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第2章
「無理無理!」
しおりを挟むオレが本気でムカムカしてる事を悟ったらしいリアが、あはは、と苦笑ながら。
「だからね、ルカの少し下かな~と思って。そういう経験は無さそうかなあって、ソラがあんまり可愛いから、思っちゃっただけよ?」
そんな事を言ってくる。フォロー、なのだろうか??
……どうりで、可愛い可愛いって、言ってたなあ……。
子供だと思ってたんだ。なるほど。
っていやいや、なるほどじゃないし!!
「ソラ、経験あんの? 女と?」
ゴウが面白そうな顔して聞いてくる。
「どれくらい?」
「どれくらい?って」
「1回とか?」
「…………っっっっ」
1回って何だよ!!
もう、ルカとゴウのコンビとは、話したくない。いつ話してもロクなことになってない気がする。
オレ、高校ん時も彼女居たし。そん時は、結構、エッチなコトにはまって、相手もそういうの好きな子だったから、結構してたし! 去年は彼女も居たし、別れてからも、彼女になりそうかなーて子と、そんな関係になった事もあるし!
ていうかオレ、別に男としてモテない訳じゃないし!!
「……っ覚えてない位は、あるよ!!」
ゴウに向かって叫ぶと。
「おー? それはすごいな?」
くっくっとゴウが笑う。
くー、なんか絶対馬鹿にされてるー!!
「オレ達と同じ年なら、まあ普通にあるよね」
キースは、うんうん、と普通に頷いて、流してくれようとしている。
……あれ? そういえば、ルカから何も言葉、無いな?
黙っていたルカに気付いて、ふと、見上げると。
ゴウとおんなじ感じで笑ってんのかと思いきや。
目が据わってて、オレは、固まった。
「――――……?」
「……ふーん。――――……そんなに経験あったんだな……」
「……え……」
あれれ? 何??
良く、分かんないけど。
……ここから走って逃げ出したい位、怖いんですけど。
「……じゃあ遠慮すること、無かったな」
「…………っ」
耳を疑うしかないし。
昨日からの、ルカのどこに、遠慮があったの???
「――――……初めてとか言うから、優しくしてやったのに」
やややややや、優しくされましたっけ???
ど、どこが????
やだっていっても、怖いっていっても、やめてっていっても、
大丈夫とか、すぐ慣れるとか、もう全然遠慮の欠片もなく、やりたいようにやってましたよね???
呆然としながら、目の前のむすっとした顔の勇者を見上げてしまう。
「もう、遠慮しねえでやるわ。……まさか騙されるとはなー」
「……っっつか、オレ、されるのは、初めてだって、言ったんだよっ」
「――――……ふーん」
「……男にされるのなんか、ほんとに、考えたことも無かったしっ……」
無理無理。 はっきり言って、昨日も、ルカが遠慮してたと思わないけど、
遠慮しないでやる宣言とか、本当に、無理無理無理無理。
「意地悪するなよ、ルカ。 騙したんじゃないって分かるでしょ。ソラは、やられるのは初めてって言ってたんだろ」
キースが、そう言ってくれて、どうやら少し、庇ってくれてるらしい。
オレが必死の顔で、怯えてたのが分かったのかな。
「――――……まあいいや。この件についてはあとで、よーく、話し合おうな、ソラ」
「――――……」
……嫌です。
そんな怖い顔してる勇者とは、話したく、ありません。
ていうか、絶対、言葉での話し合いじゃない気がするし。
ほんと、嫌……。
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