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第2章
「モテる」
しおりを挟む「手分けして探すしかねーかな?」
ゴウの言葉に、ルカがため息。
「そーだな……とりあえず、町はずれの建物とか、海の方とか。あの音が聞こえなそうな所から探すか。適当なとこで、レストランで落ち合おうぜ」
ルカの言葉に皆頷き、何となくそれぞれ散らばっていく。
なんか。いつも思うけど、アバウトだよなー、散らばり方。
それで何とかなるのが、なんか良い。何分で集合、とかしないんだもんなー。
「オレらも行くぞ、ソラ」
「うん」
ルカの隣に並んで歩き始める。
「つーか、ずっと泊り歩くってよー」
「……ゴウがルカみたいって、言ってたけど」
笑いながら突っ込むと。「ちげーっつったろ」とムッとされる。
「モテる人なんだろうねー」
ていうか、モテすぎ?かな?
「ルカも超モテるって、皆が言うし。どっちの方がモテるのかな。ルカはそんなにモテるの??」
「……まあな。つか、モテそうだろ? オレ」
ふ、と笑って、偉そうに言うルカ。
「うん。まあ。モテるだろうけど?」
「は。認めるんだな」
「……まあ。モテる要素が多いだろうなーと」
逆に、モテない要素って、なんだろう。
……Sっぽいとこが嫌がられる?
でもそういうのが好きな子も居るだろうしな。
あ。
思いついた。
「あ。いっこあった」
「ん?」
「女の子に嫌われそうなとこ」
「何だよ?」
ちょっとムッとして、ルカがオレを見下ろす。
「ルカがする、めちゃくちゃ、きっついキス」
「――――……」
「あれしたら、嫌われるでしょ?」
「――――……」
そういえば、こんな話した時、ルカ、返事しなかったっけ。
嫌われた過去でもあるのかなあ。ぷぷ。
「ねえ、ミウ? そう思うよねー?」
腕の中のミウに話しかけて、スリスリしていると。
ぐい、と腕を引かれた。
「――――……生憎、オレ、あれは女にはしねえから。嫌われねえよ」
「え。そうなの?」
びっくりして、ルカを見つめる。
ありゃ。
じゃあ嫌われる要素が……。
「じゃあ、あと、しつこいとこ」
「しつこい?」
「何回も続けてしたりさ。やり方が、きっついとこ」
あれはさすがに嫌われると思うんだよね。
うん。
そう言うと。
ルカは、ぷ、と笑って、オレの腰を抱き寄せた。
むぎゅ、とミウが、ルカとの間でつぶれる。
「ちょちょ、ミウつぶさないで」
よしよし、とモフモフを整えてあげていると。
ムッとしたルカに、顎を掴まれて、引き寄せられた。
「え――――…… っん……?」
何で、キス……???
「っ……んっ……ぅっ……」
しかも。奥まで舌、入れられるみたいな、めちゃくちゃ深い、キス。
「……ぅ、ンんっ……っは……」
不意に、外されて。
くしゃ、と。髪を撫でられる。
「だ……からっ……これのこと言ってんだってばっ」
「だから、お前にしかしねえって」
「――――……っ???」
「ミウのことばっか構ってんなって、言ってんだろ」
なんか、睨まれて、そんな事言われる。
………………????
何の話してたんだったかすら、よく分からなくなってくる。
オレにしか、しないの?
きついから?
女の子には優しくしてるってこと?
むー。
なんか、むかつくな。
ていうか、ミウにばっか構うなって、何なんだよっ。
こんなに可愛いんだから、構うに決まってるし。
ミウをモフモフ撫でても、ちょっと今回はムカつきが取れない。
ひそかにぷんぷんしながら、ルカの後ろを歩く。
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