295 / 557
ずっとそばに
「ストーカー?」*大翔
しおりを挟む五限が終わって、駅前から五分位離れたビルの中にできた焼き肉屋に到着。
外に列が出来ていたけれど、もう中で待っていることを伝えて、店内に入れてもらった。
オープン初日、張り切ってる感じで、店員の元気な挨拶が飛び交う。
中を見渡すと、サラダバーやドリンクバーが中央にあって、厨房が丸見えになってる。開かれてて、良い感じ。
元々入ってた四人と、今一緒にきた四人で、八人掛けのテーブル席だったが、隣との間は完全に壁があるし、換気がいいのか、煙もそんなにはひどくない。
「良い感じの店だな」
オレがそう言うと、「肉もうまいよ」「サラダもー取っておいでよ」と先に食べてた皆が言う。
「でも値段結構するんだよねー。今日は全品安いけど」
「でもいいよねえ?」
今日は女子三人。男子五人。女子が来るとは思ってなかった。
隣に座ったのは、まあ、わりとよく話す子だけど……多分ちょっと意識されてる子なので、ちょっと微妙。まあスルーするしかない。
なんかもう、奏斗以外に構う気ないしな……。
そんなことを思ってるのは知らないその子は、大翔くんは、と色々話してくる。
色々話しながらも、周りの男子にも話を振りつつ、メニューで注文を決める。注文を終えて、立ち上がった。
「サラダバー行く」
「じゃあオレもー」
と後から一緒に来た皆が立ち上がる。
サラダバー色々種類あるな。……ドレッシングも、普段見ないような味のも並んでる。
……奏斗どれが好きかな。今度ここ、連れてこようかな。どんな味が好きなのか知りたい。
「香織ちゃんて、大翔狙いだよなー」
隣に来て、こそ、と囁かれる。「香織ちゃん」は隣に座った女子の名前。
「そうなのか?」
「えー見てれば分かるじゃん」
……分かるけど。分からない振りが一番楽。
「嘘だろ? 鈍い……ていうか、モテすぎて、麻痺してんのか」
「そういうことじゃないよ」
「だってもうバレバレじゃん、大翔くん大翔くんってずっと」
「つか、お前声でかい」
そう言った時。隣に居た人が、ふっとこっちを見た。
「あ。四ノ宮じゃん」
「え。あ。相川先輩……」
この人が来てる、てことは……。
思わず見える範囲を探してしまう。
相川先輩は、オレを見て笑顔。
「大翔って聞こえたからさ。奇遇だな~……っつか、安いからか。お前も並んだの?」
「いや、オレ今日五限なんで、四限の友達が並んでて」
「あぁ、そうなんだ」
はは、と笑って、相川先輩は、右方向に視線を向けた。
「オレは、翠とかユキとかと並んでてさ」
「そうなんですね」
居るのか、ここに。……ああ、じゃあ、連れて帰れるかな。……つか、時間合わせないとさすがに無理か。テーブルに行ったら嫌がるだろうし。先走って考えていた時。
「う、わー、何でお前、居んのー??」
背後から聞こえてきた、聞き慣れた声。
……ぷ、と笑ってしまう。
「もしかして、ストーカー……??」
「……何でですか」
空のグラスを持ったまま、オレを見上げて、とっても嫌そうな奏斗の顔に、苦笑い。
「お互い、オープンの日に並んで入ろうなんて おかしな友達が居るってことじゃないですか?」
「あ、オレが言ったの、それ。今日四限だし、並べば入れるかなーって。おかしなとか言うなよ」
べ、と舌を出した奏斗に、軽く睨まれる。
隣で、相川先輩も笑ってる。
91
🧡💛💚💙💜💚🩷🩵
お読みいただき、ありがとうございます♡
🩵🩷💚💜💙💚💛🧡
感想やリアクションが、色々な意味で、作品への後押しになります。
なにげないひとつの「ぽちっ」が、私のやる気も後押ししくれています(´∀`*)ウフフ
いつもありがとうございます🩷
投稿サイトが増えてきて全部でお知らせとかが大変なので、
Xでまとめてすることが多いです。
Xノベルとか、短いBL創作とか、これから色々していこう~と思っているので、
フォロー&応援お願いします🩷
🩵「悠里のX」こちら✨です🩵
お読みいただき、ありがとうございます♡
🩵🩷💚💜💙💚💛🧡
感想やリアクションが、色々な意味で、作品への後押しになります。
なにげないひとつの「ぽちっ」が、私のやる気も後押ししくれています(´∀`*)ウフフ
いつもありがとうございます🩷
投稿サイトが増えてきて全部でお知らせとかが大変なので、
Xでまとめてすることが多いです。
Xノベルとか、短いBL創作とか、これから色々していこう~と思っているので、
フォロー&応援お願いします🩷
🩵「悠里のX」こちら✨です🩵
お気に入りに追加
1,685
あなたにおすすめの小説
悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
*
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
勇者召喚に巻き込まれて追放されたのに、どうして王子のお前がついてくる。
イコ
BL
魔族と戦争を繰り広げている王国は、人材不足のために勇者召喚を行なった。
力ある勇者たちは優遇され、巻き込まれた主人公は追放される。
だが、そんな主人公に優しく声をかけてくれたのは、召喚した側の第五王子様だった。
イケメンの王子様の領地で一緒に領地経営? えっ、男女どっちでも結婚ができる?
頼りになる俺を手放したくないから結婚してほしい?
俺、男と結婚するのか?
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
お弁当屋さんの僕と強面のあなた
寺蔵
BL
社会人×18歳。
「汚い子」そう言われ続け、育ってきた水無瀬葉月。
高校を卒業してようやく両親から離れ、
お弁当屋さんで仕事をしながら生活を始める。
そのお店に毎朝お弁当を買いに来る強面の男、陸王遼平と徐々に仲良くなって――。
プリンも食べたこと無い、ドリンクバーにも行った事のない葉月が遼平にひたすら甘やかされる話です(*´∀`*)
地味な子が綺麗にしてもらったり幸せになったりします。
【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる