【初恋よりも甘い恋なんて】本編完結・番外編中💖

悠里

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ずっとそばに

「羊みたい」*奏斗

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 な。なに。照れるって。
 めちゃくちゃ色んなことしてくるくせに。
 あと、オレの髪は、平気で洗ってたくせに、何でオレがお前の髪洗うのは「照れる」なわけ。
 しかも、本気で照れてるみたいな顔、されると……。

「……っ」

 ムッとしたまま見上げていたのに、なんだか急に恥ずかしくなって、顔に熱が集まってきた。思わず顔を逸らしたのに、何やら察知したらしい四ノ宮に顎を捕らえられて、上向かされた。

「……何その顔」
 困ったみたいな、苦笑いをされる。

「何で奏斗まで赤くなんの? もうほんと、そういう反応さぁ……」
「――――……」

「ズルいよね……」

 クスクス笑われて、そのまま。
 屈んで近づいてきた四ノ宮に、キスされる。唇が触れてすぐ離れて、ふ、と笑われる。

「なんで真っ赤……? かわいーよね、ほんと……」

 知るか、もう! 
 ……何で真っ赤なの、オレ。

「……っ……ん」

 またキスされて、舌が絡んできて、優しく噛まれる。舌を吸われて、ぞくっとして声が漏れた。

 ……お前が、照れる、とか。似合わないこと言うから。
 一緒にお風呂入って、向かい合って髪の毛を洗い合うなんて、普通はしないことだってこと。四ノ宮に照れるって言われたら急に思い知ってしまって。
 普通に、オレも洗おうかみたいなこと言った自分が、めちゃくちゃ恥ずかしくなった、んだ。オレは。

 お前は何なの、何で照れんだよ。もっと恥ずかしいこと、めちゃくちゃ色々してんじゃんか。
 心の中でいっぱい言っているのだけれど、キスされてて、動けないし、話せない。

「奏斗……」

 しばらくして、舌をゆっくりと離されて、ふ、と笑われて名を呼ばれる。

「……体は、自分で洗う? オレ洗ったら、やばいことしまくりそうなんだけど、いい?」

 なんだか熱っぽい声で囁かれて、ますます恥ずかしくなって、ボディスポンジをガシッと掴んだ。

「じっ……自分で洗う!」
「……はいはい。そーしてください」

 少し間を置いてから、クスクス笑う四ノ宮は、シャンプーを手に取って、自分の髪を洗い始めた。

「ここで始めたら長くなってのぼせそうだから、やめとく」
「…………っっ!」

 もう、何なんだ、四ノ宮の、馬鹿宮……っ……!


 オレはむちゃくちゃ泡立てて、モコモコになりながら、体を洗った。 
 見えないように。と思ったんだけど。

 そしたら、手早く頭を洗い終えて目を開けた四ノ宮に、「ヒツジみたいだね」とクスクス笑われることになって、余計恥ずかしい気分に陥った。




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