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第2章
「したいこと」
しおりを挟むアランに船を出してもらう為に、修理を速める。その人手をお願いするために、ルカとアランが再び町長の家に入って行った。
広場に置いてあるベンチに座ったら、ミウが膝の上に乗ってきた。
……可愛い。
大好きだなあ。ミウ。
よしよしと、撫でながら、ぼーーーーと、空を見上げた。
青い空。
住んでた東京の街の空とは全然違う。
もっと澄んでて、青が強い。
自然も多いし、もしかしたら、日本の田舎の空はこんななのかなあ。
とも思うけど。近年そんな田舎には行ってなかったから、分からない。
とりあえず東京とは、違いすぎる。
ほんとに、綺麗だなと思う。
空だけ見てても、町の風景だけ見てても、
違う世界だなあ、なんて思って、ふと、考える。
――――……なんか。
もうここに来て、これで何日目だっけ。
もう毎日普通にここで寝起きして、食事して、
色んな魔法に触れて。
考えられないような、崖みたいなとこ登らされる冒険もして、
変な怪物みたいなのに足で挟まれて飛ばれ。それをルカが倒して。
めちゃくちゃ可愛くて、ふわふわ飛ぶ不思議な生き物に懐かれて。
……その全部に、勇者一行が一緒に居て。
――――……中でも、ルカは、寝る時も一緒で。
……ただ、寝てるだけじゃなくて。
――――……オレもう、何回、ルカと、したかな。
一番最初こそ、薬を使われたせいもあって、もう体ムズムズして、なんかもう、こんなの夢なんだから、帰った時のオレの体は無傷!とか、訳の分からない事を思って。帰るまで守ってくれるなら、良い、とか言って。
……でも、なんか、多分、あの遊び人、は。ムカつくけど。
めちゃくちゃ、上手なんだろうな。
ルカにされるのは、ほんとに、気持ち良すぎて。
しかも、体だけなら、もっと嫌がってるはずなんだけど、オレ。
もし、抵抗できなくても、少なくとも心の中では。
なんか、ルカは、居れば居るほど、全然違くて。
可愛いとか。優しかったりして、抱き締められたり。
オレのオレのって、独占欲強くて。なんか。おかしな気分になってくるし。
ほんとに、大事にして、守ってくれてる気が、するし……。
毎日、嫌とか思う間も無く、キスされて、触られて。
何度も受け入れて――――……。
なんかルカの側に居るのが当たり前になってきている。
今オレがしたい事ってなんだろ、て、ちょっと考える。
どう、考えても.
……日本に帰りたい、じゃなくて。
……ルカが、オレで安心するなら、安心させてあげたいなあ、なんて。
さっきのリアの話を聞いてから、そんな事すら頭にある。
料理をルカに作ってみたい。
お菓子も。甘すぎない美味しいのを、食べさせてみたい。
またマッサージも。してあげたい。
ミウを抱っこしていたい。
リアやキースやゴウと、一緒に居るのも、当たり前になってて。
ここに居るのが、居心地が良い。
…………あれれ。
オレ。いつから、帰りたいって、思ってないんだろう。
向こうの世界はどうなってるんだろうとは気になるけど。
これが夢なら起きたら終わりだけど。
もし、そうじゃないなら、オレは今、もしかして向こうでは行方不明とかになってたりするのかなとか。
それとも最初から向こうにいないことになってるのかな、とか。
過去に見たファンタジーものの話が、混ざり合って色々浮かぶけど、なんの確証もないので、考えても無駄だなと思ったりもする.
なんかもし今、急に目の前が光ったら、逆にどうしよう、なんて、思って。
拒否れるかな、帰ること。 問答無用だよなー、来た時の事考えれば……。
ていうか、大体、オレは何でここに居るんだ?
夢だとして、こんなに何日も繰り返したりするのかな?
やっぱり夢じゃないのかな。
感覚的には、もう様々はっきりしすぎていて、夢な気はしないけど。
じゃあなんなんだ。
どう思ったらいいんだろう。
全然、分かんない。
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