上 下
266 / 274

◇呼び捨て ※

しおりを挟む



 粘り気のあるローションを、指に絡ませて陽斗さんの中に埋める。

「――――……ッ」

 思うより柔らかくて、中まで入る。……昨日、散々シてたからかな。ぎゅ、と絡みついてくる熱い中を慣らしていく。
 後ろの刺激で感じてる、陽斗さんのにキスして、舌を這わせた。

「……あ、っ……!」

 フェラ、嫌い、というか、オレにさせたくないみたいで。
 いつも逃げようとする気がする。

 でも、後ろに指が深く入ってるし……そう簡単に逃がすわけもなく。

「……や、ぁ……っ……」

 口の中に入れてしまうと、「……ん、あ」と言ったきり、声もかみ殺している。後ろは指を奥まで挿し入れて、中で動かすと、腰がびく、と揺れて、先走りが零れてくる先端を舐めとる。

「……っや……」

 イきそうかな。口から出して、手で扱いて追いたてる。
 後ろから指を抜いて、ゴムを手早くつけて、陽斗さんの後ろにあてがう。

 脚を開かせて、追い立てながら、体をあげて、首筋にキスする。

「ん、ん……っ」

 もうなんか……どこかしこも、敏感で。
 何をしても、反応が可愛い。

「……陽斗さん」
 耳に唇を寄せて、舌を中に入れる。
 
「イっていいよ」
 囁いて、最後強く扱くと、陽斗さんの体が強張る。

「……ん……ぁ?」
 イったと同時に、脚をさらに割って。何をされるかまだ分かってない陽斗さんに、オレのを奥まで突き入れた。

「……!!」

 前でイったばかりで完全に油断してた陽斗さんは、ぎゅ、と目をつむってから、ふ、と息をついた。

「……陽斗さん」
 深くキスしながら、中を突いて慣らしていく。

「……っあ……! ン……っ」

 突く度、キスの間から、甘い喘ぎ声。
 たまにオレを見上げる瞳は、ぽろぽろ涙をこぼして、また伏せられる。

 ヤバい。
 ……可愛い。……マジでヤバいな。

「……う、んっ…………っひ、ぁ……っ」

 ぎゅ、と抱きつかれる。
 激しめに動いていると、荒い息で喘いで、仰け反る首筋が、とても綺麗で。
 緩く、噛みついて、舌で舐めあげる。

「…………っ」

 ビクビク、震えて――――……またイッたかな。
 中だけでも、気持ちよくなれるみたいで、きつく締め付けてくるから、それが分かる。


「……あ、んん ……っ……みか……」

 名を呼ばれて、組み敷いてる陽斗さんを見つめると。

 ……それはもう何というか。ほんとうに、色っぽい。

 上気した頬。涙をためて、ウルウル泣いてる。寄せられた眉に、噛みしめては解ける唇。
 汗が前髪を額に張り付かせている。

「……ふっ……ん……っあ……」
「どうしてほしい? 緩い方が好き? 深く?」

 陽斗さんの前髪を掻き上げながらそう聞くと、きゅ、と唇を噛んでから。

「……ふ、かく……がいい」
「ん。了解」

 ギリギリまで抜いて、そこからか、一気に奥まで。
 きつく、締め付けられる。

「――――……陽斗さん……」
「……っ」

「一回呼んでもいい……?」
「……? な、に?」

 見上げてくるの、可愛い。


「……陽斗」

 ちゅ、と頬にキスしながら、耳元で囁く。
 呼び捨てで名を呼んだら、びっくりした顔で見つめられて、その後。ウルウルした瞳のままで、ふ、と笑顔。


「……あおい……」

 笑みを含んだ声で呼ばれて、ぎゅ、と抱きつかれる。



 ……呼び返してくれるし。息が荒い中、笑ってるの、超可愛いし。


 ――――……あー、ヤバい。


 可愛すぎて、ほんとヤバすぎる。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

前後からの激しめ前立腺責め!

ミクリ21 (新)
BL
前立腺責め。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

『別れても好きな人』 

設樂理沙
ライト文芸
 大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。  夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。  ほんとうは別れたくなどなかった。  この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には  どうしようもないことがあるのだ。  自分で選択できないことがある。  悲しいけれど……。   ―――――――――――――――――――――――――――――――――  登場人物紹介 戸田貴理子   40才 戸田正義    44才 青木誠二    28才 嘉島優子    33才  小田聖也    35才 2024.4.11 ―― プロット作成日 💛イラストはAI生成自作画像

笑って誤魔化してるうちに溜め込んでしまう人

こじらせた処女
BL
颯(はやて)(27)×榊(さかき)(24) おねしょが治らない榊の余裕が無くなっていく話。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

処女姫Ωと帝の初夜

切羽未依
BL
αの皇子を産むため、男なのに姫として後宮に入れられたΩのぼく。  七年も経っても、未だに帝に番われず、未通(おとめ=処女)のままだった。  幼なじみでもある帝と仲は良かったが、Ωとして求められないことに、ぼくは不安と悲しみを抱えていた・・・  『紫式部~実は、歴史上の人物がΩだった件』の紫式部の就職先・藤原彰子も実はΩで、男の子だった!?というオメガバースな歴史ファンタジー。  歴史や古文が苦手でも、だいじょうぶ。ふりがな満載・カッコ書きの説明大量。  フツーの日本語で書いています。

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

処理中です...