関係を結ぶ決まりがあるという。さらにレオナードとリアは同じ一人を生涯の伴侶とする契りを結んでいた。
「つ、つまり僕は二人と結婚するってこと?」
「「そういうこと」」
グイグイ迫ってくる二人のイケメン騎士に振り回されながらも寮長の仕事をこなす蒼太だったが、次第に二人に惹かれていく。
一方、王国の首都では不穏な空気が流れていた。
やがて明かされる寮長のもう一つの役割と、蒼太が異世界にきた理由とは。
二人の騎士に溺愛される節約男子の異世界ファンタジーB Lです!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最強S級冒険者が俺にだけ過保護すぎる!
天宮叶
BL
前世の世界で亡くなった主人公は、突然知らない世界で知らない人物、クリスの身体へと転生してしまう。クリスが眠っていた屋敷の主であるダリウスに、思い切って事情を説明した主人公。しかし事情を聞いたダリウスは突然「結婚しようか」と主人公に求婚してくる。
なんとかその求婚を断り、ダリウスと共に屋敷の外へと出た主人公は、自分が転生した世界が魔法やモンスターの存在するファンタジー世界だと気がつき冒険者を目指すことにするが____
過保護すぎる大型犬系最強S級冒険者攻めに振り回されていると思いきや、自由奔放で強気な性格を発揮して無自覚に振り回し返す元気な受けのドタバタオメガバースラブコメディの予定
要所要所シリアスが入ります。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる