【初恋よりも甘い恋なんて】本編完結・番外編中💖

悠里

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近くて遠い

「どうしたら」*奏斗

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「――――……は、すげーな……」
「……あ、う……っんん……」


「何これ……しめすぎだっつの……」

 少し腰を引きながら、四ノ宮が少し眉を寄せる。
 ぞく、とする位。――――……色っぽい、のかも。

 性的に見た事、なかったけど。

 こいつ、こうしてる時――――……すごいエロイ。
 いつもあんな爽やかな王子スマイルしてるくせに……。


「――――……しの、み、……」


 何でオレ達、こんな事になってンの……。

 抱いて欲しがったって――――……オレ、何で、そんなこと……。


「……あ……っあ、ン――――……」


 何度もイかされて――――……なんかずっと、イってるみたいな感覚。
 そんなの、初めて、で。


「……あ、っンぅ……っ――――……っひ、ぁ……」


 手首を掴んでいた手が、オレの手に触れて。
 まるで手を繋いでるみたいに、絡ませてくる。

「――――……っ」

 快感を逸らそうと顔を背けた先で、そんな手を見て。
 なんかもう頭の中まで、全部奪われそう。

 なんで、こんなことになってるんだろう。

 オレ何か、盛られた……?
 それで、オレが抱いてほしいって……言ったの? 四ノ宮に?


「っ、あ――――……っしの、みや……」

 首に舌を這わされて優しく噛まれて、ゾクゾクが背筋、かけあがる。

「……っしの――――……っなん、で……」

 きもちいいのが、きつい。
 涙、滲んでぼやけるけど。必死で、名前を呼んだら。


「――――……」

 四ノ宮は顔を上げてオレを見つめてから。


「――――……終わったら話してあげますから……集中して」

 言いながら、唇が重なってきて、舌が絡む。
 もう、キスが嫌とか言ってる余裕もない。


「……んん、ン……っ――――……っ」



 ダメだ。 こいつとすんの――――……。
 頭おかしくなる。





◇ ◇ ◇ ◇


「――――……」


 部屋、静か。
 ……もう、オレの声、しない……。



 オレは、俯せで、倒れていた。


 最後覚えてる。
 バックで突かれて――――…… もうどうしようもないくらい、
 真っ白で。

 色んなとこ一緒に刺激されて、後ろ向かされて、キス、されて。
 そこで、意識。飛んだんだ。



 ……なんなの四ノ宮……。

 あのルックスで、噂通り色んな事が出来るとして。
 ……こっちまでやばいとか。 マジで、勘弁して。

 意識が無くなったなんて初めてだった。
 キスを、避ける余裕もないなんて。

 ――――……和希と別れてから、色んな奴としたけど……。
 一切の余裕がなくなって、あんなに乱れたの……初めてで。


 ――――……あれなのかな。
 なんか盛られて、意識飛んでたなら、そのせいで、
 あんなにオレ、乱れたのかな――――……。


 どっちにしても。


 はー――――……。

 もう今、このまま静かに消え去りたい……。
 四ノ宮と顔、合わせないまま、消え去れたら楽なのに……。

 ……四ノ宮の気配はしないけど。
 寝てるのかな……。ここまだ、ホテル、だし。

 うっすらと目だけ開ける。



 目、覚めたら、後輩のが入ってるとか。……しかも男同士なのに。
 ――――……そんな修羅場って、人生に、あっていいいのか……。

 あ。

 なんかオレ、抜けよとか、色々口走ってたな……。
 初めての男になれとか…… 何言ってンだ、マジで。


 最大の混乱状態で。
 ――――……とりあえず抜かなきゃって思ったのに。


 つかなんなの、四ノ宮。
 ゲイじゃないだろ、絶対……。


 頼まれても、ほっといてくれたら良かったのに……。

 あんな、一生懸命抱いてくれなくて、良かったのに……。
 ……って、一生懸命って何だ……。バカ、オレ。


 ――――……でもなんか。
 熱っぽい顔で。こっちがゾクゾク、する位。

 無理矢理やらされてる感は無かったけど――――……。


 何のつもりで、四ノ宮、したんだろう。




 はーほんと……どうしたらいいんだろう。


 身動きして、四ノ宮が起きたら嫌なので、ぴくりともうごけないまま、
 延々、何の解決にもならないことを、考え続けるしかない。





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