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第2章
「腹立つ……」
しおりを挟むまあでも……。
願った位で帰れる訳じゃないみたいで。
仕方なく、目の前の会話を続けるしか、無い。
「……年上だと、嫌ってこと?」
ルカが年下好きで、年上が嫌だというなら、「オレのモノ発言」は撤回してもらっても、全然いいんだけど。
さっき、この類の「お前のモノやめる発言」をしたら生意気とか言われて、危ないところだったので、はっきり最後までは口には出さず、そう聞いてみると。
「別に年上だから嫌とか、そんな事はねえよ。あんまり考えねえで気に入った奴とするし。――――……ただ、もうソラに関しては、考えるまでも無く年下だと思ってたっつうか……。だから、今、すっげえ驚いてるけど」
「――――……」
……オレ、別に、生きてて、童顔とか年より幼く見えるとか、言われた記憶はない。
オレはまあ、自分で言うのもなんだけど、色々全部、普通。
まあ、たまにオレの顔を可愛いって言ってくれたり、カッコいいとかイケメンとか表現してれる子は居たけど、でも別にとびぬけて目立って、誰にとってもそうって訳でもなく。
だからきっと、好みに合えば、好きって言ってくれる人も居るんだろうなーという感じ。
本当に普通の、20才、身長も体重も、超平均的なって感じの。
15とか16とかって、中学卒業、高校入学前後?? かなり下に見られてるし……。
まあでも、日本人って、海外の人から見ても、下に見えるって聞いた事あるし。
……それと同じ感じなのかなあ。
特にここに居るこの人達、色々経験してて、鍛えてて強くて、精神年齢も高そうだから……。
そこは、もう、負けてもしょうがないか……。
と、かなり幼く見えている不本意な件について、自分で理由づけをして、納得しようとしていると。
「でも、年上とか思うと――――…… ちょっと燃えるか」
頬に触れられて、ルカに、ふ、と笑まれる。
「なあ? おにーちゃん?」
「……っ」
「経験生かして、色々してもらおうかなあ……」
何か、へ、へんなプレイに連れ込まれそうで、すっごく、嫌だ。
って変なプレイが何かも分からないけど、何か、すごい事させられそうで、嫌。
と、焦ってると。
すぐに、ぱっと手を離して、ルカが、眉を寄せてオレを眺めて、苦笑い。
「……て思ったけど、ソラ、初めてだったよな。年くってても、経験ねえから無理か」
「――――……っっっ」
く。むかつく。
どこまで、むかつく喋り方する奴なんだ。
逆に、年下だからしょうがないなと、思ってやろうかなと一瞬思ったけど、絶対、そんなんで笑顔で許してあげられる範囲は、飛び越えてる。
ほんと、ムカつく。
「あ、でも。何も知らねえ年上、めちゃくちゃ仕込むっつーのも、有り? 燃える?」
とか、とんでもない事言い出して、ルカがゴウにそう聞いて。
ゴウが、「まあ、ありじゃねえ?」とか笑ってる。
……こういう話ってさ。
普通さ、その、本人の目の前でするもの??
こういう話が好きな男は一定数居ると思うけど。日本にもね。
でも、こういう話って、普通対象の人には聞かせないよね??
世界の違いなのか、この人たちが特殊なのかは、
これから、他の人と話せることができたら、分かるのかもしれないけど……。
「――――……ていうかさ」
なんか聞きたくないような会話で盛り上がってる、ルカとゴウ、横で、呆れて聞いてる、キースとリアに、はあ、とため息をつきながら。
「オレが初めてなのは……男、だけだかんね」
そう言ったら。
また、皆が、えっ?とオレを振り返った。
「――――……っっ!! もう、人の事、なんだと思ってるんだよ!!!」
くーーーー!!!!
もう、ほんっと、 腹立つーー!!!
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