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第2章

「楽しい買い物」

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「とりあえず、町に行って、その強い魔物とやらがどこに居んのか、聞いてこようぜ」


 ルカの言葉に皆が頷く。


「各自情報集めて、適当に集合なー」

「了解」


 3人は返事と共に、中に消えて行った。


「ソラ、ついてこい」
「あ、うん」


 ルカに呼ばれて、その後ろについて歩いていたら。


「……何で後ろ?」

 振り返られる。


 いや。何となく??


「横、来いよ」

 ぐい、と腕を引かれて、隣に立たされる。


「――――……うん」

 ……隣がいいんだ。

 なんか色々聞いて回ったりするのに、邪魔かな?と思っただけだったんだけど。


 ルカの隣で一緒に歩いていくにつれ、さっきまで居た町とは、また違う感じの町の様子が目に入ってくる。


 昨日の町より、看板がかかってる店みたいな建物が多い。


 うわー。
 ……楽しそう。

 色んな店、全部入ってみたい。何が売ってるんだろう。
 使ってたアイテムとかも、あるのかな??

 ワクワクしながら、色んな看板を見上げていると。
 ルカに見下ろされて、ふ、と笑われた。


「ソラ、オレが店主に話を聞いてる内に、欲しいもの選んでていいぞ。色んな店があるから、お前の物も一通り揃うだろ」


 ワクワクしながら、うん、と頷く。


 日本に帰るの、もうちょっとだけ先でもいいや。
 とりあえず買い物したい! 見てみたい!


「どれくらいが高いの? いくら位までなら、買っても良い??」

「この町の品揃え位なら、別になんでもいーぞ」


「ほんと? やった」


 勇者、ばんざーい。

 
 そうだ、そのお金も、魔物倒したり、カジノでゲームしたり。
 頑張って、集めたっけ。

 まあ。ほんとにオレが動かしてたなら……の話だけど。


 とにかく、大事に使おう。うん。

 

「ここ、服屋な。とりあえず3着ずつくらい揃えろよ」
「うん」


 ルカが店の主人ぽい人と話してる間、商品を見て回る。

 わー。……なんだか、分かんない。何だろう、これと思うものばかり。

 服も、今着てるみたいなのは、長い布にしか見えないし。
 これ、サイズとかあるの???


 良く分からなくて、ちゃんと選ぶ事もできないけれど、でも楽しすぎて、あちらこちら触れてみる。

 ルカ達は、職業とか能力に合わせて服を着てるから、それぞれちょっと独特で。
 オレはむしろ、村人Aみたいな服を選んだ方がいいのかなあ??


 んーどう選べばいいんだろ。

 悩んでいた時。


「お兄さん、洋服を探してますか?」

 明るい笑顔の女の子に話しかけられる。


「うん。あ。普通の服で、似合いそうなのを選んでもらっても良い?」

「予算はどれくらいですか?」

「そんなに高くない普通の服でいいんだけど」
「了解です。今着てるみたいな服でいいなら、ここにあって。その服は、サイズとかないので、生地の色と、腰紐の色や編み込みの形で、好きなものを選んでもらえれば」

「なるほどー」

 色は、何種類かずつあるんだ。
 これって、何で染めてるんだろう。綺麗。

「あと、上下が別れてて、腰ひもが無いタイプは、こちらにありますよ?」
「へえー」

 Tシャツと膝丈くらいの半ズボン、みたいな感じ。
 こっちのが、スースーしなくていいかも。

 今のと同じのを1着と、上下別れてるセットを2着、選んだ。

 基本的には、形はオレが着るのは今着てるみたいな、かぽっとかぶって、ウエストで締めるみたいな服を着てる人が多いらしい。てことは、この、足スースーには慣れないといけないんだなあ。

「下着ってある?」
「服の下に着るものですか?」
「うん、そう」

「こちらですか?」
「あ、うん」

 やっぱり今履いてるこれって、パンツなんだな、うん。

 色々選び終えたものを、手に抱えてると。


「お兄さん、選んでる間、このカゴに入れておいてください」

「わー、ありがとう」

 木の買い物カゴだー!!
 なんか、すごいー! 
 

 ちょっと嬉しくなりながら、それに服を入れていると。

 女の子が、くす、と笑った。


「お兄さん、今日はこの村に泊まる?」

「え? あーどうだろ、わかんないな。どうして?」

「私、夜は酒場に居るから、来てくれないかなーと思って」
「あ、そうなの?」

「一緒に飲みませんか?」

「んー」

 でもルカ次第だよなあ。ここに泊まるかも分かんないし。


「じゃあ、一緒の人達に聞いてから。泊まるんだったら、皆に聞いて、行くね?」


 そう答えて、その時、目に入ってきた、アクセサリーぽいものの所に近付くと。


「あ、そうじゃなくて」


 女の子に後ろから言われて、え?と振り返ろうとした瞬間。
 ルカが目の前に立った。


「ソラ。決まったか?」

「あ、ルカ。うん。服は今、3着取った」


 カゴの中のを見せると。


「白とか水色似合うから、いいんじゃねえか?」

「……ん」


 さっきもだけど。
 さら、と褒めてくれるのは、ルカのいいとこな気がする。


 ちょっと嬉しい。




 


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