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第1章
「ゲーム爆発?!」
しおりを挟む大人気のRPG。
1人暮らしの大学生の特権。長い春休みに入ってから2週間、
バイト以外の時間をほぼ全て、このゲームに費やした。
行ける所は全て行き、出来るイベントはやりつくし、様々なレアな能力も得て、仲間も増やし、最高に強くした勇者が、今まさに、魔王を退治する所。
これで、このゲームも終わりか。
まあまあ、面白かったかなー。
悪役も味方も、メインのキャラはイケメン&美形ぞろい。
キャラクターデザインに随分力を入れたゲームだった。
このゲームは、特に勇者が独特。 よく居る、マジメな良い奴じゃない。
かなりSっ気のあるイケメン。
キャラの声優も、今大人気の声優とやらで、エロ過ぎて声だけでイかせられるとかネットでとんでもなく話題の人らしい。
ま、オレは、声優はよく知らないんだけど。
普段RPGなんてやらない女子までが、この声優の声での、ドSなセリフを聞きたいが為にこぞってこのゲームを買ったせいで、売り切れ続出で、かなり高額でやりとりされてたっけ。
オレは早くに予約してたから、ちゃんと購入できたけど……。
そんな事を考えていたら、ゲームの画面の魔王が大分弱ってきてるのに気付いた。
あとは惰性で戦ってれば、もう勝てそう。
このゲーム、魔王も相当強いらしくて、下手に弱いまま魔王の城に入ると、全くもって相手にならずぼろ負けするらしいと、ネットで言われているのだけれど。
うーん、オレ、レベル上げ過ぎたかなあ。
これ、クリアしたら、
2巡目の冒険、目指すかなあ……。
2巡目やると、また別のイベントが発生したり、レアな武器も、もらえたりする。
普段、気に入ったRPGなら絶対やるんだけど、これは、どうしようかな。
ゲームは面白かったんだけど、この勇者がなー。
……何で勇者なのに、ドSなんだよ。
魔物とはいえ、いたぶりついでに倒すとか、意味が分からない。
HPを吸い取って弱ってく敵に喜んでるっぽい設定とか、もはや悪役のそれにしか見えない……。
オレは実直な勇者の方がいいなあ。
…………。
「――――……え?」
不意に、テレビの画面が真っ白になった。
「え? 嘘、何?」
壊れた?
まだメモリーに移してない。ゲーム機が壊れたら、アウトだ。
嘘だろ?
何、この真っ白な画面。初めて見た。
な、なに、これ??
どんな壊れ方だよ?
ゲームが壊れたのか、テレビが壊れたのかすら、分からない。
とにかく、画面が真っ白で、眩しい。
対処する術が何もなくて、オレは、数秒、呆然とそれを見つめていた。
画面から外に、溢れ出るように白い光が広がって。
――――……部屋中が真っ白になった。
は――――?
爆発したの?
なに、これ……?
オレは、為す術もなく、白い光に飲み込まれた――――……。
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