【初恋よりも甘い恋なんて】本編完結・番外編中💖

悠里

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近くて遠い

「困ったなあ」*奏斗

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 昨日はコーヒーを飲んだら四ノ宮の家を退散。

 なんかもう、色々考える事はやまもりあったんだけど、もう、考えたくなくて。即、寝てしまった。

 朝起きて一番に。
 何だか、首を傾げてしまう。

 どーして、クラブに四ノ宮と行く事になったんだろう。
 全然意味が分からない。


 ――――……そんなに心配される事、なのかなあ。
 …………男女間でだって、別に、あるじゃん。一夜限りの関係なんて。

 四ノ宮だってしてるって言ってたし。


 ……オレが、変な男に会って、危ない目に遭うのが嫌ってこと?
 でも、たとえもし、そんな事になったとしても。
 
 なんか、そんなの自己責任で、しょうがなくねえかな。
 オレだって、リスクがゼロだって、思ってる訳じゃない。なるべくリスクは低くしてやろうとは思ってはいるけど。

 ――――……組み敷かれるわけだし、そうなってから、本性がヤバい奴ってなっても、もうそれは諦めるしかないというか。

 そんな事が絶対にない、とは言えないんだけど。
 でも、ある意味、そういうのも分かっていての、行動だから。


 それはもう、何が起こっても、自己責任。自分のバカさ加減を、人を見る目の無さを、呪うしかない訳で。


 四ノ宮なら、そんな風にも言いそうなのに。
 自己責任ですよねって、すごい、バッサリ言いそうなのに。

 何であんなに気にするんだろ。

 変に縁があって、しかもお隣さんで、変に絡んじゃったから、オレの事が心配の対象になっちゃったのかなあ?


 困ったなぁ。やだぞ、関係する男を物色してるとことか、誘うとことか見せるなんて。絶対嫌だ。


 授業を受けながら、頭の隅でそんな風に思いながら1日を過ごした。

 最後、ゼミの時間。教室に行くと、まだ、先生と、2人の先輩だけだった。
 とりあえず四ノ宮が居ない事にホッとして、「こんにちは」と中に入る。


「おーユキ、久しぶり」
「今日は先輩達、居るんですね」
「今週からしばらく参加する。先週まで別で忙しくてさ」
「お手柔らかにー……」

 言うと、ぷ、と笑われる。

「ユキくん、昨日はありがとうね」

 椿先生。
 ――――……今日もなんか、すげえカッコいいけど。

 これに純粋に見惚れると、四ノ宮が怒る。まあ居ないからいっか。
 
 ……って意味が分かんねえ、今のオレの思考、何?
 マジほんと、勘弁して。


「昨日ので、役に立ちましたか?」
「うん、かなり助かったよ。無駄なとこ読む時間が短縮されるから」

「じゃあ良かったです。遅かったんですか? 昨日」
「22時半位には帰ったかな」
「うわー。お疲れ様です」

 言うと、先生は、ふ、と笑って。

「何食べて帰ったの?」
「あー……食べたのは……パスタ、ですね」

 咄嗟に聞かれて、そんな風に答えた。

 食べて帰った訳では、無い。
 ……なんか変な答え方だったかな、と思いながら、先生の言葉を待っていると。先生は、ふーん?と何か笑ってる。


「こんにちはー」

 何だかなってタイミングで、四ノ宮達、1年が登場……。
 先生の視線が四ノ宮に行って止まると、気づいた四ノ宮が近づいてくる。


「こんにちは」
 
 ……はい。王子様は、いつも通り良い笑顔で先生や先輩達に笑いかけてる。
 こういう時、オレの事はスルーするのは何故。

 よく分からない。


「ありがとうね、昨日」

 先生が四ノ宮にそう言う。

「いえ」

 そのまま四ノ宮と先生が話し出したので、オレはそーっとそこを離れて、大体いつも2年で座ってる方の席に、腰かける。

 今日皆遅いなあ……。


「なあ、ユキ、今日ゼミの後、暇? 今日は先生用事らしいから個別に行くかって言ってんだけど」

 達樹先輩と、亮二先輩がこっちを見て言う。まだ先生と四ノ宮は話している。

「あ、今日オレ、合コン行くんです」
「合コン? 珍しくない?」

「確かにあんまり行かないですけど。小太郎主宰なので」
「ああ、そうなんだ。じゃあまた今度飯いこ」
「はーい」

 笑顔で頷いてるとこに、小太郎達も入ってきた。

「よー、ユキ」
「んー」

「今日行けるよな?」
「行けるって、昨夜も返事したじゃん」


 何回確認すんだよ、と笑うと。


「だってカッコいい奴くるって言っちゃったし。来なかったら怒られる」

 とか言う。

「なんだそれ……」
「だってマジそうだし」
「……はいはい、それはどうも……」

 と適当に返事を返しながら、苦笑い。




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