【初恋よりも甘い恋なんて】本編完結・番外編中💖

悠里

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近くて遠い

「もしかして?」*奏斗

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 大きくため息をついたオレを見て。
 何だかとっても色々考えてそうな複雑な顔をしつつ。


「……先輩ってさ、そんなにモテるの?」

 不意に、そんな風に聞かれた。


「……何それどーいう意味だよ」

 誰に? 女の子? 男?
 このタイミングでその質問って、何?

「女にモテるのは知ってます」
「――――……」

 じゃあ男にか。
 ……何なの、その質問。もーほんと、意味わかんない……。

 四ノ宮くん。
 オレ、そんなにため息、つきたくないんですけど。

 お前と話してると、なんかすごいため息が漏れるのは、なぜ?

 言ったら、ムッとするかなーと思って、心の中だけで、言ってると。
 

「クラブとか行ってさ、そんなにすぐ相手って、見つかるもの?」
「……何で急にクラブの、そっちの話になんの?」

「ああ……なんかずっと、気になったんで。理由なんか無いです」

 ――――……もー。ほんとこいつって。
 謎。


「……四ノ宮も相手、見つける事あるって言ってたよね。 入ってどれくらいで、相手見つかるの?」
「時間は分かんねえけど。……しばらく絡んで、お互い気が向いたら」

「……オレ、しばらく絡むとかしないから。怪しくなさそうな良さそうな人が居たら、さりげなく声かけて……割とすぐだよ」

「相手が見つからない事って、無いんですか?」
「……無かったかな」

 そう言えば、無いな。
 ――――……だから、まあ。相手に困らないけど。


「ほんとですか? 見栄はってません?」
「何の見栄だよ……?」

 苦笑い。
 もう、ほんと、会話が、意味わかんない。


「――――……じゃあさ、今度競争しません?」
「……??」

「どっちが早く相手見つけられるか」
「はー? やだよそんなのー」

「しましょうよ」
「――――……もう…… つか、お前は明日の合コンで相手探せよ」

「はー? それこそ嫌ですよ。相川先輩の友達なんて、マジで一番そういう風に手ぇだせないとこですよ」

「真剣に付き合うんだったら、ありだろ。そもそも合コンなんだしさ」
「絶対嫌です」

 きっぱりはっきり言い切るし。
 ――――……もう、意味わかんない。

 ぷ、と吹き出してしまった。


「先輩?」

「四ノ宮ってさー……ほんと、変な奴、な?」

 クスクス笑ってしまう。
 なんか少し面白くなさそうな顔はしてたけど。
 オレがやっと笑いを収めた所で。


「とにかく、今度クラブ行く時、絶対誘って下さいね」

 とか、訳の分からない事を、平気な顔で言ってくる。


「えええ? 嘘でしょほんとに競うの?」

「まあ競わなくてもいいですけど……」
「――――……じゃあ何で一緒にいくんだよ…… 相手の性別も違うし、どーせ居る場所違うよ?」


「――――……1人で行ったら、オレ、すげー怒りますからね」
「えーーーーー……すごいやなんだけど……」


 ……怒ったら、怖そう。
 でも一緒に行って、とか。

 すげーやなんだけど―!
 なんでそんなことになるんだよー。

 そう思った時、ふと、突然思ったのは。


 もしかして、これは、オレに相手探しに行くなって、言いたいのかな?

 もしかして…………??





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