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揺れる
「可愛いとか思いすぎ」*大翔
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「……ん……?……」
不意に声がして、けほ、と奏斗が少し咳をした。
それで、自分がうとうと眠っていたことに気づいて。
オレから起き上がろうとしてた奏斗に腕を回して、抱き寄せた。
「――――……っ」
腕の中で、びっくりした顔して、オレを見上げる。
「……起き、てた?」
「……咳で、起きた。おはよ」
「うん……はよ……」
言って、そのまま俯く奏斗。見えるのは前髪のみ。
「――――……奏斗……?」
「――――……」
顔を上げさせようとしたら、なんかそのまま、オレの鎖骨辺りに、額を押し付けてきた。
……甘えてんなら、可愛いけど。
まあ絶対違うだろうな。
顔見せる位なら、押し付けておこう、って感じがする。
……つか、それでも、可愛いか。
自然と微笑んでしまっているのを自覚しながら、昨日で大分抱き慣れたその体を、より引き寄せた。
「顔、見せたくない?」
「――――……」
頷いてる。
「今だけ?」
「――――……」
プルプル首を横に振ってる。
「……ずっと、顔、見せない?」
「――――……」
うんうん。頷いてる。
ふ、と吹き出してしまう。
は。可愛い。
「何で? 恥ずかしい?」
「――――……」
それには、うん、とは言わず、なんだか首を傾げている。
「――――……どーしていいかわかんない、とか?」
「――――……」
しばらく微動だにしなかったけれど、その内、首を縦に振ってる。
「……まあ良いけど。――――……水、飲む?」
「……」
顔上げなきゃいけないからなのか、しばらく悩んだ末頷いたので、腕を伸ばして昨日置いてたままのペットボトルを、奏斗に渡した。
のそのそ起き上がって、オレに背を向けて起き上がって、水を飲んでる。
昨日抱いたまま、全裸だったから、起き上がると、綺麗な背中が目の前に。
「――――……」
飲み終えて、ペットボトルの蓋を閉める気配。
オレは、奏斗の背中に、すー、と指を這わせた。
ビクッと飛び跳ねて、なんかすごい顔して振り返る。
「マジで、やだ」
なんかすごく嫌そうな顔をされて、笑ってしまいながらもその手を引き寄せて、ベッドに組み敷いて。真上から奏斗を囲う。
「――――……ッ……」
かあっと赤くなる。
……そういう反応が――――……可愛いと思ってしまうんだけど。
意図してできるわけじゃないだろうけど、なんか可愛すぎて……なんだかな……。
「奏斗」
「……っ」
まっすぐ見つめると、もうなんだよっと言わんばかりの困った顔で、オレを見てる。
「何。やっぱり恥ずかしいの?」
するっと頬に手をかけると、眉が寄る。
「――――……だって、お前、やりすぎ……」
ムッとして言われると。
……あー、なんだかなあ。可愛いな。
ちゅ、とキスすると。
奏斗は両手で口を覆って、ぷい、と顔を逸らした。
「――――……すげー可愛かったけど。昨日。っていうか、割と、さっきまで、か」
クスクス笑ってしまうと、奏斗は、めちゃくちゃ眉をひそめて、オレを見る。
「可愛いとか言うなよ!」
「――――……可愛い以外のなにものでもなかったけどね」
手を、わき腹を通して、腰に回すと、びくう!と震えて、身を縮める。
「――――……」
思っていた以上の反応に、ちょっと驚いてると、奏斗が、触んなよ、と喚いてる。
「――――……」
は。何これ。可愛いな。
――――……そう思ってしまうのだけれど、あんまり可愛いばかり言ってると、そろそろ本気でキレられそうな気がするので。
「ちょっとおいでよ」
ぐい、と引き寄せて、向かい合わせみたいに抱き寄せて、奏斗の頭を、自分に押し付けた。
「――――……ちょっとこのまま、居よ」
「――――……」
なんか、奏斗は、顔を見られる位ならと、思ったのか、特に暴れず、じっとしてる。
「あのね、奏斗」
「……ん?」
「――――……オレ、本気で、側に居るからね」
「――――…………てか……何で?」
「……居たいからとしか、言えないけど。それがすべてじゃない? 人と居る理由なんか」
「――――……」
「オレあんたが大事だから。居るから」
「――――……」
「……オレで良ければ、オレとシたいっていつでも言って」
「――――……」
「オレも言うけど。……でもそれ抜きにしても、居るから」
「――――……」
「前言ってた、見合いがどうとかの話も。あんたの側に居る限り、当たり前だけど受けないから」
「――――……」
奏斗は、ずっと無言。
