「嫌いな君に、恋をした僕」

悠里

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2.全部嫌い。※

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 学園は全寮制。
 一人、一部屋の快適な暮らしだ。食事は食堂で、時間内ならいつでも食べられる。

 僕の部屋は角部屋。勉強ばかりしてる僕の部屋に来るようなもの好きは、カインだけ。
 カインは、僕の部屋に来ると、鍵を掛けながら、いつも最初に、僕の頬に触れて、撫でる。

 キスを重ねて、僕の、呼吸を奪う。

「……ん……っ……ぅ」

 しつこいキスが嫌いだ。絡んでくる舌も。上顎を舐められるのも、嫌い。
 朦朧としてると、キスしたまま抱き上げられて、ベッドに運ばれる。
 
 激しいキスをしながらたくさん僕に触れて、いつのまにか濡れてる指で、僕の中を抉る。最初はたぶん、一本。でも、すぐに指が増える。

「……んっン……」
「ここ。反応いいね」

 カインは制服を着ているとそこまで筋肉がありそうには見えない。でも、脱ぐとどこもかしこもいい筋肉がついてて、弾力がある。……それも、嫌い。

「……あ、ア……っ」
「声。隣の奴に聞こえるよ。いいのか?」
「……っ……そこ、やめ……」
「やめないから、シュリが我慢して」
「…………ッ」

 きつく唇を噛みしめると、カインは荒い息で少し笑って、また中をぐり、と抉る。

「あっ……!」
 仰け反った僕に、カインが覆いかぶさって、深くキスしてくる。

「静かに――絶対、声、聞かせたくないんだから」
「……んん、ぅ……っ……ん、……」

 だったら、やめれば、いいのに。
 ――この快感も全部、大嫌いだ。

 僕は、こんなの、望んでなかった。絶対、カインとこんなこと、するの、望んでなんか、無かったのに。

「シュリ……」

 低い声。皆が、良い声、って褒める声。
 でも今は――何だか、熱がこもってて、いつもより、何か……まとわりつかれるみたいで、好きじゃない。


「……っァ!」

 キスしてた舌が、頬を舐めて、そのまま、耳に舌が入り込んでくる。
 ビクビク、体が震える。

「っや、だ……やめ」
 言いかけた言葉も、下を深くトントン刺激されて、奪われた。

「……あっ……」

 きゅう、と指を締め付けてしまう。

「……何? イッた?」
「――――っ……」

「耳でイッちゃったの? ……弱すぎるなぁ、シュリ……」

 笑いと熱を含んだ声で言いながら、カインは僕の上から下にずれていく。動けず、枕に沈み込んでた僕は、ビクンと大きく震えた。イッたばかりのそれがカインの口に含まれた感覚。

「……あ、ア……っ」

 声が立て続けに上がりかけて、僕は、自分の両手で、口を塞いだ。
 先を刺激して、そのまま、またその口に含まれて、きつく扱かれる。同時に、中の指は、ぎゅうぎゅうに締め付けてる中を、かき混ぜて、 慣らしていく。

「……んん、ふ……っ……」

 あ、もう、無理。また、イッちゃ――――……。
 思った瞬間、根本をきつく締められて、絡んでいた舌も解かれる。

「や、ぁん……ん……っ」
「――――はは。かわい、やぁん、て」  


 いつもみんなには、優しいのに。
 こういう時、すごく、いじわるで。

 からかうように、濡れた笑いをこぼす、カインが。
 僕はもう、本当に、本当に、死ぬほど嫌いなんだ。




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