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第2章

「美味しくできました♡」

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 大分いい色になってきた。
 ますますいい匂いが漂ってる。

「ジェイ、もういいかも?」
「少し開けるな」

「うん」

 中を見せてくれるので、のぞくと、うん、良い焼き色。

「大丈夫だと思うー!」
「OK」

 出してくれて、台の上に乗せてくれる。


「美味しそうかも…… ルカルカルカ! 早く早く!」
「ん」

 クスクス笑いながらルカがオレの隣に並ぶ。

 見た目はめっちゃクッキーだ!ってまあ、当たり前だけど。

 色々材料も、焼く窯とかも色々違うし。ちゃんとクッキーになるかも心配だったから。

 
「ちょっといっこ味見して?」

 ルカとジェイが、ん、と頷いて。まずジェイがふーふーしながら口に入れる。

「――――……ああ。イケるな」

 先に食べたジェイが言って。それを見てから、ルカも口に入れる。

 ルカの顔が、お、と眉を上げた感じになる。
 すぐにオレの方を見て。

「お前が甘すぎるって言ってるの分かる。こっちのが、美味いな」

 ふ、とルカが笑ってくれる。

 どき。
 何だか嬉しいなと思ったら、心臓が音を立てた。

「オ、レも食べる……」

 ドキドキを隠しつつ、1つ手に取って、口に入れてみる。


 うわー。ほんとにうまくできたな。さくさく美味しー。
 さっきの分量……大体だったけどあれくらいでオッケイって事だなぁ。 
 

「はは。これ、可愛いな」

 ちゃんとクマとミウになってるクッキーを指さして、ふ、とルカが笑う。

「食べ物って、栄養があって食べれればいいとか思ってたけどな。こんな可愛いのも、ありかもな」

 ルカのそんな台詞に、ちょっと不思議になってしまう。

「可愛いって思ってくれるの?」

 ちょっと意外。そう思いながら聞いた。
 そしたら、ルカ、隣のオレを見下ろして、ふ、と笑んだ。

「お前が一生懸命作ってるの見てたし。 余計可愛い」
「――――……っ」
 

 ぼぼぼ。
 ……不意打ちのセリフに、なんでだか、かあっと熱くなる。
 
「まあそれ見てなくても、リアとか女子供は喜ぶだろ」

 すぐに俯いたから、オレが赤くなってるとかには気づかず、ルカがクスクス笑いながらそう続ける。

「うん、そう、だよね」
「ああ。リアに持ってってやれば?」

「あ、うん」

 頷くと、ジェイも。

「人の前で、イチャついてねーでさ。これ、上行って、他の奴らにも味見してもらってきたら?」
「あ、うん」

 ていうかイチャついては、ない。
 眉を顰めつつ、ジェイに返事をしていると。

「これで好評なら、明日オレにこれの作り方ちゃんと教えてよ」

「え、オレが教えるの?」
「他に誰がいるんだよ」

「え……いい? ルカ」
「ああ。いいよ――――……まあ好評だったらな? とにかく、持ってってみろよ」
「うん!」

 あ。そうだ。チョコの実入りのやつはどうなんだろ。
 ぱく、といっこ食べてみる。

「あ、美味しいかも……ルカ、食べて?」
「チョコの実のやつ?」
「うん。ジェイも食べて?」

 ルカとジェイがぱく、と口に入れる。

「もうちょっと砂糖を抑えてもいいかなあ?」
「オレはこれでも全然いーけど。 ふうん、チョコの実入れるとか考えなかったけど……うまいな、これ」

 ジェイが味見ながらそんな風に言う。

「ルカは?」

 聞くと。

「いいんじゃないか?」
「おいしい?」

 聞くと。 ん、と、笑ってくれる。

「やった」


 すっごい嬉しい。

「この皿に乗っけて持って行きな?」
「うん、ありがと」

 ジェイの出してくれた大きめの平たい皿にクッキーを並べながら。


「こっちが卵塗ったので、これが塗ってない方」
「……あー、なるほど。テカテカすんのな」
「おいしそうでしょ?」

「ん、そうだな」


 そんな会話をしながら、皆の居る部屋に持って行った。

 評価は、上々。
 皆おいしいって。でもって、クマやミウは、食べるのがかわいそうな位可愛いって。

 ただ、よっぱらってる人が大半だったので、残ったクッキーを明日袋に詰めて配りながら、感想とか聞く事になった。

 で、分量とか調節して、ジェイと一緒に、売れるお菓子を作ろうって事になった。


 わあい、楽しー。
 かなり、ウキウキしてしまう。
 
 
 思いもかけずお菓子作れて、すっごく楽しかった。


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