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きづいたら
「言葉が」*奏斗 ※
しおりを挟む「……奏斗のスーツ姿、すごく清い感じなのにさ……乱したくて、しょうがなかった」
「や……っ……や、だ……ん、っ……」
シャツの上から乳首を摘ままれて、びく、と上向くと、唇に、深いキスが重なってくる。
「……っん……っ」
ああもうオレ、チョロすぎるのでは……。
友達、なんて口にした直後、こんなことを許してしまっては、もう全然意味が分からない。
「……し、の……待っ……」
腕を引かれて、靴のままあがってしまいそうになって、焦ってなんとか靴を脱ぐと、四ノ宮に抱き上げられた。
だから、ひょいひょい、抱くなって……。
そう思うのに。多分、暴れれば、すぐ下りられるのに。
同じくらいの高さにある四ノ宮の顔を、眉を寄せて睨むと、気付いた四ノ宮は、クスッと笑う。
そのままリビングに入ると、月明かりでうっすら明るい。四ノ宮は電気をつけずに中に進んで、ソファの上に降ろした。
「上着だけ脱ご」
四ノ宮は言いながらオレの上着を脱がせると、少し離れて、自分も上着を脱いで椅子にかけた。腕時計も外してテーブルに置くと、手洗ってくるからちょっと待ってて、と消えた。
手……は洗おうかなと、とりあえずキッチンで手を洗って。
あー、どうしよ。ここで待ってるのも変だし。ほんとに嫌なら、帰ればいいわけで……心の中、困り果てていると、戻ってきた四ノ宮に手を取られて再びソファに座らされる。四ノ宮が持っていたローションとゴムをソファにぽん、と置いたのを見て、オレは四ノ宮を見上げた。
「……す、んの? ここで?」
「――ん」
返事と同時に、オレの上に四ノ宮がまたがる。
「スーツのままがいい……可愛いし、なんか、エロい」
「――――っ」
言いながら、ネクタイを緩める、四ノ宮の方が、よっぽど、エロい。
どうしよ。すっかりその気になってるのは、四ノ宮だけじゃ、なくて……。
「……もうかたくなってるね」
「……っ」
「オレもだけど」
服越しに、四ノ宮のをオレのに擦りつけられて、羞恥に顔が熱くなって、ぎゅ、と目を閉じた。すぐに、唇が、重なる。
めちゃくちゃ、キスされたまま、めちゃくちゃ丁寧に愛撫されて。
繋がった時は、もうそれだけで達してしまった。
「……あっ、……ん、ぅ……っ……んん……ッ」
「――――気持ちいいね?」
くす、と笑いながら、四ノ宮の手が、汗に張り付いたオレの前髪を掻き上げる。
「入れただけでイっちゃうの……ほんと可愛すぎ」
「……っしつ、こい、から……っ」
「あぁ、準備が?」
「……っ」
「だって、気持ちよくしてあげたいし……奏斗が気持ちいい方が、オレも気持ちいいし――ていうか、もう、ほんとに可愛い」
言いながら、唇に触れてくる舌。
「奏斗、キスしてほしい?」
「……っ」
「めちゃくちゃキスしながら、突いてほしくない?」
意地悪い。オレが何が好きか、分かってるくせに。
……そう。分かってる。四ノ宮は全部。オレのこと、知ってる。
今までどんなことがあって、どんなことをしてきて、これからどうやって生きていきたいかも。分かってるのに、こんな風にオレを抱いて、好きだなんて、言う。
「キスしてくれたら、めちゃくちゃ、気持ちよくしてあげる」
濡れたみたいな。欲を、抑えてる声。
ゾク、と背筋に快感が走るけれど。なんか、すごく悔しい。
自分だって。めちゃくちゃしたいくせに耐えて、オレにさせよう、とか。……ムカつく……。
「……ぬ、いて、いい」
「え?」
「――――したくないなら、抜け、よ……」
「……違う。もー……」
は、と息をついてから、ず、と奥まで突き上げてくる。
耐えられなくて、震えるオレの背を、四ノ宮は、ぎゅっと抱き締めた。
「奏斗からキスしてほしかっただけ。ごめん、意地悪した訳じゃないよ」
めちゃくちゃ中を突きながら、そんな風に言って、頬にキス、してくる。
「……んん、あ……っ……ぁッ……」
涙が、衝撃で溢れる。オレのは、突かれるたびに、精を溢れさせてる。もう、ぐちゃぐちゃで。
ほんとは。四ノ宮とこんなこと、してちゃだめなんじゃないかと、今日またすごく思って。
だから、友達じゃだめ?なんて、聞いたのに。
こんな風になったらもう、止めることもできないなんて。
「……は、あ……っ」
「あーもう……気持ちイイな……」
耳の横で、四ノ宮が、ほんとに気持ち良さそうに言って。ちゅ、と唇に触れてきた。
オレは耐えられなくて。四ノ宮の首に腕を回して引き寄せて、唇を重ねさせた。舌を、四ノ宮の舌に触れさせると、低く笑う気配がして、すぐに深く絡んできた。と同時にどんどん激しくなる。
「……っん――――っ……」
気持ち、よくてどうしようもなくて。
まだワイシャツ、ひっかけたままの四ノ宮の色気に、何だか、きゅぅ、と胸が締め付けられて。
どんどん、真っ白になって。
「奏斗……」
「……しの、みや……」
今日も、やたら、好き、とか、可愛いとか言われて。
なんだか、言葉が形を持って、包んでくるみたいで。
いっぱいいっぱいを、通り越して。もう、全部訳が分からなくなって。
知らない間に泣き出してたオレは、四ノ宮に、涙を拭われながら見つめられた。
「奏斗?」
「……ん、……」
「何で、泣いてんの?」
「――――っ……」
ぎゅ、としがみつくと。
抱き締められて。――――好きだよ、と囁かれる。
そこからまた行為は、続いて。
オレは、四ノ宮の腕の中で、落ちた。
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