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きづいたら

「一人で」*奏斗

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 ……四ノ宮と、話して。
 知らない奴に一夜で抱かれるなんてやめろって止められて。
 なんかたくさん、泣いて。でも、大丈夫って、散々言ってもらって。
 側に居て、もらって。

 それで、平気になったんだろうか。
 オレを好きって。側に居るって。意味分からないくらい、構われて。

「――――……」

 馬鹿宮とかキモ宮とか言ってたけど……。
 ……四ノ宮のおかげ、なのかもしれない……。

 ……でもなぁ。そうなると、思っちゃうのは……。

 四ノ宮といることで、和希が薄れてもさ。
 なんか、それは違うような気がするんだよな。

 ……四ノ宮が居なくなったらまた、ああなんの?
 て思うと。

 本当は、四ノ宮が居てくれるからとか関係なく、オレが一人で、平気にならないといけないはず。
 そもそも、四ノ宮と付き合ってる訳でもないし、そんなに頼りまくって、このままずっとこんなんな訳ないんだから。

 やっぱり――――……和希と、会って、話して……友達皆にも会えるようになって……。そこがスタートになる気がする。
 ……和希に、会う、か。

 和希はオレに会って、何がしたいんだろう。
 ……謝られたら。オレどうするんだろう。
 いいよって、言えるかなオレ。
 分かんないや。……泣くかな? 

 オレとよりを戻したいとか、無いとは思うけど。
 ……そんなこと、もし平気で言われたら。オレの二年間。何だったのって、死にそうな気分になりそう。……やっぱ、なんも、聞きたくないかも……。

 許せるかも分かんないし。
 何を言われても、まだ……何も整理できてない。

 でも。和希に振られて言われたことを、今日、普通に話せたのは。
 少しだけ、前に……すすめたのかな。とは思う。

 人に言えるってことは、自分の中だけで暗く暗く、抱えてたものを、少し外に出せたってことな気がするから。爆発しそうになっていた、オレの中の、どうにもできない、真っ黒なモヤモヤした気持ち。

 椿先生も、リクさんも。
 ……話してくれたことが、オレのモヤモヤを、また少し消してくれたような気がする。

 二人に話せるようになったのは――――……。
 もう間違いなく。四ノ宮、だよな……。

 好きって。
 ……好きって言われても。

 応えられる気がしないし。
 もし応えても、それが続くとは思えない。

 だったら、何も、始めない方がいいと思う。

 四ノ宮には感謝してる……と思う。
 すごく。

 ……ていうか。
 四ノ宮の好きって、何???

 なんて言ってたっけ……???

 オレが、四ノ宮のことを一番好きになったらいいって。
 ……恋人いらないって分かってるって言ってたってことは、恋人になりたいってこと……??


 オレと、四ノ宮が、恋人???
 はてなしか浮かばない。

 ずっと居たい。
 ……うーん。これは……オレも、なんだか居心地良くて困る位だし。四ノ宮もなんか、楽しそうにしてるように見えるから、ずっと居たいって思ってくれてるのは、分かる……ような? 
 でもそれって、今のでちょっと楽しいってだけで、ずっとって……。

 これを、いくらでも話すから、とりあえず合宿の間は忘れてていいって言ってた。いくらでも話すって。
 いくらでもかぁ……。

 四ノ宮って。……圧が、強くて。 
 なんか、逃げれないんだよな。何でだろ?

 なんだかもうとりとめもなくずーっと考えながら、電車から降りて、マンションまで歩く。
 最近ほぼずっと四ノ宮が一緒なので、あんまり一人でこの道を歩くことすら少ない気がして、それに気づいて、ふー、と息を吐いた。

 電話は鳴らないから、まだ帰ってないんだよな。
 オレのが後から出たけど、食事行くって言ってたし、それから、皆を送って、だから。一年の子たちの家どこなんだろ。遠かったら、結構かかるんだろうし。


 よし。やっぱり、先、寝てよ。
 たまには、自分ちで、ゆっくり。もいいよね。

 そういえば、なんか眠いなと思ったら、昨日あんまり寝てないし。


 なんとなく二号が欲しい気もするんだけど。
 いない時に入るのはやっぱり気が引ける。




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