92 / 296
第2章
「可愛い気が」
しおりを挟む「ルカ……」
「んー?」
「……眠くないの?」
「なんか変に興奮してたからか――――……目は冴えてる」
変に興奮……。
――――……まあ確かに。
ものすごい、変に興奮、してたなぁ……。
「ソラは寝れるなら寝た方がいいぞ」
「――――……オレも、眠くない」
「ならこうしてようぜ。この体勢、なんかいい」
ルカに完全に背中預けて、抱き締められて。かかってた布団を、上まで引き上げてる。
つまり、後ろはルカに包まれてて、前は、布団に包まれてて。
「うん。――――……オレもこれ、なんかいいかも……」
あったかいのと。
――――……なんかものすごい、安心感。
ルカが少し笑う気配。
ふとすぐ近くにあるルカの顔を振り返ると。
ちゅ、と頬にキスされる。
「――――……あんまり可愛いと、押し倒すから、気をつけろよな」
そんなこと言いながら、するすると首筋から胸へと撫でられて。
少しぞくりと震える。
てか今のの何が、「あんまり可愛い」んだろう。
よくわかんない。……ていうか。
「……まだできるの?」
「さあ。――――……多分できるんじゃねえかな」
「ルカには薬とか、必要ないね……」
ちょっぴり怯えながら、そう言うと。
ルカはおかしそうに笑った。
「お前にするなら、必要ないかもな」
「――――……」
そうですか……。
もう何も答える気にならず、ルカに埋まっていると。
あ、と思い出した。
「ルカ?」
「ん?」
「オレがどの花に入ってるか、何で分かったの? 外から見て、膨らんでたとか??」
「ああ。――――……全然外からじゃ分からなかった。うようよ居たし」
「じゃあどうやって??」
「ミウがお前が飛んでった方にフワフワしてたんだよ、ちょうど、お前が吸い込まれた辺りで。 だから、ソラどこに居る?て聞いてみた」
「うん」
「そしたら、ミウが、一つの上に、飛び乗って。それでオレ、その花にだけ結界の魔法を張って、とりあえず、それ以外の花の、茎っつうか、足の部分を、リアの炎と風合わせてなぎ倒して――――…… でお前のとこに飛んでって、上部分を斬って、開いた」
「あー、なるほど……」
「なるほどって何だよ?」
「中で、色々思ってたんだ。 ルカがミウを呼ぶ声がして、その後なんか揺れて、それからなんか光って。少し熱い気がして――――……それから、上が開いて、風がすくいあげてくれた。今のルカの言葉で、全部、すごい納得」
「へえ、結構起こった事、正確に伝わってたんだな」
クックッと、ルカが笑う。
ルカが揺れるのが、なんか、背中から、全部、体に伝わってくる。
「……うん。伝わってた」
ルカが、焦ったみたいに声出してるのも。
助けられた時。――――……めちゃくちゃきつく、抱き締めてくれたのも。
「ルカ」
「ん?」
「――――……オレ、今、すごく疲れてて」
「ん。だろうな」
「……だからもう、今は、されたくないんだけど……」
「さすがにするつもりねえけど?」
んだよ? と、ルカが少しオレを覗き込もうと顔を傾けてくる。
くる、と向きを変えて、ルカと向かい合わせになってみた。
胸板にちょっと手をついて、そのまま、すっぽりはまる。
「――――……なに、ソラ」
ルカが、頭の上で、そう聞いてくる。
「……こっちでもいい?」
「――――……」
胸板、気持ちいい。
なんか固くて。熱くて。弾力あって。
……とか、変態か、オレ。
でもなんか。
すごい、安心、する。
「――――……これで、すんなって、言うの、お前」
ルカの声が、ちょっと、ため息まじり。
「うん。言う……だって疲れてるし……」
「……拷問みてえだけど」
そんな言葉に、ルカを見上げると。
ふてくされてるみたいで、少し……ちょっと。
……ほんの少しだけ、可愛い。気がする。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
後書き。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
なんでルカ書くのが好きか。
自信のある、自由なキャラだから
好きなのかなーと。
迷いが無くて、書くの楽(∩´∀`)∩
90
お気に入りに追加
4,600
あなたにおすすめの小説
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
R18禁BLゲームの主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成りました⁉
あおい夜
BL
昨日、自分の部屋で眠ったあと目を覚ましたらR18禁BLゲーム“極道は、非情で温かく”の主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成っていた!
弟は兄に溺愛されている為、嫉妬の対象に成るはずが?
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
瞳の代償 〜片目を失ったらイケメンたちと同居生活が始まりました〜
Kei
BL
昨年の春から上京して都内の大学に通い一人暮らしを始めた大学2年生の黒崎水樹(男です)。無事試験が終わり夏休みに突入したばかりの頃、水樹は同じ大学に通う親友の斎藤大貴にバンドの地下ライブに誘われる。熱狂的なライブは無事に終了したかに思えたが、……
「え!?そんな物までファンサで投げるの!?」
この物語は何処にでもいる(いや、アイドル並みの可愛さの)男子大学生が流れに流されいつのまにかイケメンの男性たちと同居生活を送る話です。
流血表現がありますが苦手な人はご遠慮ください。また、男性同士の恋愛シーンも含まれます。こちらも苦手な方は今すぐにホームボタンを押して逃げてください。
もし、もしかしたらR18が入る、可能性がないこともないかもしれません。
誤字脱字の指摘ありがとうございます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる