253 / 274
◇全部好きかもって。
しおりを挟む
ぐるぐる色々考えていると、先輩がオレから少しだけ離れて、ころんと仰向けになった。
「なんかさあ」
「ん」
「……今までオレとした子、ちゃんと気持ちよかったかなあって心配になっちゃった……」
何だかしみじみと言ってるそんなセリフに、思わず首をかしげるオレ。
「……何ですか? それ」
「んー…… 三上がオレにするみたいにさ。オレもちゃんと気持ちよくしてあげれてたかなあって考えて」
「してたんじゃないですか? ていうか、陽斗さんとするってだけで、もう幸せだと思いますけど」
「……三上って、ほんと恥ずかしいよね」
数秒固まった後、苦笑いでそう言ってから、少しため息をついた。
「うーん。でもね……三上のやり方って……すごいなーと思ってさ」
「すごい、ですか?」
「うん……ほんと気持ちよくて、真っ白」
「――――……」
……何なのかな、可愛すぎて困るんだけど。
腕を回して、ぎゅー、と抱き締めてみた。
「……ん?」
先輩はクスクス笑いながら、抱き締めたオレの腕に、そっと触れてくる。
「……相性が良いってことですよ。多分」
「――――……」
オレが言うと、先輩は少し黙って、それからクス、と笑った。
「そうだね……」
するすると、先輩の腕がオレの首に回って、ぎゅ、と抱きつかれた。
「体だけじゃなくてさ」
「……」
「……なんか、三上のこと、全部、好きかもしんない」
「…………」
「……おかしいよな、ついこないだまで、普通に話もしてなかったのにさ」
「陽斗さん」
「ん?」
「……キスしてもいい?」
そう聞くと、陽斗さんはオレをマジマジと見上げてから、可笑しそうにクスクス笑い出した。
「今更何で聞くの? キスしてもいいなんてさ」
「――――……めちゃくちゃキスしたら、そのまま続けちゃいそうだから。確認してからと思って」
「続けちゃいそう……なの??」
「うん」
「……元気だなー、三上……」
そんな風に言われて、あ、やっぱり嫌かなと思って、引こうと思った瞬間。
首に掛かってた手に、力がこもって、引き寄せられた。
「……ん」
そんな声を出しながら、ちゅ、とキスしてくる。
「……明日、出かけなくてもいいなら。良いよ」
「出かけたくないです」
「あ、そ……」
オレが即答したら、先輩はクスクス楽しそうに笑う。
「……オレがだるくて動けなくなったら」
「一日世話します」
「――――……じゃいいよ?」
ぷ、と笑って、先輩の唇がまた触れてくる。
「……オレ、一応我慢しようと思ったんですよ?」
「んー?」
先輩の頭を枕に沈めさせ、押し倒して、見つめ合う。
「……そうなの?」
「うん」
ふ、と目を細めて笑う、その唇に、唇を重ねさせる。
「じゃあ何で、するの?」
ふふ、と笑いながら聞かれる。
「……オレのこと全部好きかもとか、言うからですよ」
「――――……」
舌、触れ合わせた間から、先輩が笑いを零す。
「……それで、我慢できなくなっちゃうの?」
「……ん。我慢とか、無理」
深く唇を塞いで、舌を絡める。
ふ、と気づいた。
「股関節痛かったら言ってね。体勢、考えるから……」
言うと、先輩、すでにトロンと、ぼんやりしてた顔に、ふわっと笑みを浮かべる。
「分かった……」
「――――……」
なにその顔。……可愛すぎるんだけど。もー無理。絶対無理。
俄然その気になってるオレに、先輩はクスクス笑った。
「……どんなに痛くなっても湿布は貼らないからね……」
「大丈夫、一日オレが世話するんで、休んでください」
「……んー…… じゃあもう……」
クス、と笑った先輩に、抱き付かれてキスされる。
「――――……好きにしていーよ……」
唇の間で囁く先輩に。
完全に、オチて。
深く、口づけた。
「なんかさあ」
「ん」
「……今までオレとした子、ちゃんと気持ちよかったかなあって心配になっちゃった……」
何だかしみじみと言ってるそんなセリフに、思わず首をかしげるオレ。
「……何ですか? それ」
「んー…… 三上がオレにするみたいにさ。オレもちゃんと気持ちよくしてあげれてたかなあって考えて」
「してたんじゃないですか? ていうか、陽斗さんとするってだけで、もう幸せだと思いますけど」
「……三上って、ほんと恥ずかしいよね」
数秒固まった後、苦笑いでそう言ってから、少しため息をついた。
「うーん。でもね……三上のやり方って……すごいなーと思ってさ」
「すごい、ですか?」
「うん……ほんと気持ちよくて、真っ白」
「――――……」
……何なのかな、可愛すぎて困るんだけど。
腕を回して、ぎゅー、と抱き締めてみた。
「……ん?」
先輩はクスクス笑いながら、抱き締めたオレの腕に、そっと触れてくる。
「……相性が良いってことですよ。多分」
「――――……」
オレが言うと、先輩は少し黙って、それからクス、と笑った。
「そうだね……」
するすると、先輩の腕がオレの首に回って、ぎゅ、と抱きつかれた。
「体だけじゃなくてさ」
「……」
「……なんか、三上のこと、全部、好きかもしんない」
「…………」
「……おかしいよな、ついこないだまで、普通に話もしてなかったのにさ」
「陽斗さん」
「ん?」
「……キスしてもいい?」
そう聞くと、陽斗さんはオレをマジマジと見上げてから、可笑しそうにクスクス笑い出した。
「今更何で聞くの? キスしてもいいなんてさ」
「――――……めちゃくちゃキスしたら、そのまま続けちゃいそうだから。確認してからと思って」
「続けちゃいそう……なの??」
「うん」
「……元気だなー、三上……」
そんな風に言われて、あ、やっぱり嫌かなと思って、引こうと思った瞬間。
首に掛かってた手に、力がこもって、引き寄せられた。
「……ん」
そんな声を出しながら、ちゅ、とキスしてくる。
「……明日、出かけなくてもいいなら。良いよ」
「出かけたくないです」
「あ、そ……」
オレが即答したら、先輩はクスクス楽しそうに笑う。
「……オレがだるくて動けなくなったら」
「一日世話します」
「――――……じゃいいよ?」
ぷ、と笑って、先輩の唇がまた触れてくる。
「……オレ、一応我慢しようと思ったんですよ?」
「んー?」
先輩の頭を枕に沈めさせ、押し倒して、見つめ合う。
「……そうなの?」
「うん」
ふ、と目を細めて笑う、その唇に、唇を重ねさせる。
「じゃあ何で、するの?」
ふふ、と笑いながら聞かれる。
「……オレのこと全部好きかもとか、言うからですよ」
「――――……」
舌、触れ合わせた間から、先輩が笑いを零す。
「……それで、我慢できなくなっちゃうの?」
「……ん。我慢とか、無理」
深く唇を塞いで、舌を絡める。
ふ、と気づいた。
「股関節痛かったら言ってね。体勢、考えるから……」
言うと、先輩、すでにトロンと、ぼんやりしてた顔に、ふわっと笑みを浮かべる。
「分かった……」
「――――……」
なにその顔。……可愛すぎるんだけど。もー無理。絶対無理。
俄然その気になってるオレに、先輩はクスクス笑った。
「……どんなに痛くなっても湿布は貼らないからね……」
「大丈夫、一日オレが世話するんで、休んでください」
「……んー…… じゃあもう……」
クス、と笑った先輩に、抱き付かれてキスされる。
「――――……好きにしていーよ……」
唇の間で囁く先輩に。
完全に、オチて。
深く、口づけた。
101
お気に入りに追加
1,292
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。



サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる