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第2章

ソラと。3*ルカside

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 え、今からすんの? あんなにしたのに? 嘘でしょ。


 ――――……って声が聞こえる気がする、その瞳。
 見つめ返したまま、舌を絡める。


「……っ」

 すぐにソラは眉を顰めて、多分耐えようとして瞳を開けたままでいる。顎に触れて口を開かせて深くキスすると、もう無理になるのか、ぎゅ、と瞳を閉じた。


「……ん……っ……」


 ――――……声が漏れたら、もうこっちのもの。
 簡単にオチてくるのも、滅茶苦茶に愛しい気がする。


「ソラ……」

 名前を呼ぶと、いつも、ぴく、と震える。
 それが可愛くて、何度も名前を呼ぶ気がする。

 小さな一つ一つの反応が、こんなに可愛いとか。
 今まで感じないまま来ていたから、新鮮で。

 そもそも、こんなに可愛い可愛いって、オレ何言ってんだ、といつも思うけど。


「……は、ぁ……」

 唇を離して、首筋にキスすると、ぶる、と震えながら、ソラが吐息を漏らす。

 ――――……ソラを喘がせたくて、やってる気がする位。 

 耐えて漏れる声が可愛い。
 耐えきれなくなって声が上がる頃には、もうオレもかなり盛り上がってるけど。
 


「……ソラ?」

 ぎゅ、と抱き付かれる。


「――――……何で、そんな、元気なの」

 もう、吐く息は熱いけれど。
 ちょっと非難めいた、ソラの声。


「……何でだろーな。ソラ、泣かせたいから?」

 くす、と笑いながら、そう言って、ソラを見つめると。
 ソラは、むー、と眉を寄せた。


「……たまには、泣かせないでよ……」
「……ん?」

 可愛い喋り方、するよなあ……。
 思いながら、頬に触れる。


「……優しくやってよ」

 少し睨まれて。

 ――――……あー。

 なんでこう……オレを盛り上げるのが、うまいのか。


「ソラが泣かなきゃ良いだけだろ……」

 ちゅ、とまたその唇を塞ごうとしたのだけれど。
 オレの言葉にちょっとムッとしたのか、口を閉ざして、むくれてる。

 舌を拒否られて、こっちも少しムッとして。

「――――……ソラ、気持ち良いとすぐ泣くんだから、どうしようもねえじゃん。オレ、いじめて泣かせてる訳じゃねえだろが」

 思わずそう言ったら。
 絶対その通りだと思うのだけれど。ソラは、ますます、むー!と怒りだした。

「……っルカって、ほんっと、デリカシーない! っつか、ここ、デリカシーって言葉、あるの? もしかしたらないのかな、なんかそんな気がしてきた」

 なんか、急にぷち、と切れたのか、ものすごく早口で、ブツブツ言い出したけれど。

 なんか一生懸命訴えてきてるのが、すげえ可愛いし。
 ――――……ちょうど、口、開いたし。

 顎掴んで、オレの方に向けて、焦ってるソラの唇を一気に塞ぐ。

「……っん、む……っ」


 嫌そうに、オレから離れようとはするのだけれど。
 舌を絡めると、割とすぐ応えようと、してくる。


 もうこの反応は、気持ちとは関係のない、条件反射的なものな気がする。




 何しろ、瞳は、ルカのバカ―!とか、言ってるっぽいから。





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