【初恋よりも甘い恋なんて】本編完結・番外編中💖

悠里

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揺れる

「何も考えない」

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 四ノ宮とするキスは。
 ……意味を考えなければ。

 ただ、気持ちいい……気がする。


「……っん……」

 口の中、舐められるのも。舌を絡め取られるのも、吸われるのも。
 頭、ぼうっとして、力が、抜けてしまう。


「……んん……」

 手加減無しで、本気で、キスされてるみたいで。
 密着させられて、逃す気はかけらもないみたいな、キス。

 
「――――……奏斗……」

 ゆっくりゆっくり、唇が離れて。
 自然と滲んでたまってた、オレの涙を、四ノ宮が拭う。

「……なんも、考えないでいいよ。――――……なんも考えないで、気持ち良くなって」
「――――……」

「……あんたが、オレを本気でいらないって言うまでは――――……ずっと居るから。安心してて」
「……」

 何言ってんの。オレ、別に……。
 ……居なくなるとか……不安に思ってる訳じゃ――――……。

「だから、とりあえず、何も考えないで、オレに抱かれてて」
「――――……」

 また唇が重なる。
 どうしてか、何も言えない。

 その後、ベッドに組み伏せられて、頭溶けそうになるほど、キスされて。
 キスされながら、四ノ宮の手が、体に触れる。

 気持ちいいとこを、じっくり探すみたいに、なぞられて、弄られて。
 ぴく、と自然と反応したところを、舐められて、甘く、噛まれる。

 いつのまにか、服は脱がされて、オレだけ、全裸で。
 恥ずかしいんだけど、そんなことも言ってられない位。頭、真っ白。

「――――……ッ……ん、ん……」

 ――――……今まで、二時間で終わらせてきた相手は、ここまでは、しない。キスも、避けていたし。泊まる気なんて無いから時間もないし、オレも相手も、つながるための準備をするために触れ合う、というのが正しかったと思う。女の子とは違うそこを使って、気持ち良くなるための、準備をしてただけ。

 ……なんか、四ノ宮は、全然違った。

 入れるため、じゃなくて。
 ……なんか、ただ……オレを気持ちよくしたいだけ、みたいな。
 優しいけど……気持ちよくて、おかしくなりそうで。

 何度も。準備だけで、イッちゃって。
 何でとか、そういうのも、口に出てこない。

 ただ、荒い呼吸、かみしめては、キスで解かれて。また、喘ぐだけ。


「ね……奏斗?」

 どれくらい、されてたのか分からない。
 全部に触れられてから、ようやく、中、慣らし始めて。

 ああ、やっと、なんて思っていた時、名を呼ばれた。


「――――……」

 四ノ宮の顔を見上げると、クスっと笑って――――……ちゅ、と頬にキスされた。


「オレの、なめたい?」
「――――……」

 四ノ宮の――――……。

「……ん? する?」
「――――……うん」

 唇を指でなぞられて、ぞく、として。
 自然と、頷いていた。

 ……そうしないと、たたないってことかな、と思って。

 なんか、力、入らないけど――――……ゆっくり起き上がると。
 ようやく、上を脱いだ四ノ宮が、ズボンから、それを引き出す。


「――――……」

 ……たたないってことじゃ、ないんだと、ぼんやり思いながら、座ってる四ノ宮に近づく。

「……たたない、のかと、思った」
「は? な訳ないじゃん。――――……馬鹿だね、奏斗」

 クスクス笑いながら。
 それに触れて舌を這わせてから、口に含んだ、オレの頭に優しく触れる。

「最初っから、こうだったし……」

 笑みを含んだ声。
 ……硬くて熱いそれを、指と口で刺激しながら――――……。

 ずっと、こうだったのに、……オレばっかり、ずっとずっと、してたのかと思うと。
 ――――……なんか、めいっぱい、してあげようかなとか。思ってしまう。

「――――……奏斗……」

 は、と息をつく、四ノ宮の呼ぶ声と。
 優しく髪に触れる、触れ方。


 ――――……散々慣らされた体が。なんだか、ぞくりと、反応する。







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