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番外編
番外編【夏祭り】15 *奏斗
しおりを挟むなぜか、オレとひよこちゃんの撮影会が行われて、潤くんが満足したところで、それは終わった。四ノ宮が苦笑いを浮かべている。
「そっちより、奏斗と撮んなくていいのか?」
「とるー!」
わーい、とばかりに脚にしがみ付いてきた潤くんを、抱っこする。
瑠美さんが、撮るよー、と言った後、クスクス笑い出して、カメラから視線をずらした。
「大翔は? 入らなくていいの?」
あれ? 隣にいたと思ってたのに、と少し離れちゃってる四ノ宮を見ると。可笑しそうに笑って、オレを見てくる。
「いや……なんとなく潤が、奏斗と二人のが欲しいかなーと思って。オレは次のに入ろうと思ったんだけど」
クスクス笑いながら、四ノ宮が言う。四ノ宮をじっと見ていた潤くんは。
ぷるぷると首を振った。
「ヒロくんもいっしょ!」
「――分かった」
ふ、と微笑んで、四ノ宮が近づいてくる。
「オレが抱っこしようか?」
そう聞いた四ノ宮に、潤くんはまたプルプルと首を振る。
「ユキくんがいい」
「だっこはそっちなのか」
苦笑しながら、潤くんのほっぺをつまんでる四ノ宮。
「はーい撮るよー」
瑠美さんの声に、三人で並んで写真を撮る。「うん、可愛く撮れた」と瑠美さんがクスクス笑って、「大翔に送っとくね」と言う。
「あ、ユキくん、あとで連絡先つなげたいんだけど、いい?」
「もちろんですー」
ふふ、と笑って頷くと、「かわいー、ユキくん」と瑠美さん。少し首を傾げて、ふ、と目を細める。
人妻で、子持ち……なんて、言われても、ちょっと信じられない感じかも。綺麗な人だなぁ、としみじみ思っていたら。
オレのだっこから降りた潤くんが、瑠美さんの手をくいくいと引いた。
「ママ!! おみやげ……」
「あ! そうだったね!」
おみやげ? と今度はオレが首を傾げると、瑠美さんが潤くんに渡したものを持って、オレの目の前に。
「ん?」
しゃがんで、真正面から見つめると。潤くんが、満面の笑顔で差し出してくる、小さな袋。
「ユキくん、おみやげ!」
「ありがとう。……なんだろ、開けていい?」
「いいよー」
うふふふと笑ってる潤くん。中から出てきたのは。
綺麗な、オレンジ色の石がついてる、ストラップ。
――なんかこれ。四ノ宮にもらったおみやげに似てるなあと思った瞬間。
「あ、これ、一緒に買ったやつか」
四ノ宮がそう言って、潤くんの頭を撫でてる。
「そう、ヒロくんと一緒に買ったー」
あ、やっぱりそうなんだ。同じとこで。
「ヒロくんは、あげた?」
「うん。帰ってきてすぐあげたよ。ね、奏斗」
「うん。貰った。鞄についてるよ。今日は持ってないけど」
オレは言いながら、太陽にキラキラ光るオレンジの石を目の前にかざした。
「綺麗だね」
「うん!」
「ありがと。潤くん」
「うんうん!!」
「一緒につけようかなぁ。オレがいつも持ってる鞄に、ふたつ」
細めの綺麗な飾りだから、並んでても、うるさくはなさそう。というか。
四ノ宮からと潤くんから。ふたつ並んでたら、嬉しい。
「ありがと」
よいしょ、と抱き上げて、同じ高さで見つめると。
うん! とぎゅーと抱きついてきたと思ったら。
ちゅーーー、とほっぺにキス、された。
うっわ、めちゃくちゃ可愛い。
……と思ったけど。
真横で、あ、と口を開けてる、イケメンさんと。
全部を見てて、ウケてる美人さん。
なんとなく、苦笑が零れた。
でも。心の中は、やっぱり楽しくて、幸せだなぁって、思う。
(2024/9/3)
あとで消しますね。
後書きです。
9/3の1時半くらい。もう寝ようかなあと思いながらエブリに寄ったら、
デイリーBLで1位が初恋よりも 2位が恋なんかじゃないで(´∀`*) 日曜に更新したからですね……ありがとうございます(´;ω;`)!
それで、ふじょさんみにいったら、デイリーで4位初恋と6位恋なんかが居て。
アルファさん見たら、160位初恋と40位恋なんかが居て。(桁が違うけど、αさんはデイリーじゃなくて、更新した時が一番順位あがるシステムで。時間がたつとすぐ下がるので…でも24,547作品中なので十分なんです( ノД`))
とにかく、なんかいっぱい読んでくださってありがとう(´;ω;`)ウゥゥ
と思ったので、なにか更新してから寝ようと思って、書きだして、40分。
置いて、ねまーす(´∀`*)ウフフ💖 ずっとこのストラップのこと書きたかったので、よかったー忘れず渡せて💓
朝、楽しんで頂けますように~💖
お仕事行ってきますー
……あれ? 3時間半睡眠になるのでは! やばいぞー
明日は午後はお休みなので、またかえってきたら、なにか更新しながら、色々頑張ります♡
ではではおやすみなさーいヾ(*´∀`*)ノ💕
(あとで消すか移動するかします……)
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