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第2章
「世話焼き」
しおりを挟むルカがじっと見つめてくる。
「お前、気分は?」
「……もう大丈夫」
頭も痛くないし。
少し寝たからかな。
「酒の前に、ちゃんと飯は食ったのか?」
「うん、ちょっとは食べた。ミウにも食べさせたし」
「腹空いてないか?」
「うん。ていうか、なんか、ルカ……たまにお母さんみたいだよね」
思ったままを言ったら、隣に居た皆が、いきなり、めちゃくちゃ笑い出した。
「ほんと、ルカが世話して甘やかしまくりなのが、理解できねーよな」
ゴウが笑いながらルカに言って、ルカはちら、と視線を流しただけでスルーしてる。
「大丈夫、全員理解できないから」
リアがゴウに言って、それからキースにも、ね?と声をかけている。
キースは何も言わず、でもクスクス笑ってる。
「つーか、母親って……誰がだよ」
む、としながらルカが言う。
え。だって。と思った瞬間。
いきなり腕の中に抱き込まれて、唇が重なった。
「……んっ……? ……っん、んっ……」
――――……何? なになになに……っ???
完全に抱き込まれて重なられてるから、多分、キスしてるとこは、見えてはないと思いながらも、狼狽えながら、瞳を開けて、ルカを見ていると。
瞳を開けたルカが、ふ、と瞳を緩めて笑って。
唇を離した。
「……母親じゃねーし」
「…………っ」
そ、んな事の為に、こんなキス、したのか。
皆は、プ、と吹き出しながら、苦笑いしてるし。
――――……っっっほんとに、もう。
どう考えてもこのゲームって、作られたのは日本なのに、
ルカって、人前でキスするのとか全然平気だし、外人かよっ!!
…………って、名前ルカだもんな。外人設定なのか??
オレはまったく普通の純日本人だからっ。
もう、ほんと、恥ずかしいったら。
真っ赤になってると、ルカがクスクス笑う。
「なんかこの町の北に、妙な花畑が急に広がってるらしくて。それ見に行くぞ。歩けるか?」
「……うん」
なんだろ妙な花畑って?
思いながらも、頷く。
「あんまりちゃんと食ってねーなら、あそこから何か持ってきな」
「――――……んー……じゃあちょっと見てくる。ミウもおいでー?」
降りてきたミウと一緒に、食べ物を見に行こうとして。
ふと、ルカを振り返った。
「ルカは食べたの? ずっと話してたけど」
「……オレはお前が寝てる間に食べたよ」
ふ、とルカがすごく優しく笑うので、ん、と頷いて、背を向けた。
――――……オレの世話ばっか焼くから、オレもちょっと気になって、軽く聞いただけなのに。
そんなに嬉しそうに笑われると。
…………なんだかな。もう。
恥ずかしくなっちゃうし。
ミウをぎゅ、と抱っこして、なんかモヤモヤする気持ちをなだめた。
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