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第2章

「ずっと?」

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 しばらく体の熱を冷ましながら、色んな事を話していると。
 ふとキースが言った。

「あ。ルカたち居たよ。酒飲み出したな、あの2人」

 クスクス笑うキースの声に、そちらを見ると。
 結構離れた所で、2人が温泉の端に酒を置いて飲んでるのが見える。
 こっちには、気づいてないみたいな気がする。

「ほんとだ。あ、キースも飲みたかったら飲んでね?」
「良いよ、夜酒盛りするって言ってたし」
「あ、そういえばそっか……」

「あの2人の酒に付き合ってらんないよ。特にルカね」
「そうなんだ」

 ふ、と笑ってしまう。
 確かにいつも結構飲んでんのに、全然平気な顔してるっけ。


 と。
 そこへ。

 なんかお酒を持った女の子達が、ルカとゴウの隣に入っていく。

 なんだ。あれ。
 当然のように、一緒にお酒飲んでるし。

 思わず、む。としてしまったかも。
 キースがオレを見て、それからルカ達に目をやって、ああ、と苦笑い。


「――――……あれはお酒飲んでるだけだよ。ルカもゴウもモテるからさ」
「……キースもモテるでしょ」

「あの2人は特別だなー。雄って感じ、強いだろ?」
「……つよすぎだよ。キースのが良いって人いっぱい居るでしょ」
「まあ。相手には困らないけど」
「だよね」

 うんうん、分かる分かる。
 優しそうで。実際優しいし。
 キースの方が王子様って感じのイケメンだよね。


「一緒に旅してると。ほんとによく言い寄られてるよ」
「……ふーん」

 何か。
 そういうのが嫌で、離れといてなんだけど。

 ……ムカつくな。
 モヤモヤする。


 ……ルカがどっかで発散してくれれば、楽、な筈なのに。
 何でモヤモヤするのかな。


 別にオレ達、恋人とかじゃないしな。
 モヤモヤすべきじゃ、ないんだけど……。


「ソラは、そういう相手って、1人、て感じなんだよね?」
「うん。向こうの世界は、大体の人はそうだと思うんだけどな……」

 まあ浮気したり不倫したりって話はざらにあったけど。
 ……そんな、一晩とか、会ってすぐとか、そんなのしてる人達、そこまでいっぱいは居ないと思うんだけど。……オレの周りに居ないだけ?? 分かんないけど。

「こっちはさ。本能に忠実と言うか。特に、ルカはそーいう欲、強いから、ソラ1人で相手するのは大変だと思うんだよね」

「――――……ん……」

 それは思うかも……。


「だから、まあ今はさ、ずっと一緒だから仕方ないけど。 ルカが他で発散するのは、それはそれで良いって思った方がいいかも」
「――――……」


「ソラは男だし、きついだろ?」
「――――……」


 まあ……きつい。けど。
 

「ルカは、ソラに誰かが触れると今は邪魔してるけどさ。 元々はそんなタイプじゃないんだよね。今が不思議な位」
「――――……」

 まあきっと。
 今までの会話全部集めて来れば、きっと、ルカってそういう感じなんだろうなあとは、分かる。

 何となく、キースを見つめながら、うんうん聞いていると。


 キースは、ふ、と笑った。


「まあさ。 ソラが、ルカとずっとしてたいなら、今のルカはそんな感じだし、それでも良いんだけどね」

「――――……」



 ずっとしてたい。

 ……ええーーーー? それもちょっと、頷くのには、かなり躊躇う。



 うーんうーん……。
 悩む……。



 しかめっ面で悩んでいたんだと思う。
 隣でキースが、クッと笑い始めた。



「シワ。ひどいなー」

 眉間をすりすりと、擦られて、しわを伸ばされた。
 擦りながら、キースが、可笑しそうに笑い出した。


「え、そんなに?」

「この質問、失敗だった。ソラの顔がすっごいしかめ面になっちゃった」



 クスクス笑うキース。


「そんな笑わなくてもいいじゃん……」



 もう。結構笑い上戸だな、この人。
 そう思いながらも。何だかつられて笑ってしまう。
 


 

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