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きづいたら
「響く」*奏斗 ※
しおりを挟む「奏斗に触ってもいい?」
「だから……やだってば」
「……言うと思った」
なんか余裕の顔で、くす、と笑われる。
「やだって言うか……良くない気がするから」
「良くないって、誰にとって? 普通はってこと?」
クスクス笑いながら、オレの手を引いて引き寄せると。
「じゃあ、キスしよ? それで嫌なら、オレのこと止めて?」
「っだから、今もやだって」
「本気で嫌ならだよ」
そう言うと、傾けられた四ノ宮の顔が近づいてきて、唇が重なる。
まだ、優しい触れ方。
オレの様子を、ちゃんと見てるのが分かる。
本気で嫌ならって。……ずるいんだよ、四ノ宮。
オレ、本気で嫌がったこと、無い気がするし。
もともとオレってば、あんな風に会ってすぐの人達と、あんなことしてた位だし。どうしても嫌とか言えない感じもするし。
というか、何でか他の人が嫌になってしまってからも、四ノ宮のことは嫌じゃなくて。……多分、四ノ宮を本気で嫌がるとか無い気がする。
抵抗がなぜかできずに、柔らかい触れるだけのキスを受けて少しすると、舌が入ってきた。
「……ん……っぅ……」
四ノ宮のこういう時のキスは、すごく強引で激しいのに。でも、優しくて、甘い気がする。
「……は……ン、……」
そのままベッドに押し倒されて組み敷かれて。でもしばらくは、キスだけが続く。
「ん、ン……」
少し離れて息を吸うと、また塞がれる。
舌が絡んで、唾液が流れてくるのを、こく、と飲み込む。
「奏斗、好きだよ」
「――――」
唇の間で囁かれると、涙が滲む。
キスが、気持ちいいからもあるけど。
四ノ宮の声が。言葉が。
頭の中に甘く響いて、よくわからない感情が、胸に渦巻くから、な気がする。
「……ん……っ」
「奏斗……かわい……」
唇の間で囁かれながら。
頬に触れていた四ノ宮の手が、首筋を通って下に滑り落ちていく。
キスに応えたまま。体は、四ノ宮に与えられる刺激に、震えて反応してしまう。
「……ふ……ぁ」
本気で、良くないんじゃないかって思ってるのに。ていうか、今日だけじゃなくて、もう前から、こんなの変って思ってるのに。
……四ノ宮にされるのは、気持ちよくて。
今までで一番。何で、こんなに。気持ちいいに包まれてるみたいな。こんな感じになるんだろ。
「……っん、んんっ……ぁ」
何も、考えられなくなって、気持ちいいしか、なくなっていく。
嫌と言うことも結局できず、散々愛撫されて、慣らされて。熱すぎる体を持て余したところで、頬にキスされて、「いれるよ」と囁かれた。
「っ……っ待っ……」
今、入れられたら、気持ちよくてヤバいかもしれない、なんて思って、思わず止めると。
「ごめん、無理。……息吸ってて」
ちゅ、とまた頬にキスされて、あてがわれた熱に、中を侵される。
「あ、あっ…… ン、ぁっ!」
「――奏斗」
ゆっくり中の方まで入れられたら、すぐイっちゃって仰け反るけれど、引き戻されて唇を塞がれた。
「……んん、ぅ、っ……」
何度も突きあげられて、気持ちよすぎておかしくなりそうで、四ノ宮にしがみついてしまう。しがみついた瞬間、四ノ宮は一瞬止まって。それから。
「あーもう……」
「……っん、ん……?」
「……可愛くてたまんない」
頬を挟まれて、至近距離から見つめられて、そんな風に言われると。
胸の奥がきゅ、と締め付けられるし。
また塞がれたキスにも、浮かされるみたいに応えてしまう。
「ん……ン、ん……」
「奏斗、腰動いてる……気づいてる?」
無意識だったけど、確かに快感を追おうとしていて。
かぁっと熱くなると、またキスされて舌が深く絡んできた。
「あ、っ……あっ……んん」
気持ちよすぎて捩った腰を捕まれると、体勢を変えてバックから突かれて、声が漏れる。
「……んんん、……っン」
四ノ宮の指が乳首に触れて、きゅ、と摘まむと、もう声も出ずに四ノ宮を締め付けて。気持ちよくて、ほんとに、頭まっしろで。
「奏斗……好き」
「……や……っ……あっ……ぁ、んんっ」
耳にキスされながら囁かれて。なんだか、奥に、響く。
ぎゅ、と目をつぶって。脚が突っ張って、全身に力が入って。
最後は声も出ず、イった。
「……ん、ふ……っ……」
は、と息呼吸を整えようとしていたら、脚を開かれて。
「オレまだイってないし――――まだ、付き合って」
「……っぁ……ん、ん……っ……あっ……」
仰向けにされて、また入れられて中を突き上げられると、気持ちイイを通り越して、怖いくらいで。また涙が零れてく。
「……や……っ……ぁぁっ」
四ノ宮に抱き付いて、ただ喘がされて。
好きとか、可愛いとか。
死ぬほど囁かれた気がする。
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➡︎ 作品や章タイトルの頭に『★』があるものは、個人サイトでリクエストしていただいたものです。こちらではリクエスト内容やお礼などの後書きを省略させていただいています。
➡︎ 『番外編:本編完結後』に区分されている小説については、完結後設定の番外編が小説の『更新順』に入っています。『時系列順』になっていません。
➡︎ ただし、『番外編:本編完結後』の中に入っている作品のうち、『カイトが巽に「愛してる」と言えるようになったころ』の作品に関してはタイトルの頭に『𝟞』がついています。
個人サイトでの連載開始は2016年7月です。
これを加筆修正しながら更新していきます。
ですので、作中に古いものが登場する事が多々あります。
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