【初恋よりも甘い恋なんて】本編完結・番外編中💖

悠里

文字の大きさ
上 下
4 / 556
よりによってなんで?

「あいつに見られるなんて」

しおりを挟む


【side*奏斗】


 最悪。最悪。最悪。
 マジで最悪。

 よりによって、あいつに見られるなんて。

 ゼミのいっこ下の後輩。四ノ宮 大翔しのみや ひろと
 
 ルックスは半端なく良い。すげえ目立つ。大学入ってきて3か月弱で既に有名人。漫画じゃあるまいし「王子」という言葉で呼ばれて違和感のない奴なんて、そうそう居ない。

 あんだけ良い男だと、男には疎まれそうなのに、ゼミの中では性格も良いって評判で、とにかく凄く人にモテる奴。


 だけどなんか。
 何でなのか、自分でも分かんないんだけど。


 オレはあいつの事が何か苦手で。


 何がって。
 ……ものすごく、うさんくさいと感じてしまう。

 でも、これは、オレしか思ってないみたいだけど。


 短期間でどんどん評判が良くなる程に、ますます何だかなぁって感じで。
 だから、とにかく絡まないようにしてたのに。


 なのに。ほんの数分前。



 男とラブホの部屋入るとこ。
 四ノ宮に見られた……。

 


 マジで、神様、時を戻してくれ。
 そしたら、オレ、このラブホに入らないから。






◇ ◇ ◇ ◇




 オレは、雪谷 奏斗ゆきたに かなと 19才。大学2年生。
 ゲイ。受け。

 人生、今が楽しければいい。
 そう思ってる。

 今が幸せじゃないのに、未来が幸せな訳ない。

 幸せな今が繋がって、繋がって、繋がって――――……。
 そしたらきっと、ずっと幸せでいられるはず。

 幸せな今の為に、心がけている事はただ1つ。


「執着しないこと」


 物でも人でも。執着しないで、心穏やかにいる事。


 その瞬間の優しさがあればいい。
 抱き合って、その時だけ愛してくれればそれでいい。


 ずっとの愛情を求めあって、
 執着して、ずっとずっといつまでも一緒になんて。

 執着すればするほど、その対象が居なくなった時、
 きつすぎる。


 オレはもう二度と、そんな事になりたくない。


 だから、今が気持ち良ければいい。


 どんなに体の相性が良くても、2時間限りの関係で終わり。
 泊りで過ごすなんて、絶対にしない。


 得体のしれない初めて会う奴はさすがに嫌だから、いつも決まったクラブに行って、なんとなく知り合いの知り合いとか、多少の繫がりがある奴を選ぶ。ゲイの奴もいるし、違う奴もいる、普通のクラブだけど、皆ゆるくて楽な場所。大体男に興味ある奴が声をかけてくることが多い。

 オレが選ぶ相手は、なるべくモテそうな良い男。

 何でって。
 そりゃ経験多い方が上手だし。
 相手に困ってないから執着もしてこないし。


 あ、ちなみにオレはめっちゃモテる。
 ゲイの受けとして遊ぶなら、オレってイイんじゃないかな。

 そこらの女の子より可愛いって、よく言われる。
 肌白いし毛深くないし、髪の毛サラサラで、瞳が大きくて睫毛も長くて。
 アイドルみたいとかお人形みたいとか、聞き飽きる位言われてきた。

 可愛い系の受けを求めてる奴には、めちゃくちゃ褒められる。

 抱き心地も良いみたい。

 エロイ事好きだし、残念ながら相手が多少下手でも、演技もできてしまうし。バレたことは無い筈……。

 今迄、求めた時に、相手が居なくて困った事は、無い。
 


 で、数時間前クラブに行ったオレは。
 今日も無事、良い男をゲットした。







しおりを挟む
🧡💛💚💙💜💚🩷🩵
お読みいただき、ありがとうございます♡
🩵🩷💚💜💙💚💛🧡

感想やリアクションが、色々な意味で、作品への後押しになります。
なにげないひとつの「ぽちっ」が、私のやる気も後押ししくれています(´∀`*)ウフフ
いつもありがとうございます🩷

投稿サイトが増えてきて全部でお知らせとかが大変なので、
Xでまとめてすることが多いです。

Xノベルとか、短いBL創作とか、これから色々していこう~と思っているので、
フォロー&応援お願いします🩷 
🩵「悠里のX」こちら✨です🩵

感想 331

あなたにおすすめの小説

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談? 本気? 二人の結末は? 美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。

【完結済み】乙男な僕はモブらしく生きる

木嶋うめ香
BL
本編完結済み(2021.3.8) 和の国の貴族の子息が通う華学園の食堂で、僕こと鈴森千晴(すずもりちはる)は前世の記憶を思い出した。 この世界、前世の僕がやっていたBLゲーム「華乙男のラブ日和」じゃないか? 鈴森千晴なんて登場人物、ゲームには居なかったから僕のポジションはモブなんだろう。 もうすぐ主人公が転校してくる。 僕の片思いの相手山城雅(やましろみやび)も攻略対象者の一人だ。 これから僕は主人公と雅が仲良くなっていくのを見てなきゃいけないのか。 片思いだって分ってるから、諦めなきゃいけないのは分ってるけど、やっぱり辛いよどうしたらいいんだろう。

孕めないオメガでもいいですか?

月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから…… オメガバース作品です。

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

処理中です...