331 / 557
ずっとそばに
「おかしい」*奏斗 ※
しおりを挟むそれから、写真を撮るとか撮らないとか、しばらくやりとりした。とりあえず二号の撮影だけになって、そのふざけた感じのまま寝る準備をして、寝室に向かった。
何となくそんな雰囲気だったし、昨日と同じで、ただ寝るだけかなと思ったのに。
寝室に入ってベッドに腰かけると、四ノ宮に、ゆっくり押し倒されそうになった。
するのが当たり前じゃないし、むしろ、しちゃだめなんじゃないかと、思ってるくらいだし。ていうか、そもそも、オレは自分ちで寝ればいいと、そこから思うし。
オレは今日したくないから、してくれなくていいよ、と言ったら、今日はオレがしたいから付き合って、と言われた。何て答えるべきなんだろう。と、本気で迷った。
四ノ宮は、前は、オレが誰かのところに行きたくなるならするって言ってた。それだって、意味が分かんないけど。最初は、危ないからってずっと。心配して言ってた気がする。
……なんか、だんだん変わってきて。
四ノ宮がしたいから、って。……最初言ってたのと、全然違う。
戸惑いまくっている間に、キスされて。
……キスされたら。もう。抗うことが出来なくて。
丁寧に。……もう嫌だって位、めちゃくちゃ解されて気持ちよくさせられてから、四ノ宮を受け入れた。
「……っンん、ん……ぁ……っ」
なんか……。
本当に、まずい気がする。
「……っあ、ン…………ぁ……!」
気持ちよすぎて、訳が分からなくなるなんて。
頭まっしろで、そのままどこかいっちゃいそうで。耐えられなくて、泣く、なんて。
……今まで無かったのに。
体の中の感覚に、耐えられなくなって、仰け反ったら、その唇を深く塞がれた。舌が挿し込まれて、オレの舌を絡めとる。思うままキスされて、上顎をなぞられて、ブル、と震える。
「……っ……っん ……あ!……」
知らずに締めたそこを深く突かれて、逃げてしまいたくなる。でも、めちゃくちゃキスされたまま抱き締められてるので、全然動けず、上に逃げることもできなくて。
強い快感に、頭が真っ白になる。
「……奏斗」
耳元で囁かれて、首筋に舌が触れる。
ぞく、と震えて、四ノ宮を締め付けると、なんだかより快感が走って、唇をかみしめる。
「……声、出してて」
すぐに唇に舌が触れてきて、自然と開いてしまった口に、四ノ宮の舌が入ってくる。
「……ふ……っんん……ン、ぅ……」
上も下も、四ノ宮でいっぱいに塞がれてる気がして。息もまともにできなくて、四ノ宮の為すがまま。ただただ、浮いてるみたいな感覚に支配される。
おかしい。こんなの。
「……んん、あ……ッ」
「……声、かわいい」
笑いを含んだ、でも、今は、すごく熱を孕んだ瞳で見つめられて、体の奥の方が、疼く。
……こんなの、絶対、おかしい。
「奏斗」
「……っぁ……」
「――――……きもちいい?」
「……ッ……ん、ふ……っ」
そんな風に聞かれて。
……素直に気持ちいい、なんてすぐ言えるほど、まだ、トんではない、けど。
「……の、みや……っ」
その首にぎゅ、としがみついた。
111
お気に入りに追加
1,687
あなたにおすすめの小説
美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした
亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。
カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。
(悪役モブ♀が出てきます)
(他サイトに2021年〜掲載済)

学園の俺様と、辺境地の僕
そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ?
【全12話になります。よろしくお願いします。】
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭
3/6 2000❤️ありがとうございます😭
後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…
まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。
5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。
相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。
一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。
唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。
それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。
そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。
そこへ社会人となっていた澄と再会する。
果たして5年越しの恋は、動き出すのか?
表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる