【初恋よりも甘い恋なんて】本編完結・番外編中💖

悠里

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揺れる

「上書き」*奏斗

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「……上手、だよね……かわいー」

 オレの頭や耳に触れて、ゾクゾクしたものを掻き立てながら、四ノ宮が言う。

 ――――……可愛く、ない。

 ……オレが、これをうまいのは……それだけ、色んな奴と、してたってことで。全然可愛いというようなことじゃない。

「もういいよ。……出ちゃいそ」
「――――……ん、ん……」

 口から、外されて。唇を、指で拭われる。

「……奏斗の中、入れたいし」

 そんな言葉に、一瞬、視線が落ちて――――……オレは、再び四ノ宮を見つめた。

「――――……あのさ……」
「ん?」

「……あの――――……オレ」
「うん」

「……色んな奴と……して、たけど……」
「……?」

「………………汚いとか……思わない?」

 言った直後。
 何言ってんのこの人、みたいなしかめ面をされた。

 目の前に座ってたオレを、ベッドに押し倒して、手早くゴムをつけた四ノ宮は、オレの上に押し乗ってきて、顎を掴んだ。

「……それ言うならオレも色んな子としてきたけど。……汚い?」
「――――……」

 聞かれて、ううん、と首を振った。
 でも、それは――――……女の子で。

「……何でそんなこと言うの。そう思ってた?」
「――――……」

「……色んな奴としてるから汚いって?」
「――――……」

 ……ちゃんと、言葉にして考えたことは、無かったけど。
 とっさに出たから、きっと、そうなんだろうなと、自分で思って。
 ……なんか余計なこと、言っちゃったな、と、頷けずにいると。

「――――……ほんと、余計なこと、考えるよね……」

 ぐ、と後ろにあてがわれて。
 途中まで一気に、突き上げられた。

「ッ!……っ…………あ……っ」
「――――……気持ちいい?」

「……ッ……」

 キスされながら、今度は、奥まで。
 ぞくぞくしたもので、真っ白になる。

「……汚いなんて思ってたら、抱きたいなんて、言わない」
「――――……ッ……」

「ほんと……バカだな……」

 言いながら、めちゃくちゃ、キスされる。


「……すっげー、可愛いけどね……?」
「……あ……っ……ン、ぅ……ッ……」

 何度も深く突き上げられて、小刻みな喘ぎが、止められない。
 中だけで、ずっとイッてるみたいな、感覚。 
 
「や、ぁ……っ……」
「あーもう……エロい……」

 興奮したみたいな声で、囁いた四ノ宮に。
 首筋に、噛みつかれる。

「……ひ、ゃ…………っ」

 ずっとイッてるみたいな感覚があるのに、不意にオレのに触れて、四ノ宮が扱き始める。

「……っんん……ぁ……や……」
「――――……気持ち、いいね?……」

 クスクス笑う四ノ宮に、首筋から顎をなめられて、そのまま、喘ぐ唇を塞がれる。

 四ノ宮の抱き方は。
 全部優しいけど、熱くて、激しくて。たまに、容赦なくて。

 気持ちいいって、言うまで、イかせてくれなかったり。

 ……なんだか。色んなことを覚えこまされるみたいな。
 今まで抱かれてきたのを、四ノ宮で上書きされるような、感覚。


 その夜は、何度か分からない位、抱かれた。
 うとうと、しても、また、揺すられて、目が覚めて。

 また快感の波にさらわれて。
 ――――……もうなんか……途中から、声とかも我慢できなくて。


 途中でいつの間にか持ってきた水を、口移しで飲まされる。
 なんか、それにも、すっかり、慣れて。


 数えきれない位、綺麗、とか。可愛い、とか。言われた。

 マジで、酸欠になりそうな位、キスされながら――――……。
 
 四ノ宮と、抱き合った。


 


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