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第2章
「ここに、ずっと」
しおりを挟むめちゃくちゃ抱かれて。
オレは多分気を失うみたいに眠った。
もう最後、覚えてない。
気持ち良いが強すぎて、頭変になりそうで。
で。今目覚めたら、ルカにめちゃくちゃ密着されて、抱き締められていた。
もう、こうして目覚めるのも何日目だろうとも思うんだけど。
なんか今日の密着は、激しい……。
――――……あ。ルカ、酔ってたけど。
ちゃんと色々キレイにはしてから寝てくれたんだ……。
中も――――……気持ち悪くない。
向かい合って抱き締められてるので見えないけど、ずいぶんぐっすり眠ってるっぽいのも、ちょっと珍しいかも。
……酔ってたなー。超、分かりにくく。
多分、皆はルカが酔ってたとか分かってないよね……。
なんか所々、言葉が可愛くて。やだ、とか。ルカが言うの初めて聞いた。
ちょっと年下っぽくて。可愛かった……。
……されてた事は、全然可愛くなかったけど。
――――……なんか。
やばいくらい、気持ち良かったな……。
ルカがずーっと、可愛いとか、好き、とか、気持ちいいとか、
ずーっと、すごく近くで抱き締められて、キスされて。
酔っぱらってるルカが言ってるのはきっと。
信じていいのかな、とか……思えて。
……オレ。
――――……ルカに、他の人としないで欲しいんだな。
他の人とするならオレとしないでって。
オレ、言った。
――――……他の人としてるルカに、されたくないとか。
もうなんか、考えただけで、切なくて死にそうとか。
それ位なら、もうしない方がいいと、思ったけど。
……他の人としないでって言えって言われて。
――――……まだ言えてないけど……。
あんまりにぎゅうっと抱き締められているから、なかなか動けないけど。
ルカの顔。見たい。
もぞもぞしばらく動いて、ルカの顔を見る位置に移動する事に成功した。
オレが動くとすぐ起きるのに、今日は起きないみたい。
超至近距離で、ルカを見つめる。
――――……整ってるなあ。顔。
睫毛長い……。
さっきまで、めちゃくちゃ熱っぽい顔をして、オレを抱いてた男。
……男。
なんだよなー。
……なんか今更だけど、男に抱かれるとか。嘘みたいなんだけど。
ていうか、この世界がそもそも謎だし。嘘みたいだし。
いつ消えて無くなっちゃうかも分かんないし。
……目が覚めたら、日本に居るかも……。
そう思って。
…………本気になんないようにして。
戻るまでって、思って。
――――……でも。
ずっと居れると思って、ここで、生きようかな……。
もしかしたら今のまま、ずっと居れると、思って。
ルカ達と。 ……ルカと。
どうせ他にも相手が居る人だし。
今だけだし、とか。
……そういうの考えないで――――……。
ルカは、会ってから…… 結構早い内からずっと。
まっすぐ、向かってくれてる気がする。
そーっと手を動かして、ルカの頬に触れてみる。
ぴくりとも、しない。
――――……珍しい。ほんと、良く寝てる。
なんか、あったかい気持ちになって。ふ、と微笑んでしまう。
「――――……」
そーっと、近づいて。
キス、してみた。
「――――……」
全然起きない。
目を開けて、ルカの顔を見ながらしたキスを離した瞬間。
なんか、一気に恥ずかしくなった。
「――――……っ」
そもそもオレから。
ルカに何か言われた訳じゃなくて、自分から、ルカにキスなんかしたの、初めて。
……やば。これ。
すげー恥ずかしい……。
――――……でもなんか、すごく幸せな気分になって。
赤いのをからかわれる事も今はないし。
そのまま、ただじっと目の前のルカの顔を見つめる。
……今日の事って、ルカ、覚えてるのかなあ?
なんか可愛くなってたのも。好き好き言ってた事も。
起きたら、いつも通りなのかなあ……?
……ちょっと楽しみ。
ワクワクしながら、ルカの顔をじーっと見ながら、時を過ごした。
◇ ◇ ◇ ◇
後書き💛
リクエスト募集した時の3つ目、こちらを選ばせて頂きました♡♡
↓
『お酒に酔って、すごくすごーーく素直にソラを溺愛しまくるルカ』が見たいというリクエストを頂きました♡
ありがとうございました♡♡
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