【ドS勇者vsオレ】オレ様勇者に執着&溺愛されてるけど、ドSだから大変✨奨励賞受賞

悠里

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第2章

「いつも近くに」

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 町長達に挨拶をした後、オレ達は、リアの魔法でシャオの町に飛んだ。
 もちろん、ミウは、超ぎゅっと抱っこして。

 オレが抱くと、ミウもひしっと抱き付いてくるので、めちゃくちゃ可愛いと思いながら。オレの肩には、いつもみたいにルカの手が乗っかってた。

 なんか。
 気づくとルカはいっつも、オレに触れてる。

 こういう時は囲うみたいにしてるし。
 山というか崖みたいなの登ってた時も、いつ落ちても大丈夫な感じですぐ近くに居たし。実際落ちてもすぐ助けてくれて。

 食事とかで座ってる時も、超近くに居るし。


 ……でもって、なんか。
 それが当たり前になってる事に気付いたのは。

 ――――……昨日の、宴の席。

 ルカが、偉い人の席に居て、すごく離れてた。

 ミウも居たし、何となくオレは端っこに座ろうと思って、離れて座った時、オレの方を見て何か言おうとしてたルカは、すぐに町長や、女の子達に囲まれた。

 あれは、隣に座れって事だった、のかなあ。
 ……敢えて、聞いてはいないけど。


 なんか。
 ルカがすぐ近くに居ないという事実のせいで。
 いつも触れる位に近くに居るって事に気付いた。

 離れているのを少し寂しいと思う位には、近くに居る事が当たり前になってる事にも、気づいてしまった。


「何だよ?」

 リアの魔法が解かれて、町の前に立って、手を離したルカを見上げると。
 ルカがオレを見て、ふ、と笑んだ。

 偉そう、なんだけど。
 もうなんか慣れてしまって。
 最初は偉そうに笑われると、怖かったのに。

 もう全然……嫌な感じは、しない。


「ううん」
 言って、オレはミウを抱き締めていた手を解いた。

 ふわふわ、と浮かんだかと思ったら。
 ぽよ、と肩の上に乗っかった。

 全然重くはないので、肩のすぐ上で、浮いてて、ちょこっと触れてる、位。

「あはは。並んでると、なんかすごく可愛いー」

 リアがオレとミウを見て、笑う。
 すぐ横にあるミウと見つめあって、ふふと笑ってしまう。

 うん。ミウ、可愛い。


 ルカはゴウ達と、海の方に目を向けている。
 そんな3人を何となく、後ろから眺める。

 3人並んでると、すごく頼もしくて、カッコいい。

 皆、背が高い。
 一番高いのは、ゴウ。で、ルカとキースは同じ位かな。

 大きくてがっちりしてるのはとにかくゴウ。シルエットにしたら、熊、て感じ。腕もぶっといし。ほんと、強い剣士っていうのが、ぴったり。

 ルカも鍛えてるのがすぐ分かる筋肉してるけど、ゴウほどめちゃくちゃぶっといとかじゃなくて――――……なんていうんだろう。

 綺麗な筋肉、かな。
 ごついってよりは、しなやか。
 二の腕は太いけど――――……なんか引き締まってて。カッコいい。
 めちゃくちゃ、足長いしな。 現代日本に行ったら、即モデルとかできそうだと思った位だし。

 褐色の肌が、強そうで。
 ……頼りがいがありまくりな、見た目。

 これで、身分が王子なんだから――――……そりゃ、人が下に、集まるよなあ。

 キースは、王子様みたい。
 2人ほどはごつくない。剣士という言葉より、騎士という言葉が似合う気がする。もちろん剣を使うんだから、強いんだろうけど。
 優しそうで。落ち着いてて。癒す方の白魔法を使うところも、キースのイメージにぴったり。


「ぼーとして、どしたの、ソラ?」

 隣で、クスクス笑うリアは。
 黒髪、色白、瞳の大きな、美人さん。色気がある人だと思うけど、オレに構う時は、なんだかすごく楽しそうでコロコロ笑ってて逆に可愛く見えて、色気とかそっちは封印してる気がする。封印というか、オレに色気使う意味がないんだろうなと思う。あ、あと、あの3人にも。 

「……なんか、皆、カッコいいなあと思って」
「ん?」

「皆、色々鍛えて、強くて。 人のために、戦って」

 そう言ったら。
 リアは、ふ、と笑んだ。


「ルカの周りにはねー、色んな人達がいっぱい集まってるんだよ」

 ふふ、とリアが笑う。


 ――――……うん。
 多分。
 オレは、知ってる。

 城や町には、ルカを慕って集まってる人達がいっぱい居る。


 なんか。
 ……あまりに近すぎて意識しないでいるけど。


 ルカって、この世界で、一番、偉い人、なんだよね。





 
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