上 下
39 / 296
第2章

「ルカのキス」※

しおりを挟む
 
 優しいキスを交わして。
 ふ、と離すと。
 閉じてたルカの瞳が、ゆっくりと、開いた。


「――――……オレにしたいキス、これ?」
「……」

 うん、と頷く。

 ……バカにされるかな。と、すこし身構えていると。
 ルカは、ふ、と優しく瞳を緩めた。


「――――……すげー可愛い」


 ――――……可愛い……?

 言われ慣れない言葉に、眉を寄せた瞬間。
 くるん、とまた体勢を入れ替えられて、ルカに組み敷かれた。


「すげえ、勃った」
「…………」

 この人、ほんとに、何、言ってんの……。

 唖然としながら、見上げていると。


「あんなキスで、勃つなんてなー……不思議」

 そんな事言われながら、脚にルカの手がかかる。
 開かされたそこに、ぬるりとした液体が垂らされて。


 ほんとに、何、言ってるのか――――……。



「――――……っあ……」

 混乱してる最中、あてがわれて、固いそれに強張ってるのに、何故か驚く程にすんなりと、受け入れてしまった。



「……っんん、っあっ……」

 いきなり深く突かれて、仰け反ると。
 その首筋に、甘く、噛みつかれた。


 ゾクゾクしすぎて、声も出ない。

 ルカが一度抜いた後、更に奥まで突きあげながら、ぐい、と体を上げてきた。


 のけ反ってた、オレの顎を捕らえて、下に向けさせて。


「瞳、開けろ、ソラ」
「…………っ………」

 何とか涙目を開くと、真正面から見つめてきたルカが、ふ、と笑んだ。


「――――……ソラのキスで、こんなんなったんだけど」
「…………っ」


 そんな激しくも、して、ないのに。
 何でだよ、もう……。


「最初物足りなくて、どーしようかと思ったけど」

「……っあ……ん、ぅ……!」

 小刻みに突かれて、快感がきつすぎて、首を振る。



「……最後の方、可愛くて、どーしようかと思った」

「…………っん、んっ…あっ……あ、あっ……」


 激しい動きについていけなくて、ただなすが儘、揺さぶられていたら。


「……ソラ、口開けて」
「……っ……」

 言われるまま、開けた瞬間。
 深く深く、キスされる。


「……ん、ンっ……」


 息、できない位、また深いキス。

 めちゃくちゃ絡められて、口の中、舐められて。


「…………んん、ん……っ」

 中、刺激されながら、深くキスされてると、目の前が真っ白になって、意識、飛びそうになる。

 ひく、と喉が動いた時。
 ルカが、唇を少し離して。くす、と笑った。



「――――……こういうキスは? 好き? ソラ」


 そんな風に、聞かれて。

 オレは。
 ――――……絶対、さっきの、キスのが、好き、なんだけど……。

 そう思うんだけど。




「……好きじゃねえ?」


 ふ、と笑んで、ルカが、唇をぺろ、と舐める。



「なあ。オレのキスは? 好き?」


 そんな風に、聞かれると。
 もう。なんか。 訳、分かんなくなってきて。



「……好き」


 何でか、もう、そう言ってしまって。

 ルカの首に腕を回して、抱き付いて、しまう。


 もう、オレ、自分がよく、分からない。



「オレも、お前のキス、好き」


 くす、と笑って。
 ルカが、オレの前髪を、掻き上げる。


「年上とか――――…… 見えねえなー……」

 ふ、とまた瞳を緩めながら近づいてきて。
 唇が、重なった。


 
 延々キスされながら、また、何度も抱かれて。

 ――――……2日目の夜は。なんだかやたら可愛いと囁かれて。


 めちゃくちゃ、恥ずかしい、一夜になった。
 






  
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

イケメン王子四兄弟に捕まって、女にされました。

天災
BL
 イケメン王子四兄弟に捕まりました。  僕は、女にされました。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

R18禁BLゲームの主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成りました⁉

あおい夜
BL
昨日、自分の部屋で眠ったあと目を覚ましたらR18禁BLゲーム“極道は、非情で温かく”の主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成っていた! 弟は兄に溺愛されている為、嫉妬の対象に成るはずが?

転生令息は冒険者を目指す!?

葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。  救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。  再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。  異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!  とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします。……やっぱり狙われちゃう感じ?

み馬
BL
※ 完結しました。お読みくださった方々、誠にありがとうございました! 志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、とある加護を受けた8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 独自設定、造語、下ネタあり。出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。 ★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!

冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。 「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」 前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて…… 演技チャラ男攻め×美人人間不信受け ※最終的にはハッピーエンドです ※何かしら地雷のある方にはお勧めしません ※ムーンライトノベルズにも投稿しています

処理中です...