12 / 299
第1章
「むしろ、やめて」※
しおりを挟む「――――……や……あ……っ」
「ソラ」
口づけられて。
ルカの舌が、オレの舌に絡んで、めちゃくちゃ吸われる。
「ん……は……やだ、こわ、い……」
「……怖い?」
「……っ……なんか、体……おかし……っ」
「――――……ふーん」
人が泣いてるのに、呑気な声で言って、笑う。
もはや勇者じゃなくて、オレにとっては、悪魔だ。
「……っ……あっ……や……あ、あ………」
奥まで指が入って、中を慣らす。
なんか、塗られたものが、熱くて。
さっきの甘いのを飲まされた直後から頭が、クラクラしてるし。
体に少し触られるだけで、ゾクゾクする。
「……ちょっと感じすぎだな……」
ち、と舌打ち。
「やっぱ、薬なんか使うもんじゃねえよな」
ぐい、と抱き締められて、キスされる。
「大丈夫――――……気持ちいいことしか、しねえよ」
「……っ」
「怖くねえから」
よしよし、と後頭部を撫でられる。
何この人。
こんな時だけ、少しだけ、優しいのか。
ひどいことされてるのに、一瞬絆されそうになってしまう。
「……るか……」
「――――……うん?」
「……っ……どうし、たら――――……からだ……変で……」
「――――……」
ふ、と笑われて。
背に手を当てられて、抱き締められて。
奥に差し込まれた指が、快感を無理やり引き出すように、動かされる。
「…あ、……ぃやっ……」
ぎゅう、とルカにしがみついてしまう。
ふ、と笑われた。
「怖がるなよ――――……素直に感じてれば、可愛がってやるし」
「…………っ」
「お前、今、そういう薬、飲んだし、下にも埋め込んだし。どんだけ乱れても、お前のせいじゃねえから」
「…………っふ……」
「とりあえず今は、全部薬のせいにしていいぜ?」
「……っ」
何だか素直に、頷いてしまう。
そうなんだ。変になっても、オレのせいじゃ、ないんだ。
そっか。
「――――……出すと少し楽になるから……イかせてやるよ」
「……っ」
もう、やだ。
こんな続けてとか、無理。
抵抗虚しく、オレの背を容易く枕に沈めさせる。
ルカは、オレの足を肩に乗せ、腰を大きな手で、掴んで固定した。
「や、なに――――……」
言った瞬間。
さっきからずっと感じ続けてるそれを、熱い口内が包んだ。
――――……包んだなんて、なまやさしいものじゃない。
熱くて、痛い位の、感覚に襲われて。
激しく熱いものに、吸われて、擦られて、あっという間に昇りつめてしまったのに。それをごく、と飲み干したルカは、もう一度同じように、口と手を使って責め続ける。
「いや、やだ……っや、あ…っ あああっ……」
……こんなの、怖い……。何これ、感覚、が……強すぎる……。
「……やめ……たすけ、て――――……っ」
聞くに耐えない濡れた音が響いて、ぐり、と先端を硬い舌で刺激されて。
「ひあ…!」
もう出してしまいたいのに、今度は、根本をきつく押さえられてて、出せない。
ルカの肩に乗せられた自分の足が、ガクガクと震えているのが分かる。
も、耐えられない、無理――――……こんなの……。
「……っん、ぅっ……は――――……っ」
ルカの指が、また後ろに触れて、押し込まれた。
多分、さっきは1本で、今は、指、増やされている。
圧迫感が、さっきと、違う。
「……んん、あ……っ……あ、あ、んンっ…っ」
「気持ちいいだろ」
クッと笑って、言いながら、後ろの指をぐり、と中で回して。
「……っっ……」
そんなとこで、気持ちイイなんて。
絶対嘘だ。
そんな訳、ないのに。
――――……あ、夢だから? 夢だから、なんでもありなのか?
……つか、まじ、何て夢だ。
こんな、でっかい、怖いイケメンに襲われて、気持ち良くて泣いてるなんて。
指を抜かれて、ぞく、とした感覚に震える。
「……っ」
中が、物足りないなんて。嘘、だ。 嫌だ。
「――――……ここ、入れて欲しいか?」
「……っ」
指で、また触れられる。
「吸い付いてくる。――――……欲しいだろ?」
「…………っっ」
やだ。 頷きたくない。
でも。ゆっくりと指を中に入れられると。オレのそこは、意思とは関係なく、ルカの指を締め付ける。
そうして、オレを組み敷いてる、目力半端ないイケメンと目が合うと。
胸が、きゅん、と疼く。
何これ。
薬って。 感情まで、支配すんの?
……怖い……。
もはや半泣きで、視線を逸らすと、顎を掴まれて、また真正面から見つめ合わされる。
「ソラ。もう一度、ちゃんと言えよ」
「――――……なに、を……?」
「オレのモノに、なるって。言ったら――――……死ぬほど、気持ちよくしてやるよ」
「……っ」
むしろ、要らない。やめて。
死ぬほどとか、怖すぎる。
165
お気に入りに追加
4,652
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる