「今日でやめます」

悠里

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プロローグ

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 幼い頃の記憶だと思う。

 だと思うっていうのは、確かじゃないから。夢かも、とも思うから。


 とにかく、目の前が、全部黄色。綺麗な黄色に圧倒される。
 空は、真っ青。白い雲。

 けれどその後、とてつもなく、怖い感覚。
 で、最後は、ほっとする。

 色がついてるのは、最初の、黄色だけ。あとは、暗い。

 
 記憶なのか夢なのか、誰にも確認しないままもう二十七。
 こんなとりとめもないもの、誰にどう聞くのかも、分からない。


 自分も、普段は完全に忘れていて。

 でも、何だか時折突然、浮かぶ情景と、感覚。


 すごくささいなこと、なんだけど。

 ……もしかして、これ、一生たまに思い出しながら、生きていくのかなと思ったりする。









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