でも、オレの言葉を聞いてる気はするので、気になってたことを全部言ってくことにする。
不意に声がして、けほ、と奏斗が少し咳をした。
それで、自分がうとうと眠っていたことに気づいて。
オレから起き上がろうとしてた奏斗に腕を回して、抱き寄せた。
「――――……っ」
腕の中で、びっくりした顔して、オレを見上げる。
「……起き、てた?」
「……咳で、起きた。おはよ」
「うん……はよ……」
言って、そのまま俯く奏斗。見えるのは前髪のみ。
「――――……奏斗……?」
「――――……」
顔を上げさせようとしたら、なんかそのまま、オレの鎖骨辺りに、額を押し付けてきた。
……甘えてんなら、可愛いけど。
まあ絶対違うだろうな。
顔見せる位なら、押し付けておこう、って感じがする。
……つか、それでも、可愛いか。
自然と微笑んでしまっているのを自覚しながら、昨日で大分抱き慣れたその体を、より引き寄せた。
「顔、見せたくない?」
「――――……」
頷いてる。
「今だけ?」
「――――……」
プルプル首を横に振ってる。
「……ずっと、顔、見せない?」
「――――……」
うんうん。頷いてる。
ふ、と吹き出してしまう。
は。可愛い。
「何で? 恥ずかしい?」
「――――……」
それには、うん、とは言わず、なんだか首を傾げている。
「――――……どーしていいかわかんない、とか?」
「――――……」
しばらく微動だにしなかったけれど、その内、首を縦に振ってる。
「……まあ良いけど。――――……水、飲む?」
「……」
顔上げなきゃいけないからなのか、しばらく悩んだ末頷いたので、腕を伸ばして昨日置いてたままのペットボトルを、奏斗に渡した。
のそのそ起き上がって、オレに背を向けて起き上がって、水を飲んでる。
昨日抱いたまま、全裸だったから、起き上がると、綺麗な背中が目の前に。
「――――……」
飲み終えて、ペットボトルの蓋を閉める気配。
オレは、奏斗の背中に、すー、と指を這わせた。
ビクッと飛び跳ねて、なんかすごい顔して振り返る。
「マジで、やだ」
なんかすごく嫌そうな顔をされて、笑ってしまいながらもその手を引き寄せて、ベッドに組み敷いて。真上から奏斗を囲う。
「――――……ッ……」
かあっと赤くなる。
……そういう反応が――――……可愛いと思ってしまうんだけど。
意図してできるわけじゃないだろうけど、なんか可愛すぎて……なんだかな……。
「奏斗」
「……っ」
まっすぐ見つめると、もうなんだよっと言わんばかりの困った顔で、オレを見てる。
「何。やっぱり恥ずかしいの?」
するっと頬に手をかけると、眉が寄る。
「――――……だって、お前、やりすぎ……」
ムッとして言われると。
……あー、なんだかなあ。可愛いな。
ちゅ、とキスすると。
奏斗は両手で口を覆って、ぷい、と顔を逸らした。
「――――……すげー可愛かったけど。昨日。っていうか、割と、さっきまで、か」
クスクス笑ってしまうと、奏斗は、めちゃくちゃ眉をひそめて、オレを見る。
「可愛いとか言うなよ!」
「――――……可愛い以外のなにものでもなかったけどね」
手を、わき腹を通して、腰に回すと、びくう!と震えて、身を縮める。
「――――……」
思っていた以上の反応に、ちょっと驚いてると、奏斗が、触んなよ、と喚いてる。
「――――……」
は。何これ。可愛いな。
――――……そう思ってしまうのだけれど、あんまり可愛いばかり言ってると、そろそろ本気でキレられそうな気がするので。
「ちょっとおいでよ」
ぐい、と引き寄せて、向かい合わせみたいに抱き寄せて、奏斗の頭を、自分に押し付けた。
「――――……ちょっとこのまま、居よ」
「――――……」
なんか、奏斗は、顔を見られる位ならと、思ったのか、特に暴れず、じっとしてる。
「あのね、奏斗」
「……ん?」
「――――……オレ、本気で、側に居るからね」
「――――…………てか……何で?」
「……居たいからとしか、言えないけど。それがすべてじゃない? 人と居る理由なんか」
「――――……」
「オレあんたが大事だから。居るから」
「――――……」
「……オレで良ければ、オレとシたいっていつでも言って」
「――――……」
「オレも言うけど。……でもそれ抜きにしても、居るから」
「――――……」
「前言ってた、見合いがどうとかの話も。あんたの側に居る限り、当たり前だけど受けないから」
「――――……」
奏斗は、ずっと無言。
でも、オレの言葉を聞いてる気はするので、気になってたことを全部言ってくことにする。
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