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第2章
ソラと。2*ルカside
しおりを挟む考えてみると、色々思い出してきた。
――――……確かに、ソラをずっと抱いてた気がする。
しかも。
ものすごい――――……酔ってたな……。
普段言わないような事も、なんか言ってたような。
ソラが可愛くて、ヤバかったような気がする。
「ソラ」
抱き寄せて、自分の上に引き上げた。
「体、平気か?」
「………平気」
「オレ昨日結構――――……」
そこまで聞いたソラが、オレの上で、オレを見つめたまま、かあっと赤くなった。
「平気だってば……」
「――――……」
後頭部に手をかけて、引き寄せてキスをする。
軽く合わせて、キスを離すと、ソラがオレを見つめる。
「……ルカって、昨日の事、覚えてる?」
「――――……んー……多分?」
「全部?」
「……多分」
なんかものすごく、恥ずかしい感じが拭えないが。
嘘ついてもしょうがねえし。
「お前に可愛いとか好きとか、ずっと言ってたろ」
「……うん」
「少し酔ってたから、しつこかったかもだけど――――……ほんとの事しか、言ってねえしな」
そう言うと、ソラは、じっとオレを見て。
それから、ふ、と微笑んだ。
「――――……」
なんか。
すげー可愛い表情してるな。
「……あの、さ?」
ソラがオレを見つめて言いかけて、それきり、黙ってしまう。
「何だ、ソラ?」
「――――……う、ん……」
何も言わない。
言うのを躊躇ってるみたいな、感じだな……。
ソラを上に乗せたまま、オレは体を起こした。
オレの足の上に座らせているので、向かい合った形で抱き合うとソラが少し上になる。オレを少し下に見つめて、少し困ったように眉を寄せた。
「何言いたい?」
「………………」
「ソラ?」
頬に触れると、ソラはむ、と口を噤んだ。
――――……何が言いたいんだか、分かんねえけど。
……可愛い。
「ソラ」
唇を重ねると、ん、と声が漏れる。
少しの間、舌を絡めて、ちゅ、と吸う。
「――――……はっきり言ってみな?」
「……ルカ、あの……」
「ん」
言いにくそうだな。
……何だ?
「はっきり言ってみな」
「……嫌だったら、そう言って」
「ああ。何?」
「…………オレだけ……」
「――――……お前だけ?」
「……オレ、だけ――――…… 抱いてて、くれる?」
「――――……」
少し驚いて、ソラを見上げる。
視線が合うと、少し赤くなって。でもそのまま、まっすぐにオレを見つめるソラを見つめ返していたら。昨夜の会話がよみがえった。
オレだけ抱いてって言えって、昨日オレ、言ったな。
それか――――……。
……朝いちばんに、こんなに言い辛そうに。
これ言うとか。
で。
ものすごい、一生懸命、オレを見つめてくる、とか。
「……ソラ」
「――――……」
「そうしてもいーけど」
「……………?」
「――――……じゃあ、ソラを、全部よこせよ」
「――――……」
「良いなら、それ、受けてやるよ」
そう言って、ソラを見つめると。
ソラは、じーっとオレを見つめて。
「……ここに居る間は、いいよ」
「――――……」
「……もし、オレがここにずっと居れたら」
「――――……」
「……ずっと、それで、いいの?」
「――――……それが、いい」
ふ、と笑ってしまう。
ソラを抱き寄せて、体を反転させて、枕に沈める。
「なんか素直だな、ソラ……」
自分の下に組み敷いて、そう言うと。
じ、とオレを見つめて。
「……昨日、ルカが――――……可愛かったから」
「……は?」
「…………好きってずっと言うし……なんかすっごく……可愛かったし」
ソラの言う事に、咄嗟に返事が出来ないでいると。
「……仕方ないから……全部、あげるよ。ルカ」
「――――……」
「でも。オレ以外としたら――――……もう二度と、触らせない、からね」
まっすぐ見つめてくる瞳が。
――――……強気そうな言葉とは裏腹で。
少し、不安そうで。
ふ、と。微笑んでしまう。
「……いいよ、それで。――――……お前に触れなくなるの嫌だから。他は触んねえし」
「――――……うん」
「……でも――――…… 可愛いとか言われたくねえから」
「……?」
「…………撤回させる」
する、とソラの体に手を這わせる。
「……え、何――――……」
見上げてくるソラの唇を、唇で、塞いだ。
――――……全部可愛いのは、お前、だし。
